Bluetooth機器を輸入・販売するには電波法と電気通信事業法をクリアする必要があります。
Bluetooth機器以外でも海外からポケットwifi、ドローン、トランシーバー、ベビーモニター、アニマルメーカーなどを輸入する場合は電波法と電気通信事業法をクリアしている(技適マークを取得している)かどうか確認する必要があります。
技適マークを取得するには
技適マークとは日本の電波法に基づく認証で、無線機器輸入時には取得または免除確認が必須となる。

技適マークの取得は、無線機器の輸入・販売において「必須条件」であり、法的リスクを回避するために不可欠なステップです。
技術基準適合証明(通称:技適)は電波法に基づき実施される制度で、BluetoothやWiFi、ドローンなど無線通信機能を持つ機器が日本国内で販売・使用できるために必要な認定です。このマークがない製品を流通させると1年以下の懲役または100万円以下の罰金という重い法的制裁を受けます。
技適マークの取得には、メーカーが協力する必要があり、検査機関での実地測定や文書審査を経る必要があります。特にOEM生産の場合、製造工場そのものが技術基準適合証明を受けたことがあるかどうかが重要です。
代行会社を利用することで手続きの負担は大幅に軽減されますが、費用は商品種別や検査内容によって大きく異なります。以下のような事例を参考にしてください:
- 小型Bluetooth機器(OEM販売): 25万円程度で取得可能
- TELEC公式サービス(工事設計認証、OEM向け): 基本料30万円 + 検査費用9万円。ISO9001未対応工場の場合は6万円加算で合計39〜45万円
- ※実際には商品毎に試験項目が変わるため、事前の見積もり依頼が必要です。
TELECは大手ではありますが、規模の大きな企業向けであり、中小事業者にとっては費用対効果に難がある場合があります。そのため代理店や専門会社を選ぶ際には、実績・サポート体制・納期も確認することが重要です。
私の経験では、「Lepro」さんという知り合いが運営する代行サービスに依頼した際に、小型Bluetooth機器の技適取得を25万円前後でスムーズに完了させました。サポート体制もしっかりしており、メールでのやり取りや進捗確認も丁寧でした。
また、現地メーカーが既に技術基準適合証明を受けている場合は、輸入者が再取得する必要はありません。Bluetooth SIG認証など共通規格であるため、「日本で販売したい」という意思を伝えるだけで、多くのメーカーから対応が得られることがあります。
特に注目すべきは「敬遠されやすい商品」こそが実は狙い目だということです。電波法のハードルが高いと知りつつも、実際にはすでに認証済みで問題ない製品が多いのです。
メーカーに確認する際に伝えるべきポイントは以下の通り:
- 「日本市場向け販売を検討しており、技適マークの取得状況をご教示ください」
- 「OEM生産も行うため、製造工場での適合証明実績があるか確認させていただけますか?」
- 「Bluetooth SIG加盟済みかどうかを教えていただけますか?(アライアンス加入が必要です)」
技適マークの取得は単なるコストではなく、「商品が日本市場で合法的に流通できる」という資産と捉えるべきです。
【ステップ別:技適マーク取得までの流れ】
電波法と電気通信事業法の基礎知識
電波法は周波数帯・出力規制を定め、電気通信事業法は通信サービスへの接続条件を規制する別々の法体系だ。

無線機器の輸入ビジネスを成功させるためには、電波法と電気通信事業法という2つの法律を正確に理解することが不可欠です。これらの法律は日本国内での電波利用を規制し、混信や違法電波の発生を防止することを目的としています。
電波法の概要と輸入ビジネスへの影響
電波法は1950年に制定された法律で、日本国内における電波の公平かつ能率的な利用を確保することを目的としています。この法律により、無線設備を使用するためには原則として総務大臣の免許が必要とされていますが、技適マークを取得した機器については免許不要で使用できる特例が設けられています。
輸入ビジネスにおいて特に注意すべき点は、技適マークのない無線機器を日本国内で使用・販売することは電波法違反となるということです。これは個人使用目的であっても例外ではありません。近年では訪日外国人が持ち込むスマートフォンやWiFi機器についても問題視されており、2020年の法改正により一部緩和措置が取られましたが、商業目的での販売については依然として厳格な規制が適用されています。
電波法違反の罰則は非常に重く、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに、違法な無線機器の販売により他の通信に妨害を与えた場合、損害賠償請求を受けるリスクもあります。特に医療機器や航空管制システムなど、人命に関わる通信への妨害は社会的にも大きな問題となりえます。
電気通信事業法との関連性
電気通信事業法は、電気通信事業の健全な発達と国民の利便性向上を目的とした法律です。Bluetooth機器やWiFi機器など、通信機能を持つ製品を販売する際には、この法律に基づく技術基準適合認定も必要となる場合があります。
具体的には、公衆回線に接続する可能性のある端末機器(例:WiFiルーター、モバイルルーター、スマートフォンなど)については、電波法に基づく技適マークに加えて、電気通信事業法に基づく技術基準適合認定(いわゆる「端末認定」)も取得する必要があります。
この2つの認定は同時に申請することが可能で、一般的には「技適マーク」として一括で表示されています。輸入者としては、製品のパッケージや本体に技適マークが表示されているかどうかを確認することで、両方の認定を取得しているかどうかを判断できます。
2026年における法規制の最新動向
2026年現在、総務省は電波法の改正を進めており、技適制度の簡素化やグローバル認証との相互承認に向けた動きが活発化しています。特にIoT機器の急増に伴い、認証プロセスの効率化が求められており、一部の低出力無線機器については届出制への移行が検討されています。
また、欧州のCEマークやアメリカのFCC認証との相互承認協定の拡大も進められており、将来的には海外で認証を取得した製品が日本でも認められる可能性があります。ただし、現時点では依然として日本独自の技適認証が必要であり、輸入ビジネスを行う際は最新の法規制動向を常に確認することが重要です。
無線機器の種類別輸入ガイド
Bluetooth・WiFi・特定小電力無線はそれぞれ技術基準が異なり、適合性確認方法も機器カテゴリごとに手順が異なる。

無線機器と一口に言っても、その種類は多岐にわたり、それぞれに異なる規制や認証要件が存在します。ここでは、輸入ビジネスで取り扱われることの多い主要な無線機器について、種類別に詳しく解説していきます。
Bluetooth機器の輸入における注意点
Bluetooth機器は最も一般的な無線機器の一つであり、輸入ビジネスでも人気の高いカテゴリーです。イヤホン、スピーカー、キーボード、マウス、スマートウォッチなど、幅広い製品がBluetooth技術を採用しています。
Bluetooth機器を輸入する際の最大のメリットは、Bluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)という国際的な認証機関が存在し、多くのメーカーがすでにグローバル認証を取得しているという点です。このため、海外メーカーに問い合わせると、日本市場向けの技適マークをすでに取得しているケースが少なくありません。
ただし、注意すべき点もあります。Bluetooth規格にはClass 1、Class 2、Class 3という出力レベルの区分があり、特にClass 1(最大100mW)の高出力機器については、追加の認証要件が課される場合があります。一般的な消費者向けBluetooth機器はClass 2(最大2.5mW、通信距離約10m)が主流であり、こちらについては比較的スムーズに認証を取得できます。
具体的な製品例として、完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の輸入は特に人気があります。中国の深圳には多くのTWSメーカーが集積しており、OEM生産も盛んです。これらのメーカーの多くは日本市場への輸出経験があり、技適マーク取得のノウハウを持っています。
WiFi機器・モバイルルーターの輸入
WiFi機器やモバイルルーターは、Bluetooth機器と比較して認証のハードルが高い傾向にあります。これは、WiFi機器がより広い周波数帯域を使用し、出力も大きいことが理由です。
WiFi機器の技適申請においては、以下の点を特に確認する必要があります:
- 使用周波数帯:2.4GHz帯と5GHz帯では認証要件が異なります。特に5GHz帯の一部(5.2GHz、5.3GHz)は屋内使用に限定されるなど、使用条件に制約があります。
- DFS(Dynamic Frequency Selection)機能:5GHz帯を使用するWiFi機器には、気象レーダーなどとの干渉を避けるためのDFS機能が必要です。
- 技術基準適合認定:公衆回線に接続するモバイルルーターなどは、電波法の技適に加えて電気通信事業法の認定も必要です。
モバイルルーターの輸入は、SIMカードの対応バンドも重要な検討事項です。海外製のモバイルルーターが日本の携帯キャリアのバンドに対応しているかどうかを事前に確認しないと、技適マークを取得しても実際には使用できないという事態になりかねません。
ドローンの輸入と航空法規制
ドローン(無人航空機)の輸入は、電波法に加えて航空法の規制も考慮する必要があり、最も複雑な輸入案件の一つです。
ドローンに使用される無線技術としては、操縦用の無線リンク(2.4GHz帯が主流)、映像伝送用のFPV(First Person View)リンク、そしてGPS信号の受信などがあります。特にFPV用の映像伝送には5.8GHz帯を使用するものが多く、日本では第4級アマチュア無線技士以上の資格と無線局の開局が必要となる場合があります。
2022年6月から施行された航空法改正により、100g以上のドローンは機体登録が義務化され、リモートID機能の搭載も必要となりました。輸入するドローンがリモートID機能を搭載しているか、または後付けで対応可能かどうかは、販売可能性に直結する重要な要素です。
さらに、ドローンの飛行には航空法に基づく許可・承認が必要な場合が多く、人口集中地区(DID)での飛行、夜間飛行、目視外飛行などは特別な許可が必要です。輸入販売を行う際は、これらの規制について購入者に適切な情報提供を行う責任があります。
トランシーバー・無線機の輸入
トランシーバーや業務用無線機は、その出力と使用周波数によって大きく規制が異なります。一般的に、特定小電力トランシーバー(出力10mW以下)については技適マークがあれば免許不要で使用できますが、より高出力の機器については無線局の免許が必要となります。
海外で人気のある「GMRS(General Mobile Radio Service)」や「FRS(Family Radio Service)」規格のトランシーバーは、日本の周波数割り当てと異なるため、そのままでは使用できません。これらの機器を輸入しても、日本国内での使用は電波法違反となるため、販売対象から除外する必要があります。
デジタル簡易無線(登録局)は、登録制で比較的容易に使用できる無線システムとして人気があります。ただし、この規格に対応した製品は日本独自の仕様であるため、海外からの輸入よりも国内メーカーからの仕入れが現実的です。
ベビーモニター・見守りカメラの輸入
ベビーモニターや見守りカメラは、WiFiまたは独自の無線規格を使用しており、技適マークの取得が必要です。特にWiFi対応のIPカメラは、クラウドサービスとの連携が前提となっている製品が多く、セキュリティ面での配慮も重要です。
DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)規格を使用したベビーモニターは、日本では使用できない周波数帯を使用している場合があるため、特に注意が必要です。欧州で販売されているDECT製品は1.88-1.90GHz帯を使用していますが、この周波数帯は日本ではPHSに割り当てられているため、そのままでは使用できません。
技適マーク取得の具体的なプロセス
登録証明機関への申請から認証取得まで通常2〜6ヶ月かかり、試験費用は機器1品番あたり数十万円が目安だ。

技適マークの取得プロセスを詳しく理解することで、スムーズな認証取得と適切なコスト管理が可能になります。ここでは、実際の申請から認証取得までの流れを段階的に解説します。
Step 1: 事前調査と製品仕様の確認
最初のステップは、輸入しようとする製品の技術仕様を正確に把握することです。以下の情報を製造元から入手する必要があります:
- 使用周波数帯と周波数偏差
- 空中線電力(送信出力)
- 変調方式(FSK、GFSK、OFDM等)
- 占有周波数帯幅
- スプリアス発射の強度
- アンテナの種類と利得
これらの技術情報は、認証申請の基礎となるだけでなく、製品が日本の技術基準に適合する可能性があるかどうかの事前判断にも役立ちます。仕様書を確認した結果、日本の基準を満たせない可能性がある場合は、その時点で輸入を断念するか、製品の改修を検討する判断ができます。
Step 2: 認証機関の選定と見積もり取得
技適マークを取得するためには、総務大臣の登録を受けた認証機関(登録証明機関)に申請を行う必要があります。日本には複数の認証機関が存在し、それぞれに特徴や得意分野があります:
- TELEC(テレコムエンジニアリングセンター):大手で信頼性が高いが、費用も高め。大企業向け。
- JATE(電気通信端末機器審査協会):電気通信事業法の端末認定に強み。
- DSP Research:比較的リーズナブルで中小企業にも対応。
- その他、民間の認証代行会社も多数存在。
複数の認証機関から見積もりを取得し、費用・納期・サポート体制を比較検討することをお勧めします。特に初めて技適申請を行う場合は、サポート体制が充実した認証機関を選ぶことで、申請プロセスでのトラブルを最小限に抑えられます。
Step 3: サンプル機器の準備と送付
認証機関での測定試験に使用するサンプル機器を準備します。一般的には2〜3台のサンプルが必要で、うち1台は認証機関に保管される場合があります。
サンプル機器の準備において重要なポイント:
- 量産品と同一仕様のサンプルを用意すること。試作品や特別仕様の機器で認証を取得しても、量産品には適用されません。
- 必要な付属品(充電器、ケーブル等)も含めて送付すること。
- 技術資料(回路図、ブロック図、仕様書等)を同時に提出すること。
海外からサンプルを取り寄せる場合、輸入通関に時間がかかる場合があります。特に無線機器は税関で電波法の確認を求められることがあるため、「試験研究用」として輸入することを明記した書類を準備しておくとスムーズです。
Step 4: 測定試験の実施
認証機関に送付されたサンプル機器は、所定の測定試験に供されます。測定項目は製品の種類や使用周波数帯によって異なりますが、一般的には以下の項目が測定されます:
- 周波数の偏差および幅
- 占有周波数帯幅
- スプリアス発射の強度
- 空中線電力の偏差
- 副次的に発する電波等の限度
- 送信時間制限(該当する場合)
測定試験には通常5〜10営業日程度かかります。ただし、試験中に基準値を超える項目が見つかった場合、再試験や製品の改修が必要となり、大幅に時間が延びる可能性があります。
Step 5: 工事設計認証の取得(OEMの場合)
OEM生産を行う場合は、「工事設計認証」という形式で認証を取得することが一般的です。工事設計認証は、製品の設計に対して認証を与えるもので、その設計に基づいて製造されたすべての製品に技適マークを付与できます。
工事設計認証の取得には、製造工場の品質管理体制も審査対象となります。ISO9001の認証を取得している工場であれば、品質管理体制の審査が簡素化されますが、ISO9001未取得の工場の場合は追加の審査費用が発生します。
Step 6: 認証書の発行と技適マークの表示
測定試験に合格し、すべての審査を通過すると、認証機関から認証書が発行されます。認証書には、認証番号、製品名、認証条件などが記載されています。
技適マークの表示方法については、以下のルールがあります:
- 製品本体への表示が原則(刻印、印刷、シール等)
- 本体への表示が困難な小型機器の場合、パッケージや取扱説明書への表示が認められる場合がある
- 電子表示(画面上への表示)も一定条件下で認められる
技適マークには認証番号も併記する必要があり、この番号により総務省のデータベースで認証情報を確認できます。購入者が認証の有効性を確認できる透明性の高いシステムとなっています。
輸入ビジネスにおけるリスク管理
技適未取得品の販売は1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となり、在庫全廃棄のリスクもある。

無線機器の輸入ビジネスには、法的リスク、品質リスク、そして市場リスクなど、様々なリスクが存在します。これらのリスクを適切に管理することで、安定したビジネス運営が可能になります。
法的リスクとコンプライアンス
最も深刻な法的リスクは、技適マークのない無線機器を販売してしまうことです。電波法違反は刑事罰の対象となるだけでなく、企業の信用を大きく損なう可能性があります。
法的リスクを回避するための具体的な対策:
- 仕入れ前に必ず技適マークの有無を確認すること。メーカーの主張だけでなく、総務省のデータベースで認証番号を照合する。
- 認証の有効範囲を正確に把握すること。例えば、色違いやバージョン違いの製品が同じ認証でカバーされているとは限らない。
- 認証の継続性を確認すること。製品の仕様変更や製造工場の変更があった場合、認証が無効になる可能性がある。
また、製品安全法(PSE法)やリサイクル法など、電波法以外の法規制についても確認が必要です。特にACアダプターや充電式バッテリーを使用する製品については、PSEマークの取得が別途必要となる場合があります。
品質リスクと検品体制
海外製品の品質は製造元によって大きく異なります。技適マークを取得した製品であっても、実際の製造過程で品質が低下している可能性があります。
品質リスクを管理するための対策:
- 入荷時の抜き取り検品を実施し、外観や動作の確認を行う
- 定期的に認証機関での再測定を行い、技術基準への適合を確認する
- 顧客からのクレームや返品のデータを分析し、品質傾向を把握する
特にOEM生産の場合、製造工場の選定が品質を左右する最大の要因となります。工場の視察や品質管理体制の確認を行い、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
市場リスクと競合分析
無線機器市場は技術革新のスピードが速く、製品のライフサイクルが短い傾向にあります。技適マークの取得に時間とコストをかけた製品が、市場投入時にはすでに陳腐化しているというリスクもあります。
市場リスクを軽減するための戦略:
- 市場調査を徹底し、需要の持続性を見極めること。一過性のブーム製品への投資は避ける。
- 差別化要素を持つ製品を選ぶこと。価格競争に巻き込まれにくい製品ポジショニングを目指す。
- 複数の製品ラインナップを持つこと。特定の製品への依存度を下げ、リスクを分散する。











