初めての注文が入ったときの焦り
Shopeeで初めての注文が入ったとき、多くのセラーが「何をどの順番でやればいいか」で焦る。実際の手順は「①受注確認→②梱包→③発送登録→④追跡番号入力→⑤バイヤーへの通知」の5ステップで、この流れを把握すれば48時間以内の発送処理は難しくない。
「注文が入りました!……で、どうすればいいんですか?」
私がShopeeの運営コンサルティングを担当しているクライアントから、初めて注文が入った瞬間に電話がかかってきたことがあります。声は明らかに焦っていました。出品してから2週間、ようやく入った初注文。嬉しいはずなのに、何をどの順番でやればいいのかまったくわからず、パニックになっていたのです。
その気持ちは十分に理解できます。国内のフリマアプリやAmazonとは違い、Shopeeは東南アジア向けの越境ECプラットフォームです。注文処理の画面は英語混じり、配送は国際発送、税関の手続きも絡んでくる。初めてであれば戸惑って当然です。実際、そのクライアントは「英語の画面で何が書いてあるかわからない」「発送先がフィリピンだけど、どうやって送ればいいのか見当もつかない」「間違えたらペナルティを受けるのではないか」と、次々に不安を口にしていました。
しかし、結論から言えば受注から発送までの流れは、一度覚えてしまえばまったく難しくありません。決まった手順を決まった順番でこなすだけです。むしろ国内ECよりもシンプルな部分すらあります。
この記事では、Shopeeで注文が入ってから商品がお客様の手元に届くまでの全手順を、私のコンサル経験をもとに具体的に解説します。配送業者の選び方、梱包のコツ、無在庫販売でのタイムライン管理、トラブル対応まで、実務で必要な知識をすべて網羅しています。
これからShopeeを始める方も、すでに運営しているけれど配送まわりに不安がある方も、この記事を読んでおけば初注文が入っても落ち着いて対応できるはずです。先ほどのクライアントも、この流れを把握してからは毎月安定して数十件の注文を処理できるようになりました。最初の1件さえ乗り越えれば、あとは同じ作業の繰り返しです。
受注から発送までの基本フロー
Shopee受注の基本フローは「注文通知→セラーセンターで注文確認→梱包→配送業者に集荷依頼→追跡番号をセラーセンターに入力→発送処理完了」の6ステップだ。注文発生から発送処理完了まで48時間が制限で、超過するとペナルティが発生するため即日対応の習慣が重要だ。

まず全体像を把握しましょう。Shopeeで注文が入ってから配達が完了するまでの流れは、以下のステップで構成されています。
ステップ1:注文通知の受信
お客様が購入手続きを完了すると、Shopeeのセラーセンターに通知が届きます。同時にメールでも通知が届く設定にしておくことをおすすめします。アプリのプッシュ通知も有効にしておけば、外出先でも注文を見逃すことがありません。通知設定はセラーセンターの「Settings」から「Notification Preferences」で細かく指定できます。メール通知、アプリ通知の両方をオンにしておくのがベストです。
ここで重要なのが通知を受け取ったら、できるだけ早く注文内容を確認することです。確認が遅れると、その分だけ発送までのスケジュールが圧迫されます。
ステップ2:注文内容の確認
セラーセンターの「My Orders」から注文詳細を開きます。確認すべき項目は以下のとおりです。
・注文された商品名、バリエーション(色やサイズ)、数量
・お客様の配送先住所(国名、都市名、郵便番号)
・支払いステータス(Paidになっているか)
・配送期限(Ship by date)
特にバリエーションの確認は必須です。私のコンサル先でも「色違いを発送してしまった」というミスが何度かありました。注文直後に必ずバリエーションまで目を通す習慣をつけてください。
ステップ3:商品の手配
在庫を持っている場合は、該当商品をピックアップします。無在庫販売の場合は、ここで仕入れ先に注文を入れます。無在庫の場合のタイムライン管理については、後ほど詳しく解説します。在庫販売の場合でも、商品の状態を再確認しておきましょう。長期保管による汚れや劣化がないか、パッケージに破損がないかをチェックします。ここで見落とすと、お客様に届いてからクレームになります。
ステップ4:梱包
商品が手元に届いたら(または在庫から取り出したら)、検品と梱包を行います。国際発送には国内発送とは異なるルールや注意点がありますので、これも後のセクションで詳しく説明します。検品の際は、商品の外観だけでなく、動作確認ができるものは動作も確かめておきましょう。特に電子機器やおもちゃなど、初期不良があり得る商品カテゴリでは検品の徹底が不可欠です。
ステップ5:発送と追跡番号の入力
梱包が完了したら、配送業者に持ち込んで発送します。日本郵便を利用する場合は最寄りの郵便局の窓口、DHLやFedExの場合は集荷依頼も可能です。発送後、追跡番号をShopeeのセラーセンターに入力します。この追跡番号の入力が「発送完了」の処理に該当します。セラーセンターの「My Orders」から該当注文を開き、「Ship」ボタンを押して追跡番号を入力するだけです。入力を忘れると、実際に発送していてもShopee上では未発送の扱いとなり、DTS超過のペナルティ対象になりますので注意してください。
ステップ6:配達完了
商品がお客様に届き、受取確認が行われると取引が完了します。受取確認は、お客様が手動で「Order Received」ボタンを押すか、配達完了後一定期間が経過すると自動的に完了します。自動確認までの期間はマーケットによって異なりますが、通常は配達完了から3日から7日程度です。取引が完了すると、売上金はShopeeのウォレットに反映されます。ウォレットから設定した銀行口座への出金は、手動で申請するか、自動出金を設定しておくことで処理されます。出金の反映には通常1日から3営業日かかります。
DTS(Days to Ship)を理解する
ShopeeにはDTS(Days to Ship)という概念があります。これは「注文を受けてから発送するまでの制限日数」のことです。セラーが設定した期間内に発送処理を完了しなければなりません。
DTSは商品ごとに設定でき、通常は2日から7日の範囲で選べます。無在庫販売の場合は、仕入れにかかる日数を考慮して余裕を持った設定が必要です。DTSを超過すると、ペナルティポイントが付与され、最悪の場合アカウント制限を受ける可能性があります。
各ステップの所要時間の目安は次のとおりです。
・注文確認:即日(数時間以内が理想)
・仕入れ(無在庫の場合):1日から3日
・梱包:30分から1時間
・発送手続き:当日中
・国際配送:5日から14日(配送方法による)
・受取確認:到着後1日から3日
全体としては、注文から配達完了までおおよそ7日から20日程度が一般的です。
配送業者の選び方と設定
Shopee輸出の配送業者選択の基準は「①輸送先国でのトラッキング精度、②梱包サイズ別の料金体系、③不達・破損時の保険対応」の3点だ。日本からはDHLまたはFedExが追跡精度・信頼性で最優先で、小型軽量品ならeパケットが最安値になるケースが多い。

Shopeeでの国際発送において、配送業者の選択は利益率に直結する重要な判断です。ここでは主な選択肢とそれぞれの特徴を解説します。
Shopee Logistics Service(SLS)とは
SLSはShopeeが提供する公式の物流サービスです。Shopeeが複数の配送業者と提携し、セラーに代わって最適な配送ルートを選定してくれます。
SLSを利用する最大のメリットは配送料金が個人で手配するより安くなることが多いという点です。Shopeeが大量の荷物をまとめて配送業者と契約しているため、個人では得られないボリュームディスカウントが適用されます。
また、SLSを使うと追跡番号が自動的にShopeeのシステムに反映されるため、手動入力の手間が省けます。配送トラブルが発生した場合のサポートもShopeeが仲介してくれるので、初心者にはとくにおすすめです。SLSの利用手順は簡単で、セラーセンターで配送設定をSLSに指定し、Shopeeが指定するラベルを印刷して荷物に貼り、指定の集荷場所に持ち込むだけです。集荷に来てくれるオプションが利用できる地域もあります。
一方でSLSのデメリットもあります。配送ルートをShopeeが決めるため、セラー側でスピードやコストを細かくコントロールできません。また、対応していない商品カテゴリやサイズ制限がある場合もあります。重量やサイズが大きい商品を扱う場合は、事前にSLSの制限を確認しておきましょう。
主な配送方法の比較
日本からShopeeの各マーケットに発送する場合、主に以下の配送方法が選択肢となります。
日本郵便(国際eパケット、EMS、SAL便)
もっとも一般的な選択肢です。国際eパケットは2kgまでの小型荷物に最適で、料金も比較的安価です。追跡番号も付きます。たとえばシンガポール宛てで500gの荷物なら1,000円台前半で発送できます。EMSはスピード重視の場合に使いますが、料金は高めです。同じシンガポール宛て500gでもEMSだと2,000円以上かかることがあります。ただし配達までの日数は2日から4日と圧倒的に早いため、高単価商品や急ぎの案件には適しています。SAL便は料金が安い反面、配送に2週間から1か月程度かかることがあり、追跡精度も低いため、Shopeeでの利用にはあまり向きません。DTSの管理が極めて難しくなります。
DHL・FedEx(国際宅配便)
スピードと信頼性では最高レベルですが、料金も最高レベルです。高単価の商品や、急ぎの注文に限定して使うのが現実的です。個人で契約すると料金が高くなりがちなので、転送業者や代行業者経由で利用するとコストを抑えられることがあります。
転送業者(バイイー、テラロジなど)
日本国内の倉庫に商品を送り、そこからまとめて海外に発送してくれるサービスです。複数の注文をまとめて発送できるため、1件あたりの送料を抑えられます。無在庫販売で注文数が増えてきたら検討する価値があります。ただし、転送業者を経由する分だけリードタイムが長くなるため、DTSの設定には余裕が必要です。また、転送業者によって対応国や料金体系が異なるため、自分が主に出品しているマーケットに強い業者を選ぶことがポイントです。
国別のおすすめ配送方法
配送先の国によって最適な方法は異なります。私のコンサル経験からの目安をお伝えします。
・台湾・シンガポール:SLSまたは国際eパケットが安定。配送日数は5日から7日程度。
・マレーシア・タイ・フィリピン:SLSがもっともコスパが良い。配送日数は7日から10日程度。
・ベトナム・インドネシア:SLS推奨。税関手続きに時間がかかる場合があるため、DTSは長めに設定。
送料設定のコツ
送料の設定方法は大きく分けて2つあります。「送料込み(商品価格に上乗せ)」と「送料別(Shipping Feeとして別途表示)」です。
私のおすすめは基本的に送料込みの価格設定にすることです。理由は明快で、お客様の心理として「送料無料」の表示があるほうが購入率が高くなるからです。Shopeeの検索結果でも「Free Shipping」のバッジが付くため、クリック率にも好影響を与えます。
ただし、ここで注意すべき点があります。私のコンサル先で実際にあった事例ですが、送料を正確に計算せずに商品価格に上乗せしたところ、想定以上に送料がかかり、10件ほど販売した時点で利益がほぼゼロになっていたケースがありました。
原因は容積重量を考慮していなかったことです。配送業者は実重量と容積重量のうち大きいほうを適用するため、軽くてもサイズが大きい商品は想定以上の送料がかかります。このクライアントの場合、ぬいぐるみを扱っていたため、実重量は300g程度でも梱包後のサイズが大きくなり、容積重量で3kg以上と判定されていました。送料が想定の3倍以上かかっていたのです。送料を設定する際は、必ず実際の梱包サイズと重量で見積もりを取ってから価格に反映させてください。可能であれば、実際に一度テスト発送をして正確な送料を把握してから価格設定することをおすすめします。
梱包のコツと注意点
梱包で最も重要なのは「商品が届いたときの見た目」だ。箱の外観が傷んでいるだけでネガティブレビューが付くケースがあるため、エアクッションによる内側保護・段ボールによる外側保護の2重構造が基本だ。梱包材を節約するセラーほど返品・クレームが増える傾向がある。

国際発送の梱包は、国内発送以上に気を使う必要があります。荷物は複数の国をまたいで輸送され、途中で乱暴に扱われることも珍しくありません。ここでは実務で押さえるべきポイントを解説します。
国際発送特有の梱包ルール
まず基本として、国際発送では段ボール箱の使用が推奨されます。封筒や紙袋でも発送できないわけではありませんが、輸送中の衝撃や圧迫に耐えられない場合があります。特にShopeeの主要マーケットである東南アジアへの配送は、湿度が高い環境を通過することもあるため、防水対策も考慮しましょう。
具体的な梱包手順は次のとおりです。
1. 商品をOPP袋(透明なビニール袋)に入れて防水する
2. プチプチ(緩衝材)で商品を包む(最低2重巻き)
3. 段ボール箱に入れ、隙間を緩衝材で埋める
4. 段ボールをテープでしっかり閉じる(H貼り推奨)
5. 送り状や税関申告書を貼付する
壊れ物の梱包
陶器、ガラス製品、フィギュアなどの壊れ物を発送する場合は、通常以上の梱包が必要です。
私が推奨しているのは「箱 in 箱」方式です。商品を緩衝材で包んだ上で内箱に入れ、さらにその内箱を緩衝材で包んで外箱に入れます。二重の箱で衝撃を吸収する構造にすることで、破損リスクを大幅に減らせます。
コストは多少かかりますが、破損による返金やクレーム対応の手間を考えれば、十分に元が取れます。段ボールの追加費用はせいぜい100円から200円程度ですが、破損クレームが1件発生すれば商品代金の全額返金に加え、往復の送料も負担することになります。どちらが合理的かは明らかです。
重量と容積重量の違い
配送料金の計算で多くのセラーがつまずくのが「容積重量」の概念です。
容積重量とは、荷物のサイズ(縦×横×高さ)から算出される重量のことです。計算式は配送業者によって多少異なりますが、一般的には「縦cm × 横cm × 高さcm ÷ 5000 = 容積重量(kg)」で計算します。
たとえば、実重量が500gでも、梱包サイズが40cm × 30cm × 20cmの場合、容積重量は4.8kgとなり、料金は4.8kgで計算されます。つまり、軽くてもかさばる商品は高い送料がかかるということです。
これを踏まえると、梱包サイズをできるだけ小さくすることが送料削減の鍵になります。商品にぴったり合ったサイズの段ボールを使い、無駄な空間を作らないようにしましょう。
禁制品リスト
国際発送では、送れないものが国ごとに定められています。日本から発送する場合に特に注意すべき品目は以下のとおりです。
・リチウムイオンバッテリー(航空便で制限あり)
・液体・ジェル状の化粧品(容量制限あり)
・食品(国によって輸入禁止の場合あり)
・ブランド品(真贋証明が求められる場合あり)
・刃物類(ナイフ、ハサミなど)
出品前に配送先国の禁制品リストを必ず確認してください。日本郵便のウェブサイトで国別の発送条件を調べることができます。知らずに禁制品を発送してしまうと、税関で没収されるだけでなく、罰則の対象になる可能性もあります。私のコンサル先でも、小型のリチウムイオンバッテリー内蔵の商品を出品していたセラーがいましたが、航空便では制限があることを知らず、発送後に税関で止められてしまいました。お客様への配送も大幅に遅れ、結局返金対応となりました。事前の確認を怠ると、このような二重三重のロスが発生します。
税関申告書の書き方
国際発送には税関申告書(CN22またはCN23)の記入が必要です。記入する項目は、品名(英語)、数量、重量、価格、原産国です。
品名は具体的に書くことが大切です。「Gift」や「Goods」のような曖昧な記載は、税関で止められる原因になります。たとえば「Ceramic Mug」「Anime Figure」「Cotton T-shirt」のように、何の商品かわかるように書いてください。
価格はShopeeでの販売価格を記載します。意図的に低い金額を記載するアンダーバリューは、違法行為ですので絶対にやめてください。「税金を安くするためにGiftと書いて安い金額を記載してほしい」とお客様からリクエストされるケースもありますが、応じてはいけません。発覚した場合、セラー側にもペナルティが課される可能性があります。
梱包品質が招いたトラブル事例
私のコンサル先で実際にあったケースを紹介します。あるセラーが、コスト削減のために梱包材を最小限にして発送を続けていました。プチプチは1重、段ボールも薄いものを使用していたのです。
最初のうちは問題なく届いていたのですが、月の注文数が30件を超えたあたりから破損クレームが急増しました。1か月で5件の破損報告を受け、すべて返金対応となりました。返金額に加えて、ショップの評価も下がり、検索順位にも悪影響が出ました。
対策として、梱包のルールを以下のように見直しました。
・プチプチは最低2重巻きを徹底
・段ボールは最低でもA式(みかん箱型)のダブルフルートを使用
・壊れ物には「箱 in 箱」方式を必須化
・梱包完了後に軽く振って音がしないか確認
この改善後、破損クレームはほぼゼロになりました。梱包にかけるコストは「保険」だと考えてください。1件の破損クレーム対応にかかる時間と金銭的ロスを考えれば、しっかり梱包するほうがはるかに合理的です。
無在庫販売の配送タイムライン管理
無在庫販売の場合、仕入れ先からの納品リードタイムがそのまま発送遅延につながるリスクがある。国内仕入れでも最大3〜5日かかるケースがあるため、商品ページの「発送予定日数」に余裕を持たせる設定とバイヤーへの事前通知を組み合わせることで発送遅延ペナルティを回避できる。

Shopeeで無在庫販売をしている場合、配送タイムラインの管理がとくに重要になります。在庫を持たない分、仕入れから発送までの時間を正確に管理しなければDTS(配送期限)に間に合わなくなります。
無在庫販売の配送フロー
無在庫販売の場合、注文が入ってからの流れは以下のようになります。
1. Shopeeで注文を受ける
2. 仕入れ先(Amazon、楽天、メルカリなど)に注文する
3. 商品が自宅(または倉庫)に届く
4. 検品・梱包する
5. 国際発送する
6. 追跡番号をShopeeに入力する
各工程の所要日数の目安は次のとおりです。
・仕入れ注文から手元到着まで:1日から3日(Amazon Prime利用時は最短翌日)
・検品と梱包:当日中(30分から1時間)
・配送業者への持ち込み:当日または翌日
・国際配送:5日から14日
DTSの逆算設定
DTS(Days to Ship)は、仕入れにかかる日数を基準に逆算して設定します。
たとえば、仕入れ先がAmazonで翌日配送が可能な場合、仕入れに1日、梱包と発送手続きに1日で、合計2日が最低限必要です。ここに必ず1日から2日のバッファを加えてください。仕入れ先が在庫切れだったり、天候不順で配送が遅れたりすることは日常的に起こります。
私の推奨は以下のとおりです。
・仕入れ先がAmazon Prime対応:DTSは3日から4日に設定
・仕入れ先が楽天やYahooショッピング:DTSは4日から5日に設定
・仕入れ先がメルカリやヤフオク(個人出品者):DTSは5日から7日に設定
メルカリやヤフオクなどの個人出品者から仕入れる場合は、発送タイミングが読めないため、DTSを長めに設定するのが安全です。個人出品者は「2日から3日で発送」と記載していても、実際には4日から5日かかることも珍しくありません。また、商品の状態が出品写真と異なるケースもあるため、手元に届いてからの検品に時間がかかることも考慮に入れてください。
DTSギリギリ運用の危険性
ここで、私のコンサル先で起きた実例を紹介します。
あるセラーは、お客様に早く届けたいという気持ちからDTSを2日に設定していました。仕入れ先はAmazonで、通常であれば翌日に届くため「2日あれば十分」と考えていたのです。
しかし、あるとき3件の注文が同時に入りました。うち1件の商品がAmazonで在庫切れになっており、別の出品者から購入したところ到着まで3日かかりました。結果としてDTSを超過し、Shopeeからペナルティポイントを受けてしまいました。
さらに悪いことに、同じ月にもう1回DTSを超過し、合計ペナルティポイントが基準を超えたため、1週間の出品制限という処分を受けました。出品制限中は新規出品ができないだけでなく、既存商品の露出も下がります。ようやく売れ始めていた時期だっただけに、大きな痛手となりました。
この事例から学べることは明確です。DTSは「最短で発送できる日数」ではなく「余裕を持って確実に発送できる日数」で設定するということです。1日や2日余分にかかっても、お客様は国際発送であることを理解しているため、大きな問題にはなりません。しかし、DTS超過のペナルティはアカウントの存続に関わる深刻な問題です。
複数注文の同時管理
注文数が増えてくると、複数の注文を同時に処理する場面が出てきます。このとき、管理が雑になるとミスが増えます。
私がコンサル先に推奨している管理方法は、Googleスプレッドシートで注文管理表を作成することです。記録する項目は以下のとおりです。
・Shopeeの注文番号
・注文日時
・DTS期限
・仕入れ先の注文番号
・仕入れ先の配送ステータス
・自宅到着日
・発送日
・追跡番号
このシートを毎日チェックすることで、どの注文がどの段階にあるのかを一目で把握できます。とくにDTS期限が近い注文はセルの色を変えるなどして、視覚的にアラートが出るようにしておくと見落としを防げます。
スプレッドシートの条件付き書式を使えば、DTS期限の残日数に応じて自動的にセルの色が変わるように設定できます。たとえば、残り1日以内は赤、残り2日は黄色、3日以上は緑、といった具合です。手作業で色を塗る必要がないため、管理の手間を最小限に抑えられます。
注文数が月に50件を超えてくると、スプレッドシートでの管理にも限界が見えてきます。そのレベルになったら、在庫管理や注文管理の専用ツールの導入も視野に入れてください。ただし、月に10件から30件程度の段階ではスプレッドシートで十分に対応可能です。
トラブル発生時の対応
発送後トラブルの最多は「追跡番号が動かない」「到着が遅い」「未着申告」の3種だ。未着申告はShopee側の調査が最大30日かかるため、発生したら即日バイヤーに状況を説明し、14日経過後も未解決の場合は代替品発送か返金で先に対応することがレビュー維持の鍵になる。

国際発送では、国内発送に比べてトラブルが起きやすいのは事実です。しかし、それぞれのトラブルに対して正しい対応手順を知っていれば、慌てることはありません。ここでは代表的なトラブルとその対応方法を解説します。
配送遅延
もっとも頻繁に発生するトラブルです。国際配送は税関の混雑、天候、現地の物流事情など、さまざまな要因で遅れが生じます。
対応手順は以下のとおりです。
1. 追跡番号で現在の荷物の位置を確認する
2. お客様にメッセージで状況を説明する(「税関で確認中です。数日以内に配達される見込みです」など)
3. 到着予定日を過ぎても動きがない場合は、配送業者に問い合わせる
4. 配送業者からの回答をお客様に伝える
ここで大切なのは、お客様への先回りの連絡です。お客様から問い合わせが来る前に、遅延の可能性がわかった時点で連絡しましょう。「遅れていますが把握しています」と伝えるだけで、お客様の不安は大幅に軽減されます。
荷物の紛失
頻度は低いですが、国際配送では荷物が紛失するケースがゼロではありません。追跡情報が途中で更新されなくなり、一定期間が経過しても届かない場合は紛失の可能性を疑います。
対応手順は以下のとおりです。
1. 配送業者に調査依頼を出す(日本郵便の場合は「調査請求書」を提出)
2. 調査結果が出るまで(通常1か月から2か月)、お客様に状況を随時報告する
3. 紛失が確定した場合、お客様に全額返金する
4. 配送業者の補償制度を利用して損害を回収する(EMSは上限2万円まで補償あり)
紛失リスクを考慮すると、高額商品を発送する際は補償付きの配送方法を選ぶことが重要です。国際eパケットには6,000円までの補償がありますが、それを超える商品はEMSや国際宅配便の利用を検討してください。
商品の破損
先ほど梱包のセクションでも触れましたが、商品が破損して届いた場合の対応です。
お客様から破損の連絡が来たら、まず写真の提出を依頼します。破損の状態を確認した上で、以下のいずれかの対応を取ります。
・全額返金
・代替品の再発送
・部分返金(軽微な損傷で使用に問題ない場合、お客様と協議の上)
Shopeeでは、お客様がReturn/Refundリクエストを出すと、セラーは対応するかどうかの判断を求められます。明らかに梱包が原因の破損であれば、素直に返金に応じるのが最善です。異議申し立てをしても画像証拠がある以上、セラーに不利な裁定が出ることがほとんどです。
住所不明・届け先不在
お客様の住所が不正確で届けられない、または不在で受け取ってもらえないケースもあります。
住所不明の場合は、まずお客様にメッセージで正しい住所を確認します。発送前であれば修正可能ですが、発送後に住所が間違っていることがわかった場合は、配送業者に転送依頼を出すか、返送を待って再発送する必要があります。返送された場合の送料はセラー負担となることが多いため、金銭的にも大きなロスです。
こうした事態を防ぐために、発送前に住所が正しいかどうかをお客様に確認するメッセージを送ることを習慣にしておくとよいでしょう。特に東南アジアでは、住所の表記ルールが日本と異なるため、住所が不完全なケースが珍しくありません。
Shopeeの紛争解決プロセス
お客様との間でトラブルが解決できない場合、Shopeeが仲裁に入ります。流れは以下のとおりです。
1. お客様がReturn/Refundリクエストを提出
2. セラーに通知が届く(対応期限あり)
3. セラーが承認または異議申し立て
4. 異議申し立ての場合、Shopeeが証拠を確認して裁定
5. 裁定に基づいて返金またはリクエスト却下
重要な点として、対応期限を過ぎると自動的にお客様の主張が認められます。Return/Refundリクエストが届いたら、すぐに内容を確認して対応してください。
コンサル先でのトラブル対応事例
私のコンサル先であったケースを紹介します。台湾のお客様に発送した商品が、追跡情報上は「配達済み」になっているのに、お客様から「届いていない」という連絡が入りました。
調査したところ、マンションの管理人室に預けられていたことが判明しました。お客様に管理人室を確認してもらい、無事に解決しました。
このケースで重要だったのは、冷静に対応したことです。「配達済みだから知りません」と突っぱねれば、お客様はReturn/Refundリクエストを出し、Shopeeの裁定に持ち込まれていたでしょう。結果としてセラーに不利な裁定が出る可能性もあり、ショップの評価にも影響していたはずです。
トラブル対応の基本姿勢は「まず状況を確認し、お客様の立場に立って解決策を探す」です。感情的にならず、事実をもとに対応していけば、ほとんどのトラブルは穏便に解決できます。
もう一つ、私がコンサル先に必ず伝えていることがあります。それはトラブル対応のテンプレートを事前に用意しておくことです。配送遅延、破損、紛失、それぞれのケースに対して英語の定型文を用意しておけば、トラブルが発生してから慌てて文章を考える必要がありません。たとえば配送遅延であれば「Dear customer, I have checked the tracking information and your package is currently at customs. It should be delivered within a few days. I apologize for the delay.」のようなメッセージを用意しておきます。これをベースに状況に応じてカスタマイズすれば、迅速かつ丁寧な対応が可能になります。











