この記事では中国輸入に取り組むにあたってアバウトに計算を行なっていると痛い目を見る消費税・関税の計算方法についてまとめてみました。
以下中国輸入時にかかってくる関税に関係する税金です。
- 関税
- 消費税
- 税関手数料
1つずつ見ていきたいと思います。
関税
中国輸入から商品を輸入すると特定の商品に対して関税がかかってきます。
関税は商品価格に対してではなくCIF価格という商品価格+保険+送料に対してかけられます。
関税(100円未満切り捨て)=
CIF価格(1,000円未満切り捨て)×関税率
です。
関税がかからない以下のような商品もあります。
- 時計 腕時計・その他の時計
- 光学機器
- カメラ・撮影機
- 楽器 弦楽器・吹奏楽器
- 記録物 レコード・テープ・CD
- 美術品 肉筆の書画・版画・彫刻
- 趣味用品 玩具・人形・模型
- 化粧品 香水・オーデコロン・化粧水・化粧品
- 洋酒類 ウィスキー(750ml入り)
- 乗用自動車・オートバイ
- スキー用具
- ゴルフ用具(ゴルフバッグを除く)
- レジャー用品
- 家具類 家具
- 椅子(革張り)
- 台所用品
- 金属食器等
また関税には5種類あって優先される順に
- 基本税率
- 暫定税率
- WTO協定
- 特恵税率
- 特別特恵税率
となります。
以下の表のようになっていますが計算するときはあまり気にしないでそれぞれの税率を合計して計算すれば大丈夫です。
消費税
消費税はCIF価格×消費税率で計算されます。
CIF価格が16667円以下の個人輸入の場合は
CIF価格×60%×(関税率+消費税率)+通関手数料
で計算されます。
通関手数料
荷物が税関で課税の対象になった場合、通関手数料がかかります。 通関手数料は荷物1つにつき200円です。 関税が無税の場合は通関手数料がかかりません(消費税のみ課税)。
また中国で輸出する際にも通関手数料はかかりこの場合は1箱ごとに約80円かかります。
まとめると
CIF価格=商品代金+送料+保険等
関税=CIF価格×一般税率
消費税=CIF価格×消費税率
なので
輸入時の代金は
(商品代金+送料+保険等)+(CIF価格×一般税率)+(CIF価格×消費税率)+輸出通関手数料+輸入通関手数料
⇄CIF価格+関税+消費税+輸出通関手数料+輸入通関手数料
となります。
やや複雑ですね、輸出通関手数料+輸入通関手数料は関税・消費税と比べて小さいため無視しても大丈夫です。
また中国輸入でよく扱う商品としては皮系の製品で本革は税率が高いので注意が必要です。
革製(本革・合皮・スウェード問わず)の靴、サンダル、スポーツシューズなどには、基本的に通関時、1足あたり最低4,300円の関税&内国消費税等10%、もしくは商品代金+送料の合計に対し30%の関税&内国消費税等10%のどちらか高いほうの関税がかかります。
豆知識として本来関税の対象になる商品が関税の対象にならなかった場合にはわざわざ申告を行う必要はありません。反対に税関の処分に不服がある時は不服申立手続を行うことで再調査の請求を行うことが可能ですがよほどの場合しかこの制度を利用することはないでしょう。
なおそもそも日本への輸入禁止の商品もあるのでこちらも合わせて税関のページを参考にしてください。
参照:日本への輸出禁止商品
ブログなどにまとめている方もいますがブログは情報が古くなっている可能性があります。
関税率や輸入禁止商品は半年毎くらいに変わるので新たな商品を輸入する際は毎回チェックするくらいの気持ちでいたほうがいいです。
また先ほども少し触れましたが中国から日本に商品を輸入する場合の関税は、簡易税率と一般関税率という2種類に分かれます。
総額が20万円未満の場合は簡易税率が適用されそれ以上の場合は一般関税率が適用されます。(例外あり)
先ほども書きましたがこの総額とはCIF価格(1000円未満切り捨て)のことで送料や保険も含まれます。
なお税関告知書に虚偽記載があった場合は、脱税になりますので注意が必要です。また「商品代金」+「国際送料」が1万円以下なら税金(関税・消費税)は一切かかりません。
個人輸入の場合は課税価格が60%なので16666円まではかかりません。
逆を言えばこの価格を超えたら個人でも税金がかかるということです。
中国輸入で関税以外にかかってくる可能性のある税金・費用について
中国からの輸入時にかかってくる可能性のある税金・費用は関税だけではありません。以下のような税金・費用がかかってくるケースがあります。
輸入増殖税
日本でいう消費税のことで中国国内での売買や荷物の移動に対する費用の支払いなどがあった際にかかってきます。
物品の販売、役務の提供、海外からモノを輸入する際に発生する税金で中国国内で商品を販売、加工、修理補修を行うまたは輸入を行う法人あるいは個人が納税義務者です。
中国から海外にモノを輸出する際、増値税はゼロと規定されているためダイレクトで日本へ輸入する場合は関係なく存在を知らない方も多いと思います。
日本の消費税のように取り引きの最終段階で課税されるという扱いではなく,売り買いされる取り引きの都度、その付加価値に対して発生する税金となるので要注意です。
代行手数料
代行会社に任せる場合は代行手数料がかかります。
商品代金に対してx%手数料がかかる代行会社もあれば重量によって手数料が決まる代行会社もあります。
通関士の費用
代行会社に任せない場合は自分で通関を行う必要があり、会社として貿易業を営む場合それは通関士と呼ばれる職業の方に任せることになります。
通関士の必要性について
通関士の方がいなくても通関業務は行えますが通関業者には必ず通関士の資格を持った方がいます。
なお代行会社を使う場合はこの部分は読み飛ばしていただいて大丈夫です。
通関士の業務は、企業の輸出入物品の通関手続きの代行、つまり申告書類の審査と申告がメインの業務になります。
船積書類(B/Lやインボイスなど)を見て規制や各種法令に対して問題が無いかどうかを確認したり、商品の分類をしたり(HSコード/税番※の分類)、輸入申告業務を行います。
自分でやると恐ろしく面倒で、ミスをすると通関時に止まります。
と言っても通関で止まるケースはそれほど多くないです。10回に1回くらいでしょうか。
止まった際も通関士の方がいればスムーズに解決します。
大きな商社であれば確実に通関士の方がいますがいわゆるネットビジネスとして”中国輸入”をやっている人で通関士の方を雇っている方は見たことがありません。
ほとんどの場合通関士のいるフォワーダー(貨物利用運送事業者)に任せることとなります。
この場合キャリアーと呼ばれる荷受側の会社も必要になるケースもありますが代行会社などでは両方やってくれます。
ただし中国輸入の代行会社は通関士のいない会社が多いので注意が必要です。
中国輸入関税まとめ
中国輸入にかかる関税は商品のジャンルごとに決まっているのであらかじめ財務省ぼ貿易統計などを見て計算しておきましょう、ということでした。
そして復習になりますが個人輸入の場合と法人輸入の場合で税率が以下のように変わってきます。
個人輸入の場合
関税額=課税対象額(商品代金×60%) × 関税率
法人輸入の場合
関税額=課税対象額((商品代金+送料)×100%) × 関税率
個人輸入かどうかは輸入額によって決まります。
また関税以外にも
- 消費税
- 税関手数料
- 中国輸出通関手数料
がかかるので中国輸入でかかるトータルコストを計算したい場合は計算方法を身につけた上で関税以外も計算するようにしましょう。