「自分にはeBayで武器になるスキルがある」——松本さん(45歳・男性)がeBay輸出×無在庫コンサルを受講した時、最初に感じたのはそんな手応えでした。松本さんの前職はフォトグラファー兼カメラ修理技術者。20年以上にわたりカメラと向き合ってきた専門知識を武器に、eBayで中古カメラ・レンズの無在庫販売で月商520万円を達成。ニッチな専門領域で圧倒的な存在感を発揮している松本さんの体験談を、詳しくお届けします。
目次
カメラ一筋20年——フォトグラファーとカメラ修理の二刀流

松本さんは20歳の頃からカメラの世界に没頭してきました。最初はフリーランスフォトグラファーとして活動し、雑誌やウェブメディアの撮影を担当。ポートレート撮影から商品撮影、風景写真まで幅広いジャンルをこなし、ピーク時には月に15件以上の撮影案件を抱えるほどでした。
しかしデジタル化の波で仕事が減り始め、30代でカメラ修理の技術を独学で習得。書籍やメーカーの技術マニュアルを片っ端から読み、最初は自分のカメラを分解して構造を覚えるところからスタートしました。「最初に分解したのはNikon FM2。ネジを1本なくして冷や汗をかいたのを今でも覚えています」と笑う松本さん。その後はフォトグラファーとカメラ修理の二刀流で生計を立てていました。
「カメラの仕事は好きだけど、フリーランスフォトグラファーの収入は不安定。撮影の仕事がある月は40万円、ない月は10万円。カメラ修理も月に数台で、合わせても生活はギリギリでした」。年収は約350万円。45歳になり、このままでは老後の蓄えもできないという将来への危機感が日に日に募っていました。
修理の腕は確かで、同業者や個人のカメラ愛好家から依頼が入ることもありましたが、修理1台あたりの単価は5,000〜15,000円程度。月に5〜8台の修理をこなしても、修理だけの売上は月5万〜10万円がせいぜい。「技術があっても、それを必要としている人に届けるマーケティング力がなかった。修理の腕だけでは食えない現実を痛感していました」。
転機は、修理のために海外からパーツを取り寄せていたeBayの画面を見ていた時です。日本のヴィンテージカメラやオールドレンズが、海外のコレクターに驚くほどの高値で取引されているのを発見しました。「Nikon F2のボディが日本では3万円で買えるのに、eBayでは400ドル(約6万円)。CanonのFDレンズに至っては日本の3倍の値段がついている。これは自分の知識が直接お金になると確信しました」。
カメラの専門知識がeBayで「信頼」を生む理由

eBay輸出×無在庫コンサルを受講後、松本さんは中古カメラ・レンズの専門セラーとしてスタートしました。一般的なeBayセラーとの最大の違いは、商品説明の圧倒的な専門性です。
通常のセラーが「Good condition, works well」程度の説明を書くところ、松本さんは「シャッター幕の状態」「ファインダーの曇り具合」「レンズのカビ・バルサム切れの有無」「光学系のコーティングの状態」まで詳細に記載。さらに、修理技術者としての目線で「この程度のクモリは撮影にほぼ影響しない」「このカビは将来的にクリーニング可能」といった実用的なアドバイスまで添えます。
「海外のカメラコレクターは知識が豊富なので、適当な説明はすぐに見抜かれる。逆に専門家レベルの説明をすると、”このセラーは本物だ”と信頼してもらえる。結果として、高値でも安心して購入してもらえるし、リピーターにもなってくれる」。実際、松本さんのリピーター率は35%を超えており、これはeBayセラーの中でも非常に高い水準です。
さらに松本さんは、各商品ページに独自の「コンディション評価シート」を添付しています。「外観」「光学系」「機械部分」「電子部分」「付属品」の5項目をそれぞれ10点満点で評価し、総合スコアとともに詳細なコメントを記載。「海外バイヤーからは“こんな透明性の高いセラーは初めてだ”と何度も言われた。このシートを導入してからリターン(返品)率が2%未満に下がりました」。
商品写真のクオリティ——フォトグラファーの本領発揮
フォトグラファーとしてのスキルは、商品写真で最大限に発揮されています。松本さんは自宅に簡易スタジオを設置し、すべての商品写真をプロレベルの品質で撮影。カメラのレンズ面の状態がわかるマクロ撮影、ボディの傷を正確に伝えるライティング、実際にそのカメラで撮影した作例写真まで添付しています。
「作例写真が決め手になることは多いです。”このレンズで撮るとこんなボケ味が出ます”と見せると、コレクターは”使ってみたい”と思う。写真1枚が何十ドルもの価格差を生む。フォトグラファーとしての20年の経験が、ここに集約されています」。
具体的に松本さんの撮影セットアップは、LEDパネル2灯、ディフューザー、黒と白のバック紙、マクロレンズ付きのデジタル一眼レフ。1商品あたり12〜15枚の写真を撮影し、うち3〜4枚は作例写真です。「一般的なセラーは4〜5枚の写真を載せるだけ。自分は最低12枚。特にレンズの場合は前玉・後玉のクローズアップ、光にかざした写真、絞り羽根の状態、ヘリコイドの動き、そして何より作例。これだけ情報を出せば、バイヤーは安心して高額の買い物ができる」。
具体的な売れ筋商品と価格帯

松本さんが実際に取り扱っている商品カテゴリーと、その価格帯を具体的に紹介します。日本製のヴィンテージカメラ・レンズは海外で根強い人気があり、カテゴリーごとに明確な需要層が存在します。
Nikonの人気モデル
Nikonは松本さんのストアで最も売れ筋のブランドです。特に人気が高いのはNikon F、F2、FM2、FE2などのマニュアルフォーカス機。日本国内での仕入れ価格は状態にもよりますが、Nikon Fのアイレベルファインダー付きで2〜4万円、eBayでの販売価格は350〜600ドル(約5〜9万円)。「特にNikon Fのブラックボディは海外コレクターの間で”Black Beauty”と呼ばれていて、美品なら800ドル以上で売れることもある。日本ではそこまでのプレミアムはつかないので、内外価格差が最も大きい商品の一つです」。
Nikkorレンズも人気が高く、特にAi-s 105mm f/2.5やAi 35mm f/1.4は海外のポートレートフォトグラファーからの需要が絶えません。仕入れ価格1〜2万円のレンズが、eBayでは150〜300ドルで取引されています。
Canon・Minolta・Olympusの注目商品
CanonのFDマウントレンズは、ミラーレスカメラへのアダプター装着で再評価が進んでいるカテゴリーです。「Canon New FD 50mm f/1.4は仕入れ5,000〜8,000円で、eBayでは80〜120ドル。Canon FD 85mm f/1.2 Lになると仕入れ8〜12万円ですが、eBayでは1,500〜2,000ドルの値がつく超高額商品です」。
Minoltaも見逃せないブランドで、Minolta MC/MD Rokkorレンズは欧米のシネマトグラファーから「柔らかい描写が動画撮影に最適」と高い評価を受けています。仕入れ3,000〜10,000円のレンズが100〜250ドルで取引されることも珍しくありません。
OlympusのOM-1、OM-2はコンパクトなボディが欧米の女性フォトグラファーに人気で、安定した需要があります。Zuikoレンズも描写の良さで知られ、特に50mm f/1.4や35mm f/2.8は回転率の高い商品です。
利益の出やすい「穴場商品」
松本さんが特に注目しているのが、カメラアクセサリーやパーツ類です。「ボディキャップ、レンズキャップ、ストラップ、カメラケースといった小物は、日本では数百円で手に入るものが、eBayでは10〜30ドルで売れることがある。単価は低いけど仕入れコストがほぼゼロに近いので、利益率は驚異的。これらを大量に出品することで、メインの高額商品の売上を下支えしています」。
また、中判カメラ(Mamiya RB67、Pentax 67など)は国内での需要が減少傾向にある一方、海外のフィルム写真ブームで価格が高騰しています。「Pentax 67のボディが日本で5〜8万円、eBayでは800〜1,200ドル。利益幅が非常に大きいカテゴリーです」。
無在庫×中古カメラの独自モデル——仕入れ先の確保方法

中古カメラの無在庫販売は、一般的な無在庫販売とは少し異なります。新品の無在庫は「注文→ECサイトで購入→発送」ですが、中古品は一点物のため仕入れ先の確保が生命線です。
松本さんは3つの仕入れルートを確立しています。1つ目はヤフオクやメルカリなどのオンラインマーケット。出品されている中古カメラの状態を写真だけで正確に判定できる松本さんの目利き力が活きます。2つ目は都内の中古カメラ専門店との提携。修理技術者時代のネットワークを活かし、3店舗と継続的な取引関係を構築。3つ目はカメラ愛好家からの直接買い付け。SNSやカメラコミュニティを通じて、不要になったカメラを適正価格で買い取っています。
「オンラインマーケットでの仕入れは、一般のセラーでも参入できるルートですが、写真から状態を読み取る目利き力が決定的な差になる。例えばヤフオクの商品写真を見て、”この写真の角度だとレンズのコーティングにわずかなクモリがあるが、撮影に影響するレベルではない”と判断できる。一般のセラーはこのリスクを取れないので、競合が少なくなるんです」。
中古カメラ専門店との提携については、松本さん独自の仕組みがあります。「各店舗に定期的に顔を出して、新入荷の情報を優先的に教えてもらう関係を築いている。特にジャンク品の入荷情報は重要。他のセラーが見向きもしないジャンク品の中に、修理すれば高値で売れる商品が埋もれていることが多い」。
「一般のセラーが見つけられない仕入れルートを持っていることが、長期的な競争優位性になっている。特にカメラ専門店との提携は、信頼関係の構築に時間がかかるぶん、他のセラーが簡単には真似できない」。
梱包・国際発送のプロテクション——精密機器を安全に届ける方法

カメラは精密機器であり、国際発送における破損リスク管理は売上を維持するうえで極めて重要なポイントです。松本さんは独自の梱包マニュアルを作成し、徹底した品質管理を行っています。
松本流・3層梱包メソッド
松本さんの梱包は「3層構造」が基本です。第1層はカメラ専用のクッション材で個装。レンズキャップやボディキャップを装着した上で、レンズ面にマイクロファイバークロスを当て、その上からエアキャップ(プチプチ)で3重に包みます。第2層は段ボールの中箱。適切なサイズの箱を選び、隙間には丸めた新聞紙ではなく、専用の緩衝材(発泡ポリエチレンシート)を使用。「新聞紙はインクがカメラに付着するリスクがあるので絶対に使わない」。第3層は外箱で、強度の高いダブルウォール段ボールを使用します。
「修理技術者だからこそわかるのは、カメラがどの方向の衝撃に弱いかということ。例えばレンズは横方向の衝撃よりも前後方向の衝撃に弱い。マウント部分に負荷がかかると歪みが生じる。こうした知識を踏まえて緩衝材の配置を設計しています」。
発送方法と保険
発送は主に日本郵便のEMS(国際スピード郵便)を利用。追跡番号付きで、主要国なら3〜7日で届きます。500ドル以上の高額商品にはFedExを使用し、署名受取を必須にしています。
「保険は商品価格の100%を必ずかける。EMSなら2万円までは無料で保険がつくが、それ以上の商品は追加保険を購入する。過去に1回だけ配送中の破損があったが、保険で全額カバーできた。月に数十万円分の商品を発送するので、保険料は必要経費として計上しています」。
また松本さんは、発送前に必ず商品の状態を動画で記録しています。「梱包前の状態と、梱包完了後の外観を30秒程度の動画で撮影。万が一トラブルがあった時に、発送時の状態を証明できる証拠になる。この習慣を始めてから、配送トラブルに関するクレームがゼロになりました」。
月商520万円到達——専門特化戦略の成果

松本さんの成長は、専門カテゴリーに特化したことで非常に効率的でした。カメラという明確な軸があったからこそ、迷わず行動できたといいます。
受講1ヶ月目:月商25万円(eBayの仕組みを理解しつつ、少量出品)
受講2ヶ月目:月商60万円(専門的な商品説明の効果で落札率向上)
受講3ヶ月目:月商110万円(仕入れルートの拡大、出品数100件突破)
受講5ヶ月目:月商230万円(海外のカメラフォーラムで認知度が上昇)
受講7ヶ月目:月商380万円(リピーターからのまとめ買いが増加)
受講10ヶ月目:月商520万円(利益率28%、月利約145万円)
利益率28%はeBayセラーの中でも高い水準です。これは専門知識による的確な商品選定と、プロ品質の商品ページが生み出す「プレミアム価格」の恩恵。同じカメラを売っていても、松本さんの出品は他のセラーより10〜20%高い価格で落札される傾向があります。
松本さんが月商520万円を達成した月の内訳を見ると、カメラボディが約200万円、レンズが約220万円、アクセサリー・パーツ類が約60万円、修理済みジャンク品が約40万円という構成。「レンズの売上がボディを上回っているのが特徴。レンズは消耗品ではないが、コレクターは”次の1本”を常に探している。ボディよりもリピート購入されやすいカテゴリーです」。
フォトグラファー+修理技術者の年収350万円から、eBay月利145万円(年収換算1,740万円)への飛躍。「好きなカメラの知識がそのままお金に変わっている感覚は本当に幸せです。20年間の経験がムダではなかったと、心から思えるようになりました」。
eBayアカウントヘルスの維持——Top Rated Sellerを守る方法

eBayで安定的に高い売上を維持するためには、アカウントヘルス(アカウントの健全性)を高水準に保つことが不可欠です。松本さんは受講8ヶ月目にTop Rated Seller(TRS)の資格を取得し、以降一度も失うことなく維持しています。
Top Rated Sellerになるメリット
TRSを獲得すると、検索結果での優先表示、落札手数料の割引(最大10%)、バイヤーからの信頼度向上など、ビジネスに直結する多くのメリットがあります。「TRSのバッジがあるだけで、同じ商品を同じ価格で出品しても落札率が明らかに上がる。特にカメラのような高額商品では、バイヤーはTRSのセラーを優先的に選ぶ傾向が顕著です」。
松本さんのアカウント管理術
TRS維持のために松本さんが徹底しているのは、以下の3つです。
1つ目は遅延発送率0%の維持。注文が入ったら24時間以内に発送処理を完了。仕入れから検品・撮影・梱包までの工程を標準化し、どの商品でも最短で発送できる体制を構築しています。
2つ目はディフェクトレート(欠陥取引率)を0.5%未満に抑えること。商品説明の正確さが鍵で、「コンディション評価シート」による透明性の高い情報開示がここで効いてきます。「バイヤーが”思っていたのと違う”と感じるケースをゼロに近づけることが最重要。そのためには商品説明で良い面だけでなく、小さな傷やクモリも正直に記載する」。
3つ目はポジティブフィードバック率99%以上の維持。松本さんの現在のフィードバック率は99.6%。「高い評価を維持する秘訣は、商品の品質と説明の正確さだけでなく、丁寧なアフターフォローにもある。商品到着後に”無事届きましたか?何か問題があればすぐに対応します”とメッセージを送る。この一手間で、小さな不満がネガティブフィードバックに発展するのを防いでいます」。
eBay×専門知識が生み出す「唯一無二のポジション」

松本さんは、eBayで成功するための最も強力な武器は「専門知識」だと断言します。「eBayには何百万人ものセラーがいるけど、特定のカテゴリーに深い専門知識を持つセラーは圧倒的に少ない。だからこそ、専門家が参入すると一気にポジションを取れる」。
松本さんの場合、eBay上で「Japanese Vintage Camera」カテゴリーではトップ10に入るセラーになっています。海外のカメラフォーラムでも「日本から買うなら松本さんのストア」と推薦されることがあり、ブランディングが自然と構築されています。
「今後はカメラの修理サービスもeBayを通じて提供したいと考えています。海外のコレクターが”このカメラを修理してほしい”と依頼してくれる関係性がすでにある。物販だけでなく、技術サービスの海外展開という新しいステージが見えてきました」。
カメラ修理の知識をeBay運営に活かすテクニック

松本さんが他のカメラセラーと決定的に違うのは、「修理可能かどうか」の判断ができる点です。一般のセラーは動作不良のカメラを避けますが、松本さんは「この故障なら修理費3,000円で直せる。修理後に5万円以上で売れる」といった収支計算が瞬時にできます。
実際、ジャンク品として安く仕入れたカメラを修理して販売するケースでは、利益率が50%を超えることも珍しくありません。「Minolta SRT101をジャンクで2,000円で仕入れ、露出計を修理して250ドル(約38,000円)で販売。こういうケースが月に10件以上ある」。
他にも松本さんが修理して販売した例を挙げると、「Nikon FEのシャッター固着品を3,000円で仕入れ、シャッターユニットの注油と調整を行って300ドル(約45,000円)で販売」「Canon AE-1のミラーボックス異常を部品交換で修理し、仕入れ2,500円→販売200ドル(約30,000円)」「Olympus OM-1の露出計不良をCdSセルの交換で修理し、仕入れ4,000円→販売350ドル(約53,000円)」など、修理にかかるコストは数千円でも、販売額は数万円に跳ね上がるケースが大半です。
ただし、すべてのジャンク品に手を出すわけではありません。「修理不可能な故障パターンも20年で見極められるようになった。電子シャッターの基板故障は修理コストが合わないが、機械式シャッターの固着なら注油で直る。こうした判断が瞬時にできるのは、長年の経験の賜物です」。
松本さんの1日のスケジュール

松本さんがどのように1日を過ごしているのか、具体的なスケジュールを聞いてみました。eBayビジネスの実際の作業量と時間配分がイメージできるはずです。
7:00〜8:00 メール・メッセージ対応
起床後、まずeBayのメッセージとメールをチェック。海外のバイヤーは時差の関係で夜中に問い合わせが来ることが多いため、朝一番の対応が鉄則。「特に購入前の質問には即レスを心がけている。返信が遅いと、別のセラーから買われてしまう」。
8:00〜10:00 仕入れリサーチ
ヤフオク、メルカリ、ラクマの新着出品をチェック。前日の夜から朝にかけて出品されたカメラ・レンズの中から、利益の出る商品をピックアップ。「毎朝200〜300件の出品に目を通す。そのうち仕入れ候補になるのは5〜10件程度。目利きのスピードが重要で、最初は1件30秒かかっていたが、今は5秒で判断できるようになった」。
10:00〜12:00 商品撮影・出品作業
仕入れた商品の検品、撮影、商品説明の作成、eBayへの出品を行う時間帯。1商品あたりの所要時間は約30分。「検品に10分、撮影に10分、商品説明と出品に10分。テンプレートを用意しているので効率的に回せる」。
12:00〜13:00 昼休憩
13:00〜15:00 梱包・発送
前日夜〜当日朝に入った注文の梱包と発送。1日平均5〜8件の発送がある。「梱包は集中力が必要な作業。カメラという精密機器を海外に安全に届けるための最後の砦なので、ここは絶対に手を抜かない」。
15:00〜17:00 修理作業・新規仕入れ
ジャンク品の修理や、都内のカメラ店への訪問。週に2〜3回は実店舗に足を運び、新着商品をチェック。「修理は1台あたり30分〜2時間。難しい修理の時は没頭してしまって時間を忘れることもある。でもこれが一番楽しい時間」。
17:00〜18:00 経理・分析
売上や利益の記録、在庫管理、eBayのアクセス解析。「どの商品がどの国からアクセスされているか、どのキーワードで検索されているかを分析して、次の出品戦略に反映させる」。
「1日の作業時間は8〜9時間。会社員時代と変わらないが、すべてが自分の好きなカメラに関わる仕事なので、まったく苦にならない。むしろフォトグラファー時代の”仕事を待つ不安”がなくなった分、精神的にはずっと楽になりました」。
海外のカメラコレクターとの信頼関係構築

松本さんのeBayストアには、世界中のカメラコレクターからメッセージが届きます。「あのレンズを探しているんだけど、見つけたら教えてほしい」「このカメラの状態をもっと詳しく教えてほしい」——こうしたリクエストに丁寧に応じることで、「日本のカメラのことなら松本に聞けばいい」というポジションを確立しました。
特にヨーロッパのコレクターとの関係が深く、ドイツ、イギリス、フランスからの注文が全体の40%を占めています。「ヨーロッパのカメラ文化は日本と通じるものがある。Leicaの文化で育った人たちが、日本のNikonやCanonの精密さに魅了されている。こうした文化的な背景を理解した上で接客することが、信頼関係の基盤になっています。日本のカメラ文化を海外に伝えるという意味では、物販を超えた文化交流の側面もあると感じています」。
松本さんの顧客リストには、リピーターだけで約120名が登録されています。「特にVIP顧客と呼んでいる上位20名は、1人あたり年間30〜50万円の購入額がある。この方々には新入荷の商品を事前にメッセージで知らせるサービスを行っている。“このNikon SP、状態が素晴らしいので先にご連絡しました”と送ると、すぐに”買います”と返事が来る。こうしたVIP対応が安定した売上の基盤になっています」。
月に2〜3回、海外のカメラフォーラムに「日本のカメラ市場レポート」を投稿する活動も続けています。「直接的な営業ではなく、情報提供で信頼を積み重ねる。するとフォーラムのメンバーが自然と松本のストアを訪れてくれる。コンテンツマーケティングの考え方ですが、カメラという趣味性の高い分野ではこのアプローチが非常に効果的です」。
コンサルで学んだeBay運営の基礎

カメラの専門知識は圧倒的な武器でしたが、eBayのプラットフォーム運営は別の知識が必要でした。「コンサルの独自コンテンツで学んだeBay SEOの知識が売上を大きく伸ばした。商品タイトルにどのキーワードをどの順番で入れるかで、検索表示回数が何倍も変わる。カメラの知識だけでは、この検索アルゴリズムの最適化は不可能だった」
「東大卒の監修者が設計したカリキュラムは、論理的で体系的。eBayのアカウント開設から売上拡大まで、各ステップが明確に整理されている。カメラの修理も手順書に沿って行うが、eBay運営のロードマップも同じ感覚で進められた。専門知識を持つ人間ほど、体系的なカリキュラムの価値がわかると思う」
コンサルで特に役立ったポイントとして、松本さんは3つを挙げます。「1つ目はPromoted Listings(プロモーテッドリスティング)の活用法。広告費をかけるべき商品とかけない商品の判断基準を学べたことで、広告のROIが大幅に改善した。2つ目はBest Offer(値引き交渉)への対応戦略。どのタイミングでどの程度の値引きを受けるかの基準ができたことで、無駄な値下げがなくなった。3つ目はeBayのReturn Policy(返品ポリシー)の設計。30日間返品無料に設定することで、バイヤーの購入障壁が下がり、結果的に売上が15%増加した」。
「カメラの知識×eBay運営の知識。この2つが揃って初めて月商520万円、月利150万円という数字が実現できた。どちらか一方だけでは、ここまでの成果は出せなかった。カメラの知識は20年かけて身につけたが、eBay運営の知識はコンサルで数ヶ月で習得できた。自分の専門知識を持っている人は、eBayの運営ノウハウを学ぶだけで人生が変わる可能性がある。45歳の自分がその事実を身をもって証明した。何歳からでも遅すぎるということは絶対にない」
よくある質問
カメラの専門知識がなくてもeBayで中古カメラは売れますか?
売れますが、利益率は松本さんのレベルには達しないでしょう。中古カメラの販売で最も重要なのは「正確な状態説明」と「適正な価格設定」で、これらは専門知識に依存します。ただしカメラ以外にも、日本の商品で海外に需要があるカテゴリーは無数にあります。大事なのは「自分だけの得意分野」を見つけて、その専門知識を武器にすること。最終的にカメラに限らず、アニメ、ゲーム、伝統工芸品、楽器など、自分(あるいは外注パートナー)が詳しいジャンルで勝負するのが成功への近道です。
中古品の無在庫販売は新品と比べてリスクが高いですか?
中古品は一点物のため、新品の無在庫と比べると仕入れの安定性は低くなります。しかし松本さんのように複数の仕入れルートを確保し、出品前に仕入れ先の在庫状況を確認する体制を整えれば、キャンセルリスクは十分に管理できます。また中古品は新品に比べて利益率が高い傾向があるため、リスクとリターンのバランスは決して悪くありません。コンサルでは中古品特有のリスク管理方法も学ぶことができます。
趣味や前職のスキルをeBayで活かすにはどうすればいいですか?
まず「自分が人より詳しいジャンル」を棚卸しすることから始めてください。松本さんの場合はカメラでしたが、元料理人なら日本の包丁や調理器具、元音楽家なら日本の楽器や音響機器、園芸が趣味なら日本の盆栽道具など、専門知識が活きるカテゴリーは必ずあります。その上で、そのカテゴリーのeBayでの需要をリサーチし、利益が取れる商品をリストアップ。ただし通常はセロベースでのスタートになるので利益が出るなら興味を持って特定のジャンルを勉強していく必要があります。
eBayで中古カメラを販売する際の英語力はどの程度必要ですか?
松本さんによると、日常英会話レベルがあれば十分とのこと。「カメラの専門用語は世界共通なので、shutter speed、aperture、focal lengthといった用語を覚えれば商品説明は書ける。バイヤーとのメッセージも定型文がほとんど。最初は翻訳ツールを使いながらでも問題ない。重要なのは英語力ではなく、カメラの知識を正確に伝えようとする姿勢」。コンサルでは英語の商品説明テンプレートも提供されるため、英語が苦手な方でもスタートしやすい環境が整っています。
副業でカメラのeBay販売を始めることは可能ですか?
可能です。松本さんも最初の2ヶ月間はフォトグラファーの仕事と並行してeBayを運営していました。「最初は出品数が少ないので、1日2〜3時間の作業でスタートできる。仕入れリサーチと出品は夜の時間帯でもできるし、発送は週末にまとめて行えばいい。売上が安定して本業の収入を超えたタイミングで、フルタイムに切り替えるのが理想」。ただし、eBayのアカウント開設初期はリミット(出品制限)があるため、焦らず実績を積み上げていくことが重要です。
中古カメラ販売を始めるための初期投資はどのくらい必要ですか?
松本さんのケースでは、初期投資は約15万円でした。内訳は、最初の仕入れ資金が約10万円、撮影機材(LEDライト、背景紙など)が約3万円、梱包資材が約2万円。「カメラの仕入れは1台5,000〜30,000円程度から始められる。高額商品に手を出すのは売上が安定してからで十分。最初は低価格帯のレンズやアクセサリーで経験を積むのがおすすめ」。











