この記事では日本人が海外Amazonで販売を行う上でおすすめの国について紹介しています。
最初にFBA納品が可能な国について紹介します。
目次
日本からのFBA納品が可能な主なAmazonマーケットプレイス(国)
国・地域 | Amazonドメイン | 日本からのFBA納品可否(2025年現在) |
---|---|---|
アメリカ | amazon.com | 〇(可能) |
カナダ | amazon.ca | 〇(可能) |
メキシコ | amazon.com.mx | △(基本は不可、米国FBA経由) |
イギリス | amazon.co.uk | 〇(可能) |
ドイツ | amazon.de | 〇(可能) |
フランス | amazon.fr | 〇(可能) |
イタリア | amazon.it | 〇(可能) |
スペイン | amazon.es | 〇(可能) |
オランダ | amazon.nl | △(基本はDEなどを経由) |
スウェーデン | amazon.se | △(DEなどから配送) |
ポーランド | amazon.pl | △(DEなどから配送) |
オーストラリア | amazon.com.au | 〇(可能) |
UAE(アラブ首長国連邦) | amazon.ae | 〇(DHLなどで対応) |
シンガポール | amazon.sg | △(FBAよりもMF主流) |
インド | amazon.in | ✕(原則不可、日本からのFBA納品は非対応) |
ブラジル | amazon.com.br | ✕(FBA運用不可に近い) |
運用不可に近いと書いている国は現地法人を立てるなどすれば一応可能なものの実質不可能に近い国です。
たまにアメリカで月商1000万円位稼げているからイギリスやドイツ、フランスなどでも同じことをやれば単純に売上が数倍になると考える方がいますがそんなに簡単な話ではありません。EUは税法は似ていますが各国独自のルールが乗っかっていますしその他の梱包ルールもドイツのLUCID登録、フランスのEPR登録、イタリアのCONAI登録、オーストリアのARA登録など国ごとに違います。毎年のようにルール変更があるのも参入障壁を高めている理由になっています。
他にもCEマーク、REACH規制、RoHS、WEEEなどの安全・環境規制を通じて、欧州企業に有利なルール設計をしている側面があります。
ただし現在はAIがあり現地の新制度の状況を把握しやすくなっているのでまたヨーロッパ輸出が盛り上がってくる気配は感じています。
そんな中実は穴場になっている国がUAEとオーストラリアです。ヨーロッパほど法規制が厳しくありません。
UAE(amazon.ae)
- 参入障壁が低い:ヨーロッパのような複雑な法規制(LUCID、EPR、CONAI等)がない
- 競合が少ない:Keepaで販売数を取得できないため、多くのセラーが参入を躊躇
- 市場の成長性:中東市場は急成長しており、日本製品への需要も高い
オーストラリア(amazon.com.au)
- 英語圏の利点:商品説明やカスタマーサポートが英語で対応可能
- 法規制がシンプル:ヨーロッパと比較して参入しやすい
- 日本製品への親和性:アジア太平洋地域で文化的な親和性がある
- データ不足による競合の少なさ:販売数データが取得困難なため参入者が限定的
私は輸出は出品者出荷に特化してFBA販売はパートナー企業を通してしか行っていませんがFBA販売ではこの2国での売上を大幅に伸ばしています。やはり単純に参入者が少ないこともそうなのですがkeepaで販売数を取得できないことが大きいのではないでしょうか。
実際私がプロデュースしているアマトピアでも現在UAE、オーストラリアの販売数は取得できませんが取得する仕組み自体は開発してあり現在パートナー企業に使ってもらっています。それから売上が大きく伸びているのでやはりデータは大事だと改めて感じました。そのうちアマトピアにも導入予定です。
ちなみにヨーロッパを中心にVAT込み表記が義務付けられている国は出品者出荷で利益を出すのは難しいので必然的にFBA納品になります。
もっとFBA対応の国が増えた時のために全世界のAmazonの販売数取得できるように改良しておりどんどん検証していきたいのでオランダやスウェーデン、ポーランドなど珍しい国で販売している方がいれば特例で受け付けているので公式ページよりお問い合わせください。
メーカー仕入れだと独占販売圏は国ごとにもらうことになるので日本メーカーからしてもアメリカの独占販売圏をくださいと言われても
(またか、そのメール今月10件目だよ。しかも実績がない会社だし独占販売圏なんて上げられるわけがない)
と思われてしまうでしょう。
しかし「ポーランドでの独占販売圏をください。」と言われればメーカー側も確実に今日を持ちます。なぜなら巨大なメーカーでもない限りそこまでの販路を持っていないためです。
(えっポーランド?そんな取り引き先いないしむしろありがたい)
と思います。もちろん現地の企業が同時期に代理店を希望していれば競り負ける確率が高いですがそのようなことは滅多に起こりません。
仕事の都合で海外に移住している日本の方もこのブログを多く見てくださっているようですがそのような方こそその強みを活かして日本企業とのメーカー仕入れを試みるのがいいでしょう。やはり強みを使って競合と差別化できる部分で戦うことが大切です。
個人的には日本在住ならば無在庫メインで海外在住だったら有在庫メーカー仕入れで戦うのがいいと思います。ただ無在庫メインの場合も結局売れるもので限定性があるもの(例えば特典付きのBlu-ray、初回限定資料集、ブランドのコラボ作品など)は在庫を確保しておかないとAmazonで売れた際に仕入れることが出来ないので商品によって分けるハイブリッド型が一番です。
無在庫でテストマーケティングして売れる商品は有在庫販売にする、という考えは悪くはないのですがそれだと辿り着けない商品は山ほどあります。無在庫セラーに考えが寄り過ぎているとこの思考法で考えてしまうのですがリサーチの段階で1週間で10個売れている商品を無在庫で出しても有在庫セラーに勝てるわけがありません。
また有在庫セラー側はそのように短期間でたくさん売れている商品を探していとまた有象無象のセラーから抜け出すことは出来ません。結局は市場の中で抜きん出た人だけが大きく稼げます。
他の人が徒歩なら自分は自転車、他の人が自転車なら自分は車、他の人が車なら自分は新幹線、他の人が新幹線なら自分は飛行機と常に他者を上回るにはどのようにすればいいかを考える必要があります。
日本からの出品者出荷(FBM)が可能な主なAmazonマーケットプレイス(国)
国・地域 | Amazonドメイン | 日本からの出品者出荷(FBM)可否(2025年現在) |
---|---|---|
アメリカ | amazon.com | 〇(可能) |
カナダ | amazon.ca | 〇(可能) |
メキシコ | amazon.com.mx | △(可能だが物流・通関難易度高) |
イギリス | amazon.co.uk | △(配送方法が限られる) |
ドイツ | amazon.de | △(配送方法が限られる) |
フランス | amazon.fr | △(配送方法が限られる) |
イタリア | amazon.it | △(配送方法が限られる) |
スペイン | amazon.es | △(配送方法が限られる) |
オランダ | amazon.nl | △(アカウント統合で可、需要少なめ) |
スウェーデン | amazon.se | △(同上) |
ポーランド | amazon.pl | △(同上) |
オーストラリア | amazon.com.au | 〇(可能) |
UAE(アラブ首長国連邦) | amazon.ae | 〇(可能。DHL/EMSなどで発送可) |
サウジアラビア | amazon.sa | 〇(可能。ただし配達日数や関税要注意) |
シンガポール | amazon.sg | 〇(可能。FBMが主流) |
インド | amazon.in | ✕(原則不可。登録・物流ともに厳しい) |
ブラジル | amazon.com.br | ✕(FBM運用ほぼ不可。現地セラー前提) |
トルコ | amazon.com.tr | ✕(アカウント作成不可または出品不可) |
FBMの方が優位なのはメキシコ/UAE/サウジアラビア/シンガポールになります。
ただビジネスは有利か不利かだけでするものではありません。アメリカは圧倒的にFBAの方が売れていますが結局納入倉庫が西海岸か東海岸かでも売れ行きやコストが変わってきますしFBMでも全然売れます。
という訳で今回の記事はあくまで一般論として結局特定の国で売りたいのであれば特定の国に特化して販売している人を見つけて教わるのが早いと思いますので、そのようにするのがおすすめです。
以上参考になれば幸いです。