値段を上げたのに売上が増えた ― Shopee価格設定の意外な法則

安くしても売れない、高くしたら売れた

Shopeeで価格を下げても売れず、逆に価格を上げたら売れたケースは珍しくない。理由は低価格が「品質が低い商品」というシグナルになるためで、適切な価格設定は競合の相場を分析した上で「品質に見合う価格」に設定することが、Shopeeでの長期的な収益最大化につながる。

「東南アジアは価格勝負の世界だから、とにかく安くしないと売れない」

これは、私がShopee輸出のコンサルティングを始めた初期の頃、最も多く聞いた言葉の一つです。実際、この思い込みに縛られて苦しんでいるセラーの方は、今でも非常に多いと感じています。

ある日、コンサル先のAさんから相談を受けました。日本製のスキンケア商品をフィリピンのShopeeで販売しているが、まったく売れないというのです。

商品ページを見せてもらって、すぐに原因がわかりました。

現地の類似商品と同じ価格帯、つまり最安値圏で出品していたのです。

Aさんの考えはこうでした。「フィリピンの消費者は価格に敏感だから、安くしないと見向きもされない。だから利益を削ってでも最安値に合わせた」と。一見すると合理的な判断に思えます。しかし、結果はどうだったかというと、3ヶ月で売れたのはわずか4個。広告費や出品にかけた時間を考えると、完全に赤字でした。

私はAさんに思い切った提案をしました。価格を30%上げましょう、と。

Aさんは当然驚きました。「今でも売れないのに、値上げしたらもっと売れなくなりませんか?」と不安そうな顔をされていました。

しかし、私には根拠がありました。Shopeeのデータを分析すると、日本製スキンケアの購入者が求めているのは「安さ」ではなく「本物の日本品質」だったのです。最安値で出品することで、逆に「これは本当に日本製なのか?」「偽物ではないか?」という不信感を抱かせてしまっていた可能性が高いと判断しました。

値上げと同時に、商品ページも大幅に変更しました。具体的には以下の3点です。

  • 日本語パッケージがはっきり見える高画質画像に差し替え
  • 「Made in Japan」「日本国内正規品」であることを説明文の冒頭に明記
  • 日本の薬局で購入した際のレシートの写真を掲載

結果は劇的でした。値上げした翌月から月間販売数が4個から27個に増加しました。さらに翌月には42個まで伸び、利益率も大幅に改善しました。

この経験は、価格設定の本質を教えてくれました。価格とは、単なる数字ではなく、商品の「価値」を伝えるシグナルであるということです。

安すぎる価格は「安物」というメッセージを送ってしまいます。特に日本製品は「高品質」というブランドイメージがあるため、安さが逆効果になるケースが少なくありません。

もちろん、闇雲に値上げすればいいという話ではありません。この記事では、私がこれまで50社以上のShopeeセラーをコンサルティングしてきた経験とデータに基づいて、Shopeeの価格設定で本当に大切なことをお伝えします。コスト計算の基本から、国別の価格戦略、プロモーションの活用法、そして実際に利益率を倍にした価格テストの方法まで、すべて具体的な数字と事例を交えて解説していきます。

Shopee輸出価格設定の基本イメージ

Shopeeの価格設定で考慮すべきコスト

Shopeeの価格設定で考慮すべきコストは①仕入れ原価、②国際送料(商品重量・サイズ別)、③Shopee手数料(カテゴリ別5〜8%)、④決済手数料(2〜3%)、⑤為替リスク(円安・円高10%程度のバッファ)の5つだ。全コストを含めた利益率が15〜20%以上になる価格設定を目標にする。

価格設定の第一歩は、「自分の商品にどれだけのコストがかかっているのか」を正確に把握することです。これが曖昧なままだと、売れば売るほど赤字になるという最悪の事態に陥りかねません。

実は、この「コスト把握」ができていないセラーが驚くほど多いのです。私のコンサル先でも、初回のヒアリングで正確なコスト計算ができていた方は全体の2割程度でした。残りの8割は、何かしらのコストが抜け落ちていました。

Shopee輸出における価格計算の基本式は以下の通りです。

販売価格 = 仕入原価 + 国際送料 + Shopee手数料 + 梱包費 + 為替変動バッファ + 利益

一つずつ見ていきます。

仕入原価

仕入原価には、商品そのものの価格だけでなく、国内送料(仕入先から自宅や倉庫までの送料)も含めて計算します。無在庫販売の場合、仕入れのたびに国内送料がかかるため、これを見落とすと利益を大きく圧迫します。

私のコンサル先では、Amazonや楽天から仕入れるケースが多いですが、送料無料の商品でも「送料分が商品価格に上乗せされていないか」を確認するようにアドバイスしています。同じ商品でも、仕入先によって価格差が500円以上あることは珍しくありません。

国際送料

Shopee輸出で最も見積もりが難しいのが国際送料です。重量、サイズ、発送先の国によって大きく変わります。

目安として、アジア向け500gの荷物の場合はこのようになります。

  • EMS:約1,500〜2,500円
  • 国際eパケット:約1,000〜1,500円
  • 国際eパケットライト:約800〜1,200円

コストを抑えたい場合は国際eパケットライトが魅力的ですが、追跡の精度や配送速度はEMSに劣ります。商品の単価が高い場合はEMS、低単価の商品はeパケットライトと使い分けるのが現実的です。

また、見落としがちなのが「実重量」と「容積重量」の違いです。軽くてもサイズが大きい商品(例えばぬいぐるみやクッション)は、容積重量で計算されるため、想定以上に送料がかかることがあります。

Shopee手数料

Shopeeの手数料は複数の項目で構成されており、しかも国やセラーのステータスによって料率が異なります。主な手数料は以下の3つです。

コミッションフィー(Commission Fee):売上に対して課される基本手数料です。国によって異なりますが、概ね2〜6%の範囲です。

サービスフィー(Service Fee):Shopeeのプラットフォーム利用料として課されます。こちらも2〜4%程度です。

トランザクションフィー(Transaction Fee):決済処理にかかる手数料で、約2〜3%です。クレジットカード決済の場合に発生します。

これらを合計すると、売上の約6〜13%がShopee手数料として差し引かれる計算になります。国別の目安は以下の通りです。

  • シンガポール:合計約8〜12%
  • マレーシア:合計約7〜11%
  • タイ:合計約8〜12%
  • フィリピン:合計約6〜10%
  • 台湾:合計約8〜12%

よくある間違いは、コミッションフィーだけを計算に入れて、サービスフィーとトランザクションフィーを忘れるパターンです。これだけで利益率が5%以上ずれることがあります。

梱包費

梱包費は1個あたり100〜300円程度が一般的です。段ボール、緩衝材、テープ、送り状の印刷代などを含みます。少額に見えますが、月に100個売れば1万〜3万円になります。決して無視できない金額です。

ちなみに、日本製品を東南アジアに送る場合、梱包の丁寧さがレビュー評価に直結するという傾向があります。「日本から届いた!丁寧に包装されていて感動した」というレビューは、実際にShopeeで非常に多く見られます。梱包費をケチるよりも、適切な投資と捉えた方が長期的にはプラスです。

為替変動

Shopeeでの売上は現地通貨で受け取りますが、最終的には日本円に換算されます。為替レートの変動は利益に直接影響するため、バッファを持たせることが重要です。

私がコンサル先に推奨しているのは、為替変動バッファとして5〜8%を価格に上乗せする方法です。急激な円高が進んだ場合でも、このバッファがあれば即座に赤字になることは避けられます。

為替レートは毎月確認し、大きな変動があった場合は価格を調整するルーティンを作っておくことをおすすめします。

最低利益率ラインの設定

すべてのコストを積み上げた上で、最後に利益を乗せます。ここで重要なのは、「最低利益率ライン」を事前に決めておくことです。

私が推奨する商品価格帯別の目標利益率は以下の通りです。

  • 低価格帯(販売価格1,000円未満):利益率30%以上
  • 中価格帯(販売価格1,000〜5,000円):利益率20〜30%
  • 高価格帯(販売価格5,000円以上):利益率15〜20%

低価格帯で利益率を高めに設定するのは、1個あたりの利益額が小さいためです。利益率が20%でも、500円の商品なら利益は100円しかありません。梱包や出品にかかる手間を考えると、それでは割に合わないのです。

逆に高価格帯では、利益率が15%でも1個あたりの利益額が大きいため、多少率を下げても事業として成立します。

ここで一つ、コンサル先でよくある失敗例を紹介します。コスト計算を「だいたいこのくらいだろう」と感覚で行ってしまい、蓋を開けてみると赤字だったというケースです。特に多いのが、為替変動とShopee手数料の見積もりが甘いパターンです。ある方は、コミッションフィーだけを計算に入れて「手数料は3%くらいだろう」と見積もっていたのですが、実際にはサービスフィーとトランザクションフィーも加わって合計11%かかっていました。この8%の差が、全商品の利益を吹き飛ばしていたのです。

こうした事態を防ぐために、私はコンサル先にスプレッドシートでのコスト管理を必ず導入しています。商品ごとに全コストを入力すると、自動で利益率と利益額が計算されるシートです。面倒に感じるかもしれませんが、一度作ってしまえば後は数字を入力するだけです。この「見える化」が、価格設定の精度を飛躍的に高めてくれます。

利益計算のイメージ

国別の価格感覚の違い

Shopeeの出店先国によって価格感覚は大きく異なる。シンガポールは購買力が高く日本製品への信頼も厚いため高単価設定が受け入れられやすい。タイ・フィリピン・ベトナムは価格感度が高く中間価格帯での販売が主流。台湾はブランドへのこだわりが強く品質アピールにより価格プレミアムを付けやすい。

Shopee輸出で最も重要なポイントの一つが、国によって「適正価格」がまったく異なるという事実です。日本国内のECであれば、全国一律の価格で問題ありませんが、Shopeeの場合は出品する国ごとに価格戦略を変える必要があります。

私がこれまでのコンサルティングで蓄積してきたデータから、主要4カ国の価格感覚をまとめます。

シンガポール:品質に見合えば高くても買う

シンガポールは東南アジアで最も所得水準が高い国です。一人あたりGDPは日本を上回っており、消費者の購買力は非常に高いと言えます。

シンガポールのShopee利用者の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 「安いから買う」よりも「品質が良いから買う」という購買動機が強い
  • レビューや商品説明を丁寧に読んでから購入する傾向がある
  • 英語が通じるため、商品説明が充実していると購入率が上がる
  • 日本製品に対する信頼度が非常に高い

実際のデータとして、コンサル先のBさんが同じ日本製文房具をシンガポールとフィリピンで販売したケースがあります。シンガポールではフィリピンの1.4倍の価格で出品しましたが、コンバージョン率(商品ページを見た人のうち購入した人の割合)はシンガポールの方が1.8倍高いという結果になりました。

シンガポール市場では、価格を抑えるよりも商品説明の質を高めることに注力した方が効果的です。

マレーシア:コスパ意識が高い中価格帯市場

マレーシアの消費者は「コストパフォーマンス」に非常に敏感です。安ければいいというわけではなく、「この品質でこの価格なら納得」という判断基準で購入を決めます。

マレーシア市場で成功しているセラーに共通するのは、商品の「お得感」をうまく演出している点です。例えば、2個セットや3個セットにしてまとめ買い割引を設定したり、おまけを付けたりする方法が効果的です。

価格帯としては、シンガポールの0.8〜0.9倍程度が目安です。大きく下げる必要はありませんが、「シンガポールと同じ価格」では売れにくくなります。

もう一つ、マレーシア市場で押さえておきたいのが「送料無料」への期待値の高さです。マレーシアのShopee利用者は、送料無料を当然のサービスとして認識している傾向があります。そのため、送料を別途請求する形式よりも、送料を商品価格に含めた「送料込み価格」にする方が、クリック率や購入率の面で有利に働くことが多いです。

フィリピン:価格感度は高いが「日本製」は別格

フィリピンは東南アジアの中でも価格感度が高い市場として知られています。しかし、ここに大きな誤解があります。

フィリピンの消費者が価格に敏感なのは「現地製品や中国製品」に対してです。日本製品に関しては、むしろ「日本のものだから高い」ということを受け入れている消費者が多いのです。

私のコンサル先でも、フィリピン市場で日本製化粧品を扱っているCさんがいます。Cさんは当初、フィリピン市場だからと大幅に価格を下げていました。しかし、売上は伸びませんでした。そこで私のアドバイスを受けて価格を20%上げ、「日本の薬局で人気No.1」「日本女性の80%が使用」といったコピーを追加したところ、月間販売数が3倍になりました。

ただし、送料の負担感は大きいため、フィリピン向けには「送料込み価格」にして見た目の追加コストをなくす工夫が有効です。

台湾:品質重視で日本文化への親和性が高い

台湾は日本製品にとって最も恵まれた市場の一つです。日本文化への親しみが深く、日本製品に対する信頼と愛着は他の東南アジア諸国と比べても突出しています。

台湾市場の特徴は以下の通りです。

  • 日本のドラッグストアで人気の商品は、台湾でも高い需要がある
  • 日本語パッケージがむしろ「本物の証拠」として好まれる
  • 品質に対する要求が高く、不良品や偽物に対しては厳しいレビューがつく
  • リピート購入率が他の国と比べて高い傾向がある

価格帯はシンガポールに近い水準で設定できます。台湾の消費者は日本での販売価格をよく調べているため、あまりにも高い上乗せは嫌われます。日本の販売価格の1.3〜1.6倍程度が一つの目安です。

国別価格戦略で利益が改善した事例

コンサル先のDさんは、日本製の健康食品(サプリメント)を4カ国で販売していました。当初は全カ国で同じ価格(日本の販売価格の1.5倍)に設定していましたが、売上にばらつきがありました。

そこで、以下のように国別の価格設定に変更しました。

  • シンガポール:日本価格の1.7倍(最も高い設定)
  • 台湾:日本価格の1.5倍(変更なし)
  • マレーシア:日本価格の1.3倍(少し引き下げ、セット売りを追加)
  • フィリピン:日本価格の1.4倍(少し引き下げ、送料込み表示に変更)

この変更の結果、3ヶ月後の全体利益率が18%から26%に改善しました。特にシンガポールでの利益率向上が大きく、価格を上げたにもかかわらず販売数はほぼ変わりませんでした。一方、マレーシアとフィリピンでは価格を少し下げたことで販売数が増え、トータルの利益額が増加しました。

このように、「一律の価格」ではなく「国ごとに最適化された価格」を設定することが、Shopee輸出の利益最大化の鍵になります。

競合分析のイメージ

「安売り競争」に巻き込まれない方法

Shopeeでの安売り競争を回避するには①商品ページで「日本製・日本ブランド」の品質訴求を明確にすること、②バンドル(セット販売)でユニット価格比較を困難にすること、③独自の付加価値(日本語説明書・カスタムパッケージ等)を加えることの3点が有効だ。

Shopeeで販売をしていると、必ずぶつかる壁があります。それは、中国セラーとの価格競争です。

中国のセラーは、圧倒的に安い仕入れコストと効率的な物流網を持っています。同じカテゴリの商品を半額以下で出品してくることも珍しくありません。この価格競争に正面から挑んでも、日本のセラーが勝てる見込みはほぼゼロです。

では、どうすれば安売り競争に巻き込まれずに済むのでしょうか。私がコンサルティングで繰り返しお伝えしているのは、「価格で勝負するのではなく、価値で勝負する」という考え方です。

「日本製」を最大限に活用する

日本のセラーが持つ最大の武器は「日本製」「日本から発送」という事実そのものです。東南アジアの消費者にとって、「Made in Japan」は今でも強力なブランドです。

しかし、ただ「日本製」と書くだけでは不十分です。なぜ日本製が優れているのかを、具体的に説明する必要があります。

  • 日本の厳しい品質基準をクリアしていること
  • 日本国内で実際に人気があり、多くの消費者に支持されていること
  • 偽物やコピー品ではなく、正規品であること
  • 日本の店舗で直接購入した商品であること(レシートや購入証明の提示)

コンサル先のEさんは、商品説明に「日本のAmazonランキングで1位を獲得」というスクリーンショットを掲載するようになってから、同カテゴリの中国セラーの半額以上高い価格でも安定して売れるようになりました。

梱包の質を差別化ポイントにする

中国セラーの商品は、薄いビニール袋に入れただけの簡素な梱包で届くことが多いです。一方、日本のセラーが丁寧に梱包して送れば、それだけで大きな差別化になります。

私が推奨する「差別化梱包」の要素は以下の通りです。

  • 商品を緩衝材でしっかり保護する
  • 手書きの感謝カード(英語で簡単なメッセージ)を同封する
  • ショップのロゴが入ったオリジナルのシールや包装紙を使う
  • おまけとして日本のお菓子やキャンディを一つ入れる

「おまけに日本のお菓子が入っていた!」というレビューは、Shopeeで非常に強力な販促効果を発揮します。実際、コンサル先でこの方法を取り入れたセラーの多くが、レビュー評価の平均が4.5から4.9に上がったと報告しています。おまけのコストは1個あたり30〜50円程度ですが、その投資対効果は抜群です。

バウチャーを「値下げ」ではなく「お得感」の演出に使う

価格を下げずに「お得感」を出す方法として、バウチャー(クーポン)の活用があります。これは次のセクションで詳しく解説しますが、ポイントだけ先にお伝えします。

常に安い価格で出品するのと、通常価格を維持しつつバウチャーで割引するのでは、消費者の受け取り方がまったく違います。前者は「もともと安い商品」と認識されますが、後者は「高品質な商品がお得に買える」と認識されるのです。

この心理的な違いは非常に大きく、ブランドイメージの構築という観点からも、バウチャーの活用が圧倒的に有利です。

ニッチなカテゴリを狙う

中国セラーが大量に出品しているカテゴリ(スマホケース、安価なアクセサリーなど)で戦うのは得策ではありません。日本のセラーが狙うべきは、中国セラーが参入しにくいカテゴリです。

  • 日本製の高品質スキンケア・化粧品
  • 日本限定のキャラクターグッズ・コレクターズアイテム
  • 日本のドラッグストアで人気のヘルスケア商品
  • 日本製の文房具・工芸品
  • 日本のお菓子・食品(発送可能な範囲で)

これらのカテゴリは「日本でしか手に入らない」という希少性があるため、価格競争に巻き込まれにくいのです。コンサル先のデータを見ても、ニッチカテゴリの平均利益率は、一般カテゴリの約1.6倍となっています。

バウチャーとプロモーションの使い方

Shopeeのバウチャー・プロモーション機能は定価を維持しながら一時的な割引を提供できるため、価格イメージを下げずに購買促進できる。11.11・12.12などのShopeeメガセール期間中は積極的なバウチャー提供が売上を3〜5倍に押し上げるケースがあり、セール期間に合わせた在庫確保が重要だ。

Shopeeには強力なプロモーション機能が用意されています。これらを戦略的に活用することで、価格を下げずに売上を伸ばすことが可能です。

しかし、やみくもにプロモーションを使うと利益を削るだけで終わってしまいます。ここでは、利益を最大化するためのプロモーション活用術をお伝えします。

ショップバウチャー

ショップバウチャーは、セラーが自分のショップ専用に発行するクーポンです。設定の自由度が高く、最も使い勝手の良いプロモーションツールです。

効果的な使い方のポイントは以下の通りです。

「最低購入金額」を設定して客単価を上げる。例えば「2,000円以上の購入で200円OFF」というバウチャーを発行すれば、本来1,500円の商品を1つだけ買おうとしていた顧客が、もう1つ商品を追加購入してくれる可能性が高まります。

コンサル先のFさんのデータでは、最低購入金額付きバウチャーを導入した後、平均注文単価が34%上昇しました。バウチャーの割引額を差し引いても、利益額は大幅に増加しています。

また、フォロワー限定バウチャーも効果的です。「ショップをフォローすると5%OFFバウチャーがもらえる」と設定すれば、フォロワー獲得とリピート購入の促進を同時に実現できます。

Shopee公式バウチャー

Shopeeが公式に発行するバウチャーで、費用の一部をShopeeが負担してくれるケースがあります。大型セール(9.9セール、11.11セール、12.12セールなど)の時期に合わせて提供されることが多いです。

Shopee公式バウチャーのメリットは、Shopee側がプロモーションの露出を増やしてくれる点にあります。バウチャー対象の商品は検索結果で上位に表示されやすくなり、Shopeeアプリのバウチャーページにも掲載される可能性があります。

参加条件や申請方法はShopee Seller Centerの「マーケティングセンター」から確認できます。大型セールの1〜2ヶ月前にはチェックしておくことをおすすめします。

フラッシュセール

フラッシュセールは、時間限定の特別セールです。Shopeeのトップページに掲載されるため、通常の出品と比べて圧倒的に多くの顧客の目に触れることができます。

フラッシュセールに参加するメリットは、短期的な売上アップだけではありません。フラッシュセールをきっかけに商品を知った顧客が、その後リピーターになるケースが多いのです。

私のコンサル先のデータでは、フラッシュセール経由で購入した顧客の約22%が、3ヶ月以内に通常価格で再度購入していました。つまり、フラッシュセールでの一時的な利益率低下は、長期的な顧客獲得のための「投資」と考えることができます。

フラッシュセールに参加するためのポイントは以下の通りです。

  • Shopeeが指定する割引率(通常10〜20%以上)を満たす必要がある
  • 在庫を十分に確保しておく(在庫切れはペナルティの対象になる場合がある)
  • 商品画像が白背景で高品質であること
  • ショップの評価が一定以上であること

プロモーション活用の実例

コンサル先のGさんは、日本製の美容家電をShopeeで販売しています。Gさんのプロモーション戦略は、以下のような年間計画に基づいています。

通常期(大型セール以外)は、ショップバウチャーで「2点以上購入で10%OFF」を常時提供。これにより、セット購入を促進して客単価を維持しています。

大型セール期(9.9、11.11、12.12など)には、Shopee公式バウチャーに参加しつつ、ショップバウチャーも重ねて提供。この「二重バウチャー」により、お得感を最大化します。

さらに、新商品の投入時にはフラッシュセールに参加して露出を確保し、レビューの獲得を加速させます。

この戦略を1年間実施した結果、Gさんの年間売上は前年比で2.4倍に成長しました。しかも、常時値下げをしていないため、ブランドイメージは「高品質な日本製品を扱うショップ」として確立されています。

価格戦略のイメージ

価格テストの実践方法

Shopeeでの価格テストの実践方法は、同一商品を20〜30%異なる価格で2〜4週間出品し、CVR(コンバージョン率)と総利益を比較する手法だ。テスト期間中は広告費と流入量を統一して価格以外の変数を排除することが精度を高める条件で、最適価格は繰り返しのテストで収束させていく。

ここまで読んで、「じゃあ、結局うちの商品はいくらで売ればいいんだ?」と思われた方もいるかもしれません。正直に言うと、最適な価格は、テストしてみないとわからないのです。

市場調査や競合分析はもちろん重要ですが、最終的には実際に異なる価格で販売してみて、データに基づいて判断するのが最も確実な方法です。

ここでは、私がコンサル先で実際に行っている価格テストの方法をお伝えします。

シンプルA/Bテストのやり方

Shopeeには本格的なA/Bテスト機能はありませんが、以下の方法で疑似的なA/Bテストを実施できます。

方法1:期間を分けてテストする

最もシンプルな方法です。2週間ごとに価格を変えて、売上データを比較します。

  • 第1期間(2週間):価格Aで販売
  • 第2期間(2週間):価格Bで販売
  • 第3期間(2週間):価格Aに戻して販売

3つの期間のデータを比較することで、価格の違いによる影響を判断できます。第3期間を設けるのは、季節要因や市場の変動による影響を排除するためです。

方法2:国を分けてテストする

複数の国で販売している場合、同じ商品を異なる価格で出品してテストすることも可能です。ただし、各国の市場特性が異なるため、純粋な価格テストとしては精度が落ちます。参考データとして活用する程度に留めてください。

方法3:類似商品でテストする

同じカテゴリの類似商品を2つ出品し、異なる価格を設定してデータを比較する方法です。完全に同一の商品ではないため厳密なテストにはなりませんが、価格帯ごとの需要傾向を把握する上では有用です。

値上げのベストタイミング

価格テストの結果、値上げが妥当だと判断した場合、いつ値上げするかも重要なポイントです。

私がコンサル先に推奨しているベストタイミングは、レビューが10件以上溜まったタイミングです。

理由は明確です。レビューが十分にある状態では、消費者は価格だけでなくレビューの内容を見て購入を判断します。「高い評価のレビューが多い=信頼できる商品」という認識が生まれるため、多少の値上げでも購入率が大きく下がることはありません。

逆に、レビューがゼロや数件しかない状態で値上げすると、消費者は判断材料が「価格」しかないため、離脱率が高くなります。

値上げの幅についても注意が必要です。一度に大幅な値上げをするのではなく、5〜10%ずつ段階的に上げていくのが安全です。各段階で販売数の変化を確認し、販売数が許容範囲内に収まっていることを確認してから次の段階に進みます。

段階的値上げで利益率を倍にした事例

コンサル先のHさんの事例を紹介します。Hさんは日本製の入浴剤セットをマレーシアのShopeeで販売していました。

当初の状況は以下の通りです。

  • 販売価格:RM45(約1,350円)
  • 月間販売数:約60個
  • 利益率:12%(1個あたり約162円の利益)
  • 月間利益:約9,720円

利益率12%は、前述の推奨ライン(中価格帯で20〜30%)を大きく下回っていました。しかし、Hさんは「値上げしたら売れなくなる」と不安を感じていました。

そこで、以下のような段階的な値上げプランを実施しました。

ステップ1(1ヶ月目):RM45からRM48に値上げ(約7%アップ)。同時に商品画像を改善し、「日本の温泉文化」をテーマにした商品説明を追加。結果、販売数は58個とほぼ変わらず。

ステップ2(2ヶ月目):レビューが15件に到達。RM48からRM52に値上げ(約8%アップ)。送料無料キャンペーンを同時に実施。販売数は54個に微減。

ステップ3(4ヶ月目):RM52からRM55に値上げ(約6%アップ)。レビューが25件に到達し、平均評価は4.8。「3個セットで10%OFF」のバウチャーを新設。販売数は48個に減少したが、セット購入が増加。

ステップ4(6ヶ月目):RM55からRM58に値上げ(約5%アップ)。リピーターからの購入が安定し始める。販売数は45個。

最終的な状況を整理します。

  • 販売価格:RM58(約1,740円)← 当初のRM45から約29%アップ
  • 月間販売数:約45個 ← 当初の60個から25%減少
  • 利益率:25% ← 当初の12%から倍増以上
  • 1個あたり利益:約435円 ← 当初の162円から2.7倍
  • 月間利益:約19,575円 ← 当初の9,720円から約2倍

販売数は25%減少しましたが、月間利益は約2倍になりました。これが価格テストと段階的値上げの威力です。

Hさんのケースで特に注目すべきは、値上げと同時に商品ページの改善やバウチャー施策も並行して行った点です。単純に値段だけ上げるのではなく、「値上げしても買いたい」と思わせる仕掛けを同時に用意することが成功の鍵でした。

また、このプロセスを通じてHさんは「安く売ることが顧客のためではない」ということを実感したそうです。値上げ後の方がレビューの評価が高くなり、「値段に見合う品質」「期待通りの素晴らしい商品」といったポジティブなコメントが増えました。

価格テストで注意すべきこと

価格テストを行う際に、いくつか注意点があります。

まず、テスト期間中は価格以外の条件をできるだけ変えないことです。商品画像、説明文、広告設定などを同時に変えてしまうと、何が売上の変化に影響したのかわからなくなります。

次に、十分なデータ量を確保することです。2〜3個売れただけでは統計的に有意な判断はできません。最低でも各価格帯で20個以上の販売実績を集めてから判断するようにしてください。

最後に、大型セール期間中のデータは参考程度に留めてください。セール期間中は消費者の購買行動が通常とは大きく異なるため、価格テストのデータとしては信頼性が低くなります。

もう一つ付け加えると、価格テストの結果を記録して蓄積していくことが非常に重要です。「この商品はRM52よりRM48の方が売れた」「値上げ前後でレビューの質が変わった」といったデータは、今後の新商品の価格設定にも活かせる貴重な資産になります。私のコンサル先では、すべての価格テストの結果を一つのスプレッドシートにまとめて管理しています。半年も続ければ、自分のショップにとっての「勝ちパターン」が見えてくるはずです。

著者: trade-king.biz 編集部

物販・輸出入ビジネス歴12年以上。eBay・Amazon・ShopeeなどのクロスボーダーEC、AI活用による業務効率化、コンサルティングを専門とする。累計コンサル支援社数は300社以上。

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