国際発送で実際にあったトラブルと対処法 ― Shopee輸出の配送で損しないために

頭を抱えて悩む男性のイラスト

初月で配送トラブル5件、利益が全部吹き飛んだ

Shopee初月に配送トラブルが5件発生して利益が全て吹き飛んだケースに共通するのは、配送業者選定・梱包基準・関税申告の3点を事前に整備しないまま出品を開始したことだ。配送トラブル1件の処理コスト(返品・再送・クレーム対応)は利益5〜10件分に相当するため、事前準備が最大の利益防衛になる。

「Shopeeで初月から売れました!」と喜んでいたコンサル先のAさんから、翌月に届いた報告は衝撃的なものでした。

初月の売上は約15万円。利益率を考えると、手元に残るはずだった金額は約4万円。ところが蓋を開けてみると、配送トラブルが5件発生し、返金・再発送の対応に追われた結果、利益はほぼゼロになっていました。

内訳はこうです。税関で止められた商品が1件、届いた時に商品が破損していたケースが2件、配送に3週間以上かかりお客さんからキャンセルされたケースが1件、住所不明で返送されたケースが1件。合計5件のトラブルで、再発送の送料や返金対応の費用が利益を食い尽くしました。

Aさんは「国際発送って、こんなにトラブルが多いんですか?」と落胆していましたが、私から見ると、この5件のトラブルはすべて事前に防げたものでした。国内発送の感覚のまま国際発送をやってしまったことが原因です。

実はこうしたトラブルは、Shopee輸出を始めたばかりの方に非常に多く見られます。私がこれまでコンサルしてきた中でも、初月にトラブルを経験しなかった方のほうが少ないくらいです。

ただし、一度トラブルの原因と対策を理解してしまえば、同じ失敗を繰り返すことはほぼありません。Aさんも対策を講じた2ヶ月目以降はトラブルがほぼゼロになり、安定して利益を出せるようになりました。

この記事では、Shopee輸出の国際発送で実際に起きたトラブルを4つ取り上げ、それぞれの原因と具体的な対処法を解説します。最後にはトラブルを未然に防ぐためのチェックリストも用意しましたので、ぜひ発送業務に取り入れてみてください。

ちなみに、配送トラブルが起きたときの金銭的な損失は、単純な返金額だけではありません。再発送の送料、お詫びのクーポン発行、対応にかかる時間と労力、そしてお客さんからの低評価によるショップ評価の低下。これらを合計すると、1件のトラブルで失うものは想像以上に大きいです。Shopeeではセラー評価がお客さんの購入判断に直結するため、トラブルによる低評価はその後の売上にも長期的な影響を及ぼします。

なお、Shopeeの配送設定や基本的な発送手順については、別の記事で詳しく解説しています。この記事はあくまで「トラブル事例と対策」に特化した内容ですので、基本操作を知りたい方はそちらを先にご覧ください。

Shopee輸出の国際発送基本イメージ

トラブル①:税関で止められた

Shopeeで税関に止められるトラブルの主な原因は、商品の申告価格の不正確さと輸出入禁止品の混入だ。対策として各国の輸入禁止品リストを事前確認し、インボイスの商品説明は英語で正確に記載、申告価格は実際の取引価格で申告することで税関トラブルの大半を回避できる。

国際発送のトラブルの中で、最もダメージが大きいのが税関での没収や差し止めです。商品が没収されてしまうと、商品代金がまるごと損失になるだけでなく、お客さんへの返金対応も必要になります。

コンサル先で実際にあったケース

コンサル先のBさんは、日本製の化粧品をShopeeで台湾向けに販売していました。注文が入り、いつも通り発送したところ、台湾の税関で商品が止められ、最終的に没収されてしまいました。

原因は2つありました。1つ目は、台湾では個人輸入できる化粧品の成分規制があり、Bさんが送った商品に規制対象の成分が含まれていたこと。2つ目は、インボイス(送り状)に商品の成分情報が記載されておらず、税関が内容物を正確に判断できなかったことです。

Bさんはこの1件で約8,000円の損失を出しました。商品代金と送料を合わせた金額です。「たった1件で8,000円は痛い」とBさんは言っていましたが、これが複数件重なると取り返しのつかない損失になります。

さらに厄介なのは、没収された商品は返却されないケースがほとんどだということです。日本国内であれば、差し止められた荷物は差出人に返送されますが、海外の税関で没収された場合は、そのまま廃棄処分になることが多いです。つまり、商品も送料も完全に失われます。Bさんのケースでも、没収された化粧品は返ってきませんでした。

税関トラブルの主な原因3つ

原因1:禁制品リストの確認不足

各国には輸入が禁止されている商品リストがあります。これを「禁制品リスト」と言いますが、国ごとに内容が異なるのが厄介なポイントです。

たとえば、以下のような商品は特に注意が必要です。

化粧品・医薬部外品は、台湾・タイ・フィリピンで成分規制が厳しく、特にホワイトニング系の化粧品は引っかかりやすいです。食品・サプリメントは、マレーシア・シンガポールでハラール認証が求められることがあります。電子機器は、リチウムイオンバッテリーを含む製品は多くの国で航空便での発送が制限されています。刃物類は、包丁やハサミなどは国によって輸入禁止または許可証が必要です。

「日本で普通に売っている商品だから大丈夫だろう」という思い込みが一番危険です。必ず発送先の国の禁制品リストを事前に確認してください。

原因2:インボイスの記載不備

インボイスは国際発送において最も重要な書類です。記載内容に不備があると、税関で止められる確率が大幅に上がります。

よくある不備は以下の通りです。商品名が曖昧な場合、たとえば「Goods」や「Product」とだけ書いてしまうケースがあります。これでは税関が内容物を判断できません。具体的に「Moisturizing Face Cream 50ml」のように、商品名・用途・容量を明記する必要があります。

数量や重量の記載漏れも多いです。1個なのか10個なのかで関税の計算が変わりますので、正確に記載してください。

HSコード(関税分類番号)の未記載もトラブルの原因になります。必須ではない国もありますが、記載しておくと通関がスムーズに進みます。

送り先の住所や受取人名の記載ミスも見落としがちです。インボイスの受取人名とShopeeの注文情報に記載された名前が異なっていると、税関が不審に思う場合があります。コピー&ペーストで正確に転記することを心がけてください。

原因3:商品価格の過少申告

これは意図的にやっている方もいますが、商品価格を実際より安く申告する行為は違法です。関税を安く済ませるために価格を低く書く方がいますが、税関に見つかると商品の没収だけでなく、罰金を科される可能性もあります。

また、Shopeeのシステム上で販売価格が確認できるため、インボイスの金額と販売価格に大きな差があると、税関が不審に思い調査対象になることがあります。商品価格は正直に申告してください。

税関トラブルを防ぐための対策

まず、新しい商品を出品する前に、発送先の国の禁制品リストを必ず確認してください。日本郵便のウェブサイトやJETROのサイトで、国別の輸入規制情報を確認できます。

インボイスは英語で正確に記載し、商品名・数量・重量・価格・原産国を必ず明記してください。テンプレートを作っておくと記載漏れを防げます。

化粧品や食品など規制が厳しいカテゴリの商品を扱う場合は、最初に少量でテスト発送して、問題なく通関できることを確認してから本格的に販売することをお勧めします。Bさんもこの方法に切り替えてからは、税関トラブルはゼロになりました。

もう一つ付け加えると、万が一税関で商品が止められた場合の対応も事前に決めておくと慌てずに済みます。お客さんへのメッセージテンプレートを用意しておき、「税関の手続きにより配送が遅れています。状況が確認でき次第、ご連絡いたします」といった内容をすぐに送れるようにしておくと、お客さんの不安を和らげられます。最悪のケースとして没収された場合は、速やかに全額返金し、丁寧に事情を説明してください。誠実な対応をすれば、お客さんが低評価をつけずに理解してくれることも少なくありません。

配送業者選びのイメージ

トラブル②:届いたら中身が壊れていた

Shopeeの国際配送で「届いたら壊れていた」トラブルの原因は梱包不足だ。対策として①プチプチ(エアーキャップ)で商品を完全に包む、②外箱はダブルウォール(2重段ボール)を使用、③FRAGILE(壊れ物)シールを貼る、の3点を徹底することで破損クレームをほぼゼロにできる。

国際発送で2番目に多いトラブルが、配送中の商品破損です。国内配送に慣れている方は、このトラブルに一番驚かれます。

国際配送は国内の3倍雑に扱われる

これは大げさな表現ではありません。国際配送の荷物は、国内配送と比べて圧倒的に雑に扱われます。私の経験上、少なくとも3倍は雑だと思ってください。

理由は明確です。国際配送では、荷物が複数の国の物流拠点を経由します。日本の集荷場、空港の仕分け施設、到着国の税関、到着国の配送業者の仕分け施設、そして最終配達。この過程で荷物は何度も積み替えられ、その都度投げられたり、上に重い荷物を積まれたりします。

特に東南アジア向けの配送では、現地の配送インフラが日本ほど整っていないため、荷物の扱いが荒くなる傾向があります。日本のヤマト運輸や佐川急便のような丁寧な配送を期待してはいけません。

コンサル先で実際にあったケース

コンサル先のCさんは、日本製の食器をShopeeでフィリピン向けに販売していました。国内発送と同じ感覚で、エアーキャップ(プチプチ)で商品を包んで段ボールに入れて発送したところ、到着時に5個中2個が割れていたという連絡がお客さんから来ました。

破損率は40%です。これは異常に高い数字ですが、国際発送でエアーキャップだけの梱包なら十分あり得る数字です。

Cさんはお客さんに返金し、さらに謝罪として次回注文時の割引クーポンを発行しました。破損した2個分の商品代金と送料で約6,000円の損失です。

壊れやすい商品カテゴリ

国際発送で特に破損リスクが高い商品カテゴリは以下の通りです。

陶器・ガラス製品は最も破損リスクが高いカテゴリです。食器、花瓶、ガラスの置物などは、梱包を万全にしないとほぼ確実に割れます。

電子機器も注意が必要です。精密機器は衝撃に弱く、特にハードディスクやカメラレンズなどは少しの衝撃で故障することがあります。

フィギュア・プラモデルなどのホビー商品は、細かいパーツが折れやすいです。特にアンテナや武器パーツなど、細長い突起部分は要注意です。

液体を含む商品は、容器が破損すると液漏れして他の商品も汚損する可能性があります。化粧水や調味料などを送る場合は、液漏れ対策も必要です。

破損率を0.5%以下に抑えた梱包方法

Cさんには梱包方法の改善を指導しました。その結果、破損率を40%から0.5%以下にまで下げることに成功しました。具体的に何を変えたかを説明します。

まず、ダブルボックス(二重箱)を導入しました。商品をエアーキャップで包んだ後、内箱に入れます。そして内箱と外箱の間にも緩衝材を詰めます。これにより、外箱に衝撃が加わっても、内箱を経由して商品に伝わるまでに衝撃が大幅に吸収されます。

エアーキャップは最低でも2重巻きにしてください。1重巻きでは国際配送の衝撃に耐えられません。特に角や突起部分は3重巻きにすることをお勧めします。

箱の中の隙間は必ず緩衝材で埋めてください。隙間があると、配送中に商品が箱の中で動き回り、衝撃が直接伝わります。新聞紙を丸めたものでも構いませんが、できればエアー緩衝材やクッションペーパーを使ってください。

「FRAGILE」(壊れ物注意)のステッカーを外箱の目立つ位置に貼ることも効果があります。正直なところ、ステッカーを貼ったからといって必ず丁寧に扱われるわけではありませんが、貼らないよりは確実にマシです。

この梱包方法に変えたことで、Cさんの破損クレームは月に1件あるかないかまで減りました。梱包材のコストは1件あたり100〜200円ほど増えましたが、破損による返金・再発送のコストと比べれば圧倒的に安い投資です。

梱包は手間がかかりますが、国際発送において梱包の質は利益に直結します。「面倒だから」と手を抜くと、必ず後でもっと面倒な対応に追われることになります。

補足として、破損が発生した場合の対応についても触れておきます。お客さんから破損の報告があった場合は、まず破損した商品の写真を送ってもらってください。Shopeeの紛争解決システムを通じて対応する際にも、写真は必須です。写真の証拠があれば、Shopeeがセラー側に有利な判断をしてくれることもあります。また、配送業者の保険を利用できるケースもありますので、発送時に保険オプションをつけておくことも検討してください。特に単価の高い商品を送る場合は、保険料を払ってでもリスクをカバーしておくべきです。

Cさんの場合は、梱包改善に加えて、単価3,000円以上の食器には配送保険をつけるようにしました。保険料は1件あたり200〜300円程度ですが、万が一の際に補償が受けられるため、安心感が全く違います。

梱包作業のイメージ

トラブル③:配送に3週間以上かかった

Shopeeで配送に3週間以上かかるトラブルは、廉価な配送業者選定とセール期間中の混雑が主な原因だ。対策として出荷はEMS・DHL・FedExなどの追跡可能な国際配送サービスを使用し、お客様へのShopeeメッセージでの追跡番号の即時共有と配送状況の先回りコミュニケーションが評価悪化を防ぐ。

Shopeeのお客さんは、基本的に1〜2週間で届くことを期待しています。3週間以上かかると、お客さんの不安は一気に高まり、キャンセルやクレームにつながります。

コンサル先で実際にあったケース

コンサル先のDさんは、タイ向けに日本製の文房具を販売していました。12月中旬に注文が入り、すぐに発送したのですが、商品が届いたのは1月中旬。発送から到着まで約4週間かかってしまいました

お客さんはクリスマスプレゼントとして購入していたため、届いた頃にはもう用途がなくなっていました。結果、返品・返金の対応となり、Dさんは商品代金と往復の送料で約5,000円の損失を出しました。

このケースの原因は、年末年始の配送遅延を考慮していなかったことです。12月中旬から1月上旬にかけては、世界中の物流が混雑する時期です。通常は1週間で届く荷物が、2〜3週間かかることも珍しくありません。

配送遅延が起きる3つの原因

原因1:配送業者選びのミス

国際配送業者には、大きく分けて「速いけど高い業者」と「安いけど遅い業者」があります。コストを重視するあまり、配送スピードが極端に遅い業者を選んでしまうと、お客さんの期待を裏切ることになります。

私がお勧めする配送業者の選定基準は以下の通りです。

まず、配送日数の目安を確認してください。東南アジア向けなら、航空便で5〜10日が目安です。これより大幅に遅い業者は避けたほうが無難です。

追跡機能の精度も重要です。リアルタイムで荷物の位置がわかる業者を選んでください。追跡情報が更新されない業者だと、お客さんから「荷物はどこですか?」と問い合わせが来たときに答えられません。

配送実績も確認してください。発送先の国への配送実績が豊富な業者を選ぶと、通関手続きもスムーズに進むことが多いです。

原因2:通関遅延

通関手続きは通常1〜3日で完了しますが、書類に不備があったり、検査対象に選ばれたりすると、1週間以上かかることがあります。先ほどのトラブル①で触れたインボイスの記載不備は、通関遅延の原因にもなります。

また、特定の商品カテゴリは通関に時間がかかる傾向があります。食品、化粧品、医療機器関連の商品は、追加の検査が入ることがあるため、通常より日数に余裕を持たせてください。

原因3:繁忙期の影響

国際配送には、特に混雑する時期があります。これを把握していないと、Dさんのように配送遅延に巻き込まれます。

特に注意すべき時期は以下の通りです。11月下旬から12月はブラックフライデー、サイバーマンデー、クリスマス商戦で世界中の物流が混雑します。1月下旬から2月中旬は旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)の影響で、東南アジア・東アジアの物流が大幅に遅くなります。この時期は現地の配送業者が休業することもあります。

さらに、各国の祝日やセール期間中も遅延が起きやすいです。ShopeeのBig Saleイベントの直後は、物流センターが大量の荷物で溢れるため、通常より配送日数がかかることがあります。

配送遅延を防ぐための対策

繁忙期には余裕を持ったスケジュールで発送してください。通常より3〜5日早く発送することで、遅延の影響を最小限に抑えられます。

また、お客さんへの事前通知も非常に効果的です。私がコンサル先に勧めているメッセージテンプレートは、発送直後に送る通知と、繁忙期に送る追加通知の2種類です。

発送直後の通知では、「ご注文ありがとうございます。商品を発送しました。追跡番号は〇〇です。到着までに〇〜〇日程度かかる見込みです」といった内容を送ります。

繁忙期の場合は、「現在、国際配送が混雑する時期のため、通常より配送に時間がかかる場合があります。ご了承ください」と一言添えます。

この事前通知を送るだけで、お客さんからの「荷物はまだですか?」という問い合わせが劇的に減ります。Dさんも事前通知を導入してからは、配送に関するクレームがほぼなくなりました。お客さんは「遅い」こと自体よりも、「いつ届くかわからない」ことにストレスを感じるのです。

配送業者の選定についても見直しが必要です。安さだけで選ぶのではなく、配送スピード・追跡精度・通関実績のバランスを見て判断してください。少し送料が高くても、トラブルが減れば結果的にコストは下がります。

Dさんのケースでは、配送業者を見直した結果、送料は1件あたり約200円上がりましたが、平均配送日数が12日から7日に短縮されました。お客さんの満足度が上がり、リピート率も改善されたため、送料の増加分は十分にペイできています。目先のコストだけでなく、お客さんの体験価値も含めてトータルで判断することが大切です。

また、Shopeeには配送保証の仕組みがあり、一定日数以内に届かなかった場合にお客さんがキャンセルや返金を申請できるようになっています。この保証期限を超えてしまうと、自動的にセラーに不利な判定がされることがあります。配送業者を選ぶ際は、Shopeeが設定している配送保証期限内に確実に届く業者を選ぶことが大前提です。

トラブル④:住所不明で返送された

Shopeeで「住所不明」による返送トラブルの原因は、海外住所のフォーマット誤りと英語表記への変換ミスだ。対策としてShopeeの注文情報から住所を自動コピーする仕組みを導入し、手書きラベルを廃止することと、郵便番号・都市名・国名の記載順を各国の標準フォーマットに合わせることで返送トラブルを防げる。

住所不明による返送は、地味ですが繰り返し発生すると大きな損失になるトラブルです。特に東南アジア向けの発送で多く見られます。

コンサル先で実際にあったケース

コンサル先のEさんは、フィリピン向けに日用品を販売していました。毎月50〜60件の注文がある中で、月に平均3件が住所不明で返送されていました。返送されるたびに、返送料(送料の実質2倍)がかかり、月に約9,000円の損失が出ていました。

年間で計算すると約10万円以上の損失です。これは無視できない金額です。

東南アジアの住所表記の特殊性

日本の住所は非常に整備されていて、郵便番号と住所を正確に書けば、ほぼ確実に届きます。しかし、東南アジアの多くの国では、住所体系が日本ほど整っていません

フィリピンでは、バランガイ(最小行政区画)の名前が住所に含まれることがありますが、同じ名前のバランガイが複数存在することがあります。また、道路に名前がついていない地域も多く、「〇〇の近く」といった曖昧な住所が入力されることがあります。

インドネシアでは、RT/RW(隣組/町内会のような単位)が住所に含まれることがありますが、これが省略されていると配達員が特定の家を見つけられないことがあります。

タイでは、ソイ(小路)の番号が住所に含まれますが、番号が飛んでいたり、同じエリアに似た番号のソイが複数あったりすることがあります。

こうした住所体系の違いを理解していないと、住所不明の返送が頻発することになります。

電話番号が重要な理由

東南アジアの配送では、住所よりも電話番号のほうが重要と言っても過言ではありません。現地の配達員は、住所がわからない場合にお客さんに直接電話して場所を確認します。これが東南アジアの配送の標準的なやり方です。

つまり、電話番号が正しければ、多少住所が曖昧でも届く可能性が高いのです。逆に、電話番号が間違っていると、住所が正確でも届かないことがあります。配達員が場所を見つけられない場合に確認する手段がなくなるからです。

Shopeeでは注文時にお客さんの電話番号が表示されますので、発送前に電話番号が記載されているかを必ず確認してください。電話番号が未記載の場合は、メッセージでお客さんに確認を取ってから発送することをお勧めします。

返送時の送料負担

住所不明で返送された場合、返送にかかる送料はセラー(あなた)の負担になります。これが意外と高くつきます。

行きの送料に加えて、返送の送料もかかるため、実質的に送料が2倍になります。さらに、商品を再発送する場合は、もう一度送料がかかりますので、最悪の場合は送料が3倍になることもあります。

1件あたりの送料が1,500円だとすると、返送と再発送で4,500円。利益率が低い商品の場合、1件の住所不明で赤字になることも十分あり得ます。

月3件の住所不明を0件にした方法

Eさんには以下の対策を実施してもらいました。その結果、月3件あった住所不明が完全にゼロになりました。

まず、注文が入った時点で住所の確認を行うようにしました。具体的には、住所に不自然な点がないかを目視でチェックします。郵便番号と地域名が合っているか、番地が記載されているか、電話番号が入っているか。この3点を確認するだけで、大半の住所不明は防げます。

住所に不備がある場合は、発送前にお客さんにメッセージを送って確認を取ります。「ご注文ありがとうございます。お届け先の住所を確認させてください。以下の住所で正しいですか?」と聞くだけです。多くのお客さんはすぐに返信してくれます。

また、リピーターのお客さんの住所はスプレッドシートで管理するようにしました。過去に問題なく届いた住所を記録しておけば、次回以降の確認作業を省略できます。

さらに、Google Mapsで住所を検索して、実在する場所かどうかを確認するという方法も有効です。完全な住所でなくても、少なくとも地域名や郵便番号が実在するかどうかは確認できます。Eさんもこの方法を取り入れてからは、「明らかにおかしい住所」を発送前に発見できるようになりました。

住所に関してもう一つ注意点があります。マンションやアパートなどの集合住宅の場合、部屋番号が記載されていないことがあります。日本では部屋番号がなくても名前で届くことがありますが、東南アジアでは部屋番号がないと配達員が特定の部屋を見つけられず、不在扱いや住所不明扱いになることがあります。集合住宅の場合は部屋番号の有無を必ず確認してください。

これらの対策は1件あたり2〜3分の作業です。月3件の住所不明を防げるなら、月に10分もかからない投資で9,000円の損失を回避できます。費用対効果は非常に高いです。

発送ラベル作成のイメージ

トラブルを防ぐ配送チェックリスト

Shopeeの配送トラブルを防ぐための最終チェックリストは①輸出入禁止品でないことの確認、②梱包(プチプチ+ダブルウォール段ボール)、③インボイスの英語・正確記載、④正確な宛先住所の貼付、⑤追跡番号の取得と顧客への共有、の5点だ。この5点を出荷前にルーティン化することでトラブル発生率を大幅に下げられる。

ここまで4つのトラブル事例を紹介してきました。それぞれの対策を個別に覚えるのは大変ですので、発送前に確認すべき項目をチェックリストとしてまとめました。

私のコンサル先では、このチェックリストを導入してもらっています。あるコンサル先では、チェックリスト導入前は月に4〜5件あった配送トラブルが、導入後は月0〜1件にまで減少しました。トラブル率にして約80%の削減です。

チェックリストの内容は以下の10項目です。

禁制品チェック(発送前)

項目1:商品が発送先の国の禁制品に該当しないか確認する

新しい商品を初めて発送する際は必ず確認してください。一度確認した商品は、リストに記録しておけば次回以降の確認は不要です。特に化粧品、食品、電子機器、刃物類は要注意です。

項目2:商品に含まれる成分や素材が規制対象でないか確認する

商品自体は禁制品でなくても、含まれる成分が規制対象になることがあります。特に化粧品のホワイトニング成分やサプリメントの特定成分は、国によって規制が異なります。

インボイス・書類チェック(発送前)

項目3:インボイスに商品名を英語で具体的に記載したか確認する

「Goods」や「Product」ではなく、「Cotton T-shirt for Men, Size L, White」のように具体的に書いてください。商品が何であるか、第三者が見てすぐにわかる記載が理想です。

項目4:インボイスに数量・重量・価格・原産国を正確に記載したか確認する

特に価格は実際の販売価格と一致させてください。過少申告は違法であり、発覚した場合は没収や罰金のリスクがあります。

梱包チェック(梱包時)

項目5:壊れやすい商品はダブルボックスで梱包したか確認する

陶器、ガラス、電子機器、フィギュアなどの壊れやすい商品は、ダブルボックスが必須です。エアーキャップは最低2重巻き、角や突起部分は3重巻きにしてください。

項目6:箱の中に隙間がないか確認する

商品が箱の中で動かないように、隙間はすべて緩衝材で埋めてください。箱を軽く振っても中で商品が動かないことが目安です。

項目7:壊れやすい商品にはFRAGILEステッカーを貼ったか確認する

効果は限定的ですが、貼らないよりは確実にマシです。上面と側面の計3箇所以上に貼ることをお勧めします。

住所・配送チェック(発送前)

項目8:お届け先の住所に不備がないか確認する

郵便番号と地域名の整合性、番地の有無、電話番号の記載を確認してください。不備がある場合は、発送前にお客さんに確認を取ってください。

項目9:Shopeeに追跡番号を正確に入力したか確認する

追跡番号の入力ミスは意外と多いです。コピー&ペーストを使い、目視でも確認してください。追跡番号が正しく反映されていないと、お客さんが荷物を追跡できず、問い合わせが増えます。

お客さんへの通知チェック(発送後)

項目10:お客さんに発送通知メッセージを送ったか確認する

追跡番号と到着予定日を含むメッセージを送ってください。繁忙期の場合は、遅延の可能性についても一言添えてください。この一手間で、お客さんからの問い合わせやクレームが大幅に減ります。

チェックリストの運用方法

このチェックリストは、最初のうちは紙に印刷して1件ずつ確認することをお勧めします。慣れてくると頭の中で確認できるようになりますが、最初の1〜2ヶ月は紙でチェックしたほうが確実です。

実際に私のコンサル先では、チェックリストをA4用紙1枚に印刷し、発送作業台の目の前に貼っている方が多いです。毎回10項目を順番に確認する習慣をつけることで、うっかりミスによるトラブルを防いでいます。

このチェックリストを1件確認するのにかかる時間は約2〜3分です。50件の発送なら約2時間半。この2時間半の投資で、月に数万円の損失を防げるなら、十分すぎるリターンです。

また、スタッフを雇って発送業務を任せる場合にも、このチェックリストがあれば品質を担保できます。属人的な「経験」に頼るのではなく、仕組みで品質を管理することが大切です。

実際に私のコンサル先でスタッフを雇った方がいるのですが、最初の1ヶ月はチェックリストなしで発送業務を任せたところ、トラブルが増えてしまいました。スタッフが悪いのではなく、チェックする基準が明文化されていなかったことが問題でした。チェックリストを導入してからは、スタッフでもベテランと同じ品質で発送作業ができるようになりました。

チェックリストは一度作ってしまえば、あとは運用するだけです。新しい発送先の国が増えたり、新しい商品カテゴリを扱い始めたりしたときに、必要に応じて項目を追加してください。最初から完璧なリストを作る必要はありません。トラブルが起きるたびに「このトラブルを防ぐにはどの工程でチェックすべきだったか」を振り返り、チェック項目を増やしていくのが現実的なやり方です。

著者: trade-king.biz 編集部

物販・輸出入ビジネス歴12年以上。eBay・Amazon・ShopeeなどのクロスボーダーEC、AI活用による業務効率化、コンサルティングを専門とする。累計コンサル支援社数は300社以上。

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