中国輸入ビジネスでは商品代金・家賃・PC・物流費・コンサル費・出張代・飲食代などが経費になります。 ただしスーツ・ジム代・敷金など経費にできないものもあるため、正しく仕分けて確定申告に備えましょう。
中国輸入で商品の仕入れ時にかかる関税・消費税等については以下の記事にまとめています。
目次
中国輸入で経費になるもの
仕入れ代金・国際送料・代行手数料・関税・検品費・広告費・ツール使用料・セミナー費用は全額または一部が事業経費として計上できる。

商品代金・家賃・PC関連・物流費・文房具・書籍・コンサル費・出張代・飲食代が主な経費項目です。科目の仕分けは一度決めたら毎年同じにしましょう。
商品代金
中国輸入ビジネスにおける最も基本的な経費として、商品自体の仕入れ費用(販売単価未満で購入したコスト)が該当します。この際、「在庫」として保有している段階では損益計算書上は「資産」扱いとなり、実際に売れた時点で初めて経費として計上されます。
たとえば10月に仕入れた商品が翌年2月に販売された場合、その費用は次の年の確定申告で経費になるということです。そのため「今年の在庫を来年に繰り越す」という行為自体には税務上の損失はないものの、売り上げに対して相応しい原価が計上されない限り、利益も虚偽に高くなる可能性があります。
また仕入れ代金は以下の要素全て含まれます:
- 中国メーカーからの商品購入費
- 国際輸送費用(海運・空運)
- 関税・消費税など諸コスト
- 通関手数料や検査代金
- FBAへの搬入にかかる倉庫内作業費も含まれます(ただしFBA自体の販売手数料は経費ではない)
注意:商品仕入れに関わる「海外送金手数料」や「為替レート変動による損失」など、直接的な業務関連費用も含めることで、より正確な利益計算が可能になります。これらはあくまで経費として計上するための根拠を残すことが重要です。
家賃
事業用に借りた事務所や倉庫の場合、その全額が経費となります。一方で自宅兼事務所(在宅ワーク)として利用している場合、使用面積の割合に基づいて按分して計上します。
例:全体面積100㎡の自宅に35㎡を仕事用スペースとして使っている場合は、「家賃×35%」が経費になります。この際「帳簿上の家賃」と実際支払った額が一致していることが求められます。
ただし、自宅兼事務所の按分は最大でも50%までとされており、それ以上に計上すると税務署から「過大経費」だと見なされるリスクがあります。特に1人社長で30㎡以上の面積を申告しているケースでは、使用状況の証拠(写真・日記・業務ログ)が問われる可能性が高いです。
また、家賃以外にも「共益費」「管理費」なども経費として計上可能です。ただし住宅ローン利息は原則的に経費になりませんので注意が必要です。
PC・サーバー
ノートパソコンやデスクトップPC、WiFiルーター、プロバイダ料金、ドメイン登録費、Webサーバーサービスなどはすべて全額経費として計上できます。特に青色申告事業主にとっては「一括償却」のメリットを活かせます。
PCに関しては以下の基準で勘定科目が決まります:
- 10万円以上:工具器具備品(減価償却資産)として扱う。耐用年数3〜5年の範囲内で計上。
- 10万円未満:消耗品費または雑費に分類可能だが、青色申告では30万円未満の資産は一括償却が認められる
注意:10万円以下のPCでも「消耗品費」で処理すると毎年費用化され、税負担が高くなる可能性があります。逆に30万円未満の資産を一括償却しなくても問題ありませんが、「一度決めた仕分け方法は次の年度も同じにする」というルールを守る必要があります。
またWiFiルーター、プロバイダ料金など通信関連費用については「通信費」に分類し、あらかじめ科目を設定しておくことで税務調査での指摘リスクが低くなります。何でも雑費や消耗品で処理してしまうと、「その項目だけ高額」と見なされやすいため注意が必要です。
物流費用
中国から日本への輸送コストだけでなく、国内における流通経路に関わるすべての支出が経費になります。具体的には:
- 倉庫代金(地代家賃勘定):自社で借りた倉庫や保管施設にかかる費用。
- 支払賃借料:長期レンタル契約の際、資産ではなく「使用期間分の利用料」として計上する場合も可。
- 荷造運賃(国内配送費):倉庫からFBAへ搬入される送料や、宅配便・トラックによる輸送費など。特に「国際線からの陸揚げ→自社倉庫」「自社倉庫→FBA」という2段階の運賃は個別に計上できる。
なお、「配送手数料」や「出荷作業代行費(アウトソーシング)」も同様に経費として認められます。ただし、倉庫管理システム導入費用など長期間の効果を持つものは減価償却資産扱いになるケースもあるため、用途と金額によって判断が必要です。
文房具
鉛筆・ノート・マーカー・クリップなどの日常的な事務用品は「事務用品費」または「消耗品費」として処理可能です。特に青色申告事業主の場合、「一括償却資産の対象外で1万円未満のもの」であれば雑費扱いも可能ですが、長期的に使用するもの(例:高価なメモ帳・専用ノート)は「事務用品費」として分類するのが望ましいです。
よくある誤解として、「消耗品と事務用品費の違いが分からない」というケースがあります。税理士に聞いても「どちらでもOK」と答える人もいますが、その結果として科目ごとの金額変動が激しくなると、税務調査で「経費の不自然な調整」と見なされるリスクがあります。
特に注意すべきポイント:
- 1年間で消耗品に30万円、事務用品費に5千円 → 税務調査の対象になりやすい
- 翌年に逆転(消費品ゼロ・事務用品費30万)→ 動機が疑われる可能性大
結論:一度決めた科目は毎年同じにすること。変更する場合は理由を帳簿やメモで明記しておくこと。
書籍・研究開発費
中国輸入ビジネスに関連した知識の習得のために購入した本、オンライン講座、セミナー資料などは「研究開発費」として経費にできます。ただし、「事業と直接関係ないもの」=漫画・小説・自己啓発書(例:『成功する人の習慣』)などの場合はNGです。
重要なのは、売上に関連しているかという点です。「中国輸入の販路開拓に役立つ本」はOK、「趣味で読んだビジネス書」というだけでは認められません。特に以下のようなケースが評価されやすい:
- 新商品を仕入れるための市場調査資料
- FBA運営手法に関する実務マニュアル(例:「FBAアフィリエイト徹底攻略」)
- 海外物流フロー改善に役立つ書籍・PDFデータなど
経費として認められる金額の限度は、売上高とのバランスで判断されます。
- 年商100万円 → 本代30万円以上だと「先行投資」として認めてもらいにくい
- 年商5,000万円以上なら同程度の支出も合理的と見なされやすい
注意:1年前に購入した本が今月に初めて売上につながった場合、その書籍代は「過去の費用」として計上できません。経費になるのは、実際に事業活動の中で活用されたもののみ。
コンサルティング・外注費用
中国輸入に関する専門家に相談した際の報酬や、「通関対応代行」「販売戦略設計」などを依頼して支払った金額は「支払報酬」として計上可能です。また、外注費(業務委託)として処理することも可能ですが、年間100万円以上になると税務調査で重点チェック対象になるため注意が必要です。
ポイント:コンサル費用の多くが「外注費」として計上されるケースがありますが、これは金額変動に敏感な科目であり、「同業他社と比べて異常に高い」場合、経費として認められない可能性があるため注意が必要です。
代わりに「支払報酬」という勘定科目を使うことで、費用の性質を明確にすることができます。また契約書・領収書には以下の情報を必ず記載しておきましょう:
- 依頼内容(例:関税計算サポート)
- サービス提供者の氏名または会社名
- 支払日と金額の明細
- 契約期間・業務範囲
出張代
取引先訪問、仕入れ先視察、物流拠点確認のために実際に移動した費用はすべて「旅費交通費」として計上できます。これには以下が含まれます:
- 電車・バス・タクシー代(往復含む)
- 航空運賃や有料道路通行料
- 出張中の宿泊費、食事代、日当など
ただし、「研修旅行」「社員慰安会」などの目的で行った場合の費用は「研究開発費・福利厚生費」として扱い分けが必要です。
出張旅費規程の活用と注意点
1人社長の場合、出張旅費が多額になると税務調査で「臨時収入」の可能性を疑われます。そのため、「実費清算」と比べて経済的メリットがあるのが「出張旅費規程」です。以下に手順とポイントを示します:
- 事前に会社内にて「出張旅費基準(1日あたり金額)」を作成
- 交通・宿泊・食事などの合計が定められた上限を超える場合でも、その分は経費として認められる
- 実際の支出より多く設定した場合は、「差額=社長の臨時収入」となる。ただし非課税処理可能(確定申告で調整)
- 社長:1日あたり2〜3万円、役員:1〜2万円、一般従業員:5,000~1万円が目安
なお7泊の出張であれば、「社長」なら最大で21万円分まで経費として計上可能。しかし、この場合「業務目的を証明する資料(訪問先名簿・会議記録・写真)が必須」となります。
重要:出張旅費規程はあくまで「合理的な範囲内」で設定すること。同業他社と比べて著しく高額だと、経費不認可の原因になります。
飲食代
ビジネス目的での飲食費用(会議・接待)は、「交際費」と「会議費」に分類されます。基準としては:
- 1人あたり5,000円以上 → 交際費として計上可能
- 5,000円未満 → 会議費扱い(経費で認められやすい)
特に「得意先との外食」「来社した取引先へのお茶代・弁当」などは交際費として計上できます。ただし、以下の条件を満たす必要があります:
- 業務上の目的が明確であること(例:契約成立のため)
- 招待された相手に「事業関連性があること」
- 領収書には日付・金額だけでなく、参加者名や会議内容をメモしておくべき
注意:普段の食事(家族との夕飯)や友人との飲み会などを経費にしようとすると、「交際費が膨らんでいる」状態になり、税務官から「事業と個人生活を混同している」と見なされるリスクがあります。
売上規模による判断基準も重要です:
- 年商5億円以上 → 月20万円の交際費でも問題ない(税務官は「細かい点」に目をつぶる傾向あり)
- 年商1,000万円未満 → 同じ金額で調査対象になる可能性が非常に高い
経費にできないもの(注意点)
以下は中国輸入事業でも「経費として認められない」典型例です。覚えておきましょう:
- スーツ・作業服代金
- ジム会員料やフィットネス費用
- 敷金、保証金(返還されないもの)
- 二次会・パーティ代(個人的な祝賀目的の飲み会など)
- 自宅の電気・水道費(別途按分は可能だが、経費として認められないものは多い)
最終ポイント:すべての支出には「事業との関連性」と「証拠資料」が必要です。領収書を保存するだけでなく、「なぜこの費用が発生したか」「誰とどう関わったのか」をメモしておくことが、税務調査で無事に通す鍵となります。
経費にできないもの
プライベートな旅行・食事・衣類など事業との関連が薄い支出は経費計上が認められず、按分の根拠が曖昧な場合は税務調査で否認されるリスクがある。
スーツ・衣装
ビジネス用のスーツや作業服も、自らが日常的に着る可能性があるため経費にできません。
税務上では「個人的な使用を伴う物品」は事業用と認められず、特に社長本人が毎日着ているスーツに関しては、会計上の資産として扱われます。たとえ仕事でしか使わなくても、「他人に貸すこともなく自らの生活用品」として見なされるためです。
芸人や舞台俳優の場合でも衣装費が経費にならないのは同じ理由です。「事業用として使用している」ことだけでなく、実際には他者にも使われる可能性があるか、または個人の生活に密接に関係するものかどうかが審査されます。
スポーツジム代・マッサージ代・整骨院費用
社長本人の健康維持やストレス解消のために支払う費用は、事業と直接的な関連がないため経費になりません。
たとえ仕事で疲れており、マッサージを受けてから翌日より集中力が高まったとしても、「労働の成果」として認められるには「業務遂行に不可欠な費用」である必要があります。ジムや整骨院はあくまで健康増進・生活維持のために使われるものであり、その目的が事業に関連しているとは言えません。
ただし、従業員に対して導入したフィットネスプログラムなどであれば、「福利厚生費」として認められる場合があります。社長本人の場合は対象外となるため注意が必要です。
敷金・保証金
事務所や住居に支払った敷金は、返還される可能性がある資産であり経費にはなりません。
契約終了時に清掃代などが差し引かれて戻ってくるため、「資産」の性質を持ちます。したがって、税務上では「支出」として処理せず、貸倒債務や返還予定額として計上します。
敷金を経費にしようとすると、仮に翌年戻ってきた場合にその分の収入が発生するため税務調査で問題になります。特に自宅兼事務所の場合、「家賃」と「敷金」の区別が不明確だと指摘されやすいので注意しましょう。
二次会・結婚式・同窓会費用
接待交際費として認められるのは、一次会までの飲食代や打ち上げパーティーまでです。しかし二次会以降の費用は経費になりません。
税務署では「仕事上の関係を築くための行為」として、最初に開かれた接待が目的とされる一方で、「親睦目的」である二次会や結婚式への参加費用には事業との直接的なつながりがないとして認められません。
特に社内イベントで行われる「社員の祝い事」も同様です。たとえビジネス関係者を招いていたとしても、自らの生活・人間関係に起因する費用は経費対象外となります。
英語学習費
実際に中国業者とのやり取りで使用していることが証明できない場合、英語学習費用は経費になりません。
例えばオンライン講座やTOEIC対策教材を購入しても、「その知識が売上に貢献した実績がない」として認められません。逆に、中国輸入の取引先と英語でメール交換している記録・通話履歴がある場合のみ経費として扱えます。
「学習中」が理由だけでは不十分です。実際の業務に活用されたことが証明されなければ、税務調査で問題視される可能性があります。
冷蔵庫・洗濯機など家庭設備の経費化について
自宅兼事務所の場合、事業利用部分にのみ按分して経費計上が可能ですが、実際には認められにくいです。
たとえば来客用飲み物を冷やすための小型冷蔵庫であれば「接待交際費」としても扱えますが、中国輸入ビジネスではその使用頻度・目的が不明確であるため経費化は困難です。また従業員のために使う洗濯機も同様に、「福利厚生費」で処理する必要があります。
自宅兼事務所の場合は、事業用利用面積を毎年正確に測定し記録しておくことが必須。帳簿管理が不十分だと「私的な設備」として経費否定の対象になります。
冷蔵庫や洗濯機などは、『事業用利用』であることを明確に証明できない限り、すべて非課税資産として扱われます。購入時に「来客用」として計上しても、実際の使用状況がそれを裏付けていなければ無効です。












