Amazon輸出も歴史が深まり初心者が考えなしにやってもなかなか売れない時代になってきました。
また、最近円高になってきたので今度は輸入だと、Amazon輸入に流れている方もいるかもしれません。
しかしその考えでは輸入でも輸出でもうまくいきません。
円高になったからといって輸出がなくなる訳でも円安になったからといって輸入がなくなる訳でもありません。
円高になりつつある今だからこそAmazon輸出について改めて体系的に学びましょう。
目次
Amazon輸出を制するには事例に学ぶことが重要
Amazon輸出で売れない商品には以下の3つの特徴があります。
- 売れ筋の基準がずれている
- 日本の強みが出てない
- 価格が適切でない
売れ筋の基準がずれている
売れ筋を捉え間違えると思わぬ失敗をしています。
アメリカのAmazon.comは市場規模が日本の十倍以上と言われています。
日本と同じ感覚で10000位だから月に1個か2個仕入れようと判断していては機会を逃してしまうことになります。
それと同時に考えなければならないことがあります。
Amazonのランキングはベストセラーランキングという直前に売れたアイテムを高く評価する方式なのですがカテゴリによって規模が全然違います。
例えば以下のような表記の商品があります。
#581 in Office Products > Educational Supplies> Writing & Correction Supplies > Pens & Refills
Pens & Refillsで581位です。
581位と聞くとかなり上位な感じがしますがPens & Refillsは言うなれば町内大会です。
Office Productsが全国大会です。
町内大会で順位が高くても全国大会で順位が低いものは売れません。
私は基準は必ず全国大会である大カテゴリーに置くべきだと思っています。
カテゴリサイズによるのですが大カテゴリで100万位以下だと大カテゴリ名が表示されず中カテゴリ以下からランキング表示されます。
以下はその例です。
Computer Accesoriesから下っていった中にBackpacksというカテゴリがあります。
カテゴリがこれだけ下っていった中の順位だから売れていない、と判断するのは早計です。
Computer&Accesoriesはそもそものカテゴリ規模がとてつもなく大きいので100万位以内に入らなくても売れているものは多いです。
2013年のデータですがElectronicsで2400万点、Sports & Outdoorsで2000万点、Office Productsで400万点の商品カタログがあると言われています。
ちなみにAmazon.com全体では2億点の商品カタログがあるようです。
日本のAmazonでは全体で2000万点と言われているのでちょうど10倍くらいになります。
以上のことからも日本だと大カテゴリだけを基準にしてもいいと思いますがアメリカの場合は大カテゴリが大きい場合は中カテゴリも見ていった方が取りこぼしが少なくなるでしょう。
またランキングが急上昇している時点を捉えてしまい本来は売れていない商品をつかんでしまうという可能性もあります。
Amazonベストセラーランキングは売れた個数のランキングではなくあくまで売り上げのランキングということを忘れないでください。
100万円のものが1個売れても100円のものが1万個売れても同じです。
(実際には100円のものが1万個売れた方が補正により上に行きます)
日本の強みが出てない
日本の強みを意識した商品選定を行わないとまずビジネスには必ず相対的な強みが必要です。
Amazon.comで売るということが決定している場合日本から仕入れて売る最大の強みは間違いなく日本の商品を販売できることでしょう。
日本製で人気があるものの特徴は以下の通りです。
- 高機能・コンパクト
- 日本文化
- おもちゃ・ホビー
これについてはのちほど実際に売れた事例と合わせて解説します。
日本の商品を仕入れて販売するのにアメリカにも普通に作られていそうなものを安く仕入れても価格的優位は消えます。
中国製品をアメリカに出すことは中国の業者がしています。
日本人として中国の商品をアメリカに売るのであれば日本っぽいアレンジを加えた上で戦わないとライバルに埋もれてしまいます。
価格が適切でない
相場より高い商品は売れません。
しかし相場に合わせて価格競争になり値段を下げすぎても赤字になってしまいますし一体どうすればいいでしょうか?
答えは価格以外も見る、ということです。
価格だけ見ると価格差があったときに商品を仕入れたくなってしまいますがこれではいけません。
またもう少しだけ発展させて月に何個売れるかのデータを見ても結局ライバルの存在で利益が出なくなっているということはライバルの数を考慮していないということなので反省してライバル出品者の数を見るようになった方も多いはず。
しかし仕入れ時には10人だったライバルが商品到着時期には30人に。
このような失敗をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
その瞬間の出品者数だけでなく出品者数の変化も日頃からチェックしておくとどのような商品がライバルが増えやすくてどのような商品がライバルが増えづらいかわかります。
ライバルが増えやすい商品
- 有名メーカー製
- ランキング上位
- フィギュア・おもちゃ
有名メーカー製
Panasonicや任天堂、資生堂など日本の有名メーカーの商品であればAmazon輸出実践者が飛びつかないわけがありません。
当然小売で買っていても飽和状態に巻き込まれます。
この激戦区を勝ち抜くには基本的に買い付け額を増やして卸を取ることしかありません。
創業時期でも融資を受ける方法をリンク先の記事にまとめているので卸を検討している人は
合わせてご覧になってください。
ランキング上位
ランキング上位でキーワードjapan,japan importに引っかかるような商品はプログラム等で簡単に見つけることができるのでライバルで溢れています。
ここから一歩抜け出すためにはそれらのキーワードを使っていない日本商品を見つけていく必要があります。
例えば上記のキーワードが入っていなくてもsakura,kyoto,日本のメーカー名などが入っていれば日本から輸出された商品である可能性は高くなります。
商品を購買してくれるユーザーは結局Amazon内の検索からたどり着くのでキーワードを軸に考えることは重要です。
ライバルが多くて困っているという方はランキング上位でもこのように少し外した探し方を身につけましょう。
フィギュア・おもちゃ
ライバルが増えやすいから扱ってはいけないという訳ではありません。
利益率が小さくてもいいのであれば人気シリーズの新商品をさっと仕入れてさっと売るのが利益を出す上で最も安全かつ確実な方法です。
ライバルが増えづらい商品
- マイナーメーカー
- 専門性が高い
- 価格帯が安い商品
マイナーメーカー
誰もが知っている有名ブランドでなく知っている人だけが知っているブランドであればライバルは減ります。
フィギュアやホビーはライバルが増えやすいと書きましたが任天堂、バンダイなどに比べ
バンプレストや三映貿易などはやはりライバルが減ります。
知っている限りのホビー・おもちゃメーカー一覧を以下に載せておきます。
- アイアップ
- アイコ
- アイデス
- アガツマ
- アポロ社
- イガラシ
- 石川玩具
- イワヤ
- ウィズ
- エポック社
- エンスカイ
- オンダ
- 学研ステイフル
- カワダ
- くもん出版
- コンビ
- 三英貿易
- サンライズ
- シー・シー・ピー
- ジー・ピー
- ジェイディジャパン
- シャイン
- ジョーゼン
- ジョイパレット
- ショウワノート
- ジョブインターナショナル
- セガトイズ
- セキグチ
- タカラトミー
- タカラトミーアーツ
- タミヤ
- テンヨー
- トイコー
- ドリームズ・カム・トゥルー
- トレーン
- 任天堂
- パイロットインキ
- ハナヤマ
- ハピネット
- バンダイ
- バンプレスト
- ピープル
- ビバリー
- ブシロード
- 増田屋コーポレーション
- マテル・インターナショナル
- マルカ
- ムラオカ
- メガハウス
- やのまん
- ヨシリツ
- ラングスジャパン
- リーメント
- レゴジャパン
- ローヤル
他のカテゴリを扱う場合も
まずメーカーを洗い出すというのは
鉄則ですのでぜひチャレンジしてみてください。
価格帯が安い商品
価格帯が安い商品はFBA販売では利益が出ないので副業でやっている人は選択肢から外すことが多いです。
そこを突いて出品者出荷をするという手法があります。
海外配送の最安は25gで75円(Dメール)です。日用品などは価格帯が安くここのゾーンを狙うことができます。
最近は追跡番号(書留)の必須化を謳っているのであまりに安い価格帯は狙いづらくなりました。
今後輸出に関してはAmazonFBA一択になるでしょう。
Amazon輸出で実際に売れたもの
2015年から2016年にかけて売れたものをこれでもか、というほどまとめてみました。
日本からの輸出で売れるものの特徴が以下であることを頭に入れながら追って行ってみてください。
- 高機能・コンパクト
- 日本文化
- おもちゃ・ホビー
なお新商品をすぐに売った場合や季節により売れ筋が異なるシーズナブルな商品もありますしそもそも私のブログの閲覧数が多いので今そのまま仕入れても利益が出るものは少ないと思います。
大切なのは特徴を学ぶことです。
具体例を演繹してください。
こういう商品が売れるということはこういう商品も売れるのでは?という推測が大切です。
高機能・コンパクト
国民性を表した以下のような言葉があります。
ドイツ人が発明
↓
アメリカ人が製品化
↓
イギリス人が投資
↓
フランス人がデザイン
↓
イタリア人が宣伝
↓
日本人が小型化に成功
↓
中国人が大量生産
もちろんこれは誰かが作った社会風刺なので言葉通り捉えてもいけないと思いますが日本に関してはわりと当てはまっている気がします。
日本は改良や小型化、高性能化が得意な国でそれが海外でも評価されています。
ちなみに時計はまさに高性能で海外で評価されていますが現地に代理店が多いためかAmazon輸出には向いていません。
Fujifilm Instax Mini Twin Pack Instant Film
日本製のフィルムは質が高く海外でも人気です。
ちなみに富士フィルムはフィルムメーカーの中で世界2位です。
1位はアメリカのコダック。
こちらは反対に輸入している人も多いです。
Zebra Sharbo X Refill 0.5 Ballpoint Pen, Carmine Red Ink (RJSB5-CMR)
Zebraは実は日本のメーカーです。
Pilotと並んで海外人気が高く実際よく売れました。
e-bayで売っている人を見たこともあります。
出品者が増えてしまっているので今から売るのであればセット化して出すなどの工夫が必要です。
MoMa MUJI HEXAGONAL WATERBASED PEN PACK 10 COLOURS
こちらも同じく文房具シリーズの紹介で無印良品のペンです。
無印は少し有名になりすぎてしまった感じが強いです。
こちらも今はセット化しないと厳しいです。
1 X MONO PLASTIC ERASER 3piece pack [JAPAN Import] PE04A
売れるのはペンだけではありません。
こちらはMONOの消しゴム。
漫画に興味がある人も多いので日本製のGペンや画材道具なども海外では売れます。
3個入りがライバルが多くても10個入りだとライバルが少ないというケースもあります。
人より粘った人だけがチャンスをつかめます。
1 X 3M Scotch Donut Tape Dispenser – Mint Blue – 12 mm X 11.4 m
日本の食品サンプルが
海外で人気という話を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
食品をモチーフにしたこのような商品は海外で人気を博しています。
そして文房具はやはり日用品だけあって売れやすいので初心者の方におすすめできるジャンルです。
日本文化
Aitoh Yuzen Washi Chiyogami Origami Paper, 4 by 4-Inch, 40-Pack
日本の千代紙です。
折り紙、千代紙、和紙など日本の紙が高く評価されるのは古来より変わりませんね。
Nintendo Japanese Playing Cards Game Set Hanafuda Marufuku TENGU Black
任天堂と言ったら?
マリオ、ポケモン、ゼルダ。
しかし任天堂はもともと花札の会社でした。
こんな商品もあります。
同じような系統だと日本の知恵の輪は海外で人気です。
Iwatani Takoyaki Grill Pan CB-P-TAF, Medium, Black
たこ焼き機はなぜか海外で受けています。
たい焼き機、流しそうめん機なども売ったことがあります。
Kotobuki Japanese Kitchen Knife Set
海外で評価が高いものの一つ、包丁。
昔は何も気にせずFBA販売していましたが現地の弁護士にpL法について聞いたらやはりアメリカの訴訟事情はえげつないようで扱うのであればPL保険にリスクヘッジで加入しておいた方がいいともいます。
包丁があまりに売れるので現地に会社を立てようと思ったものの現地にある会社とわかると訴訟リスクがさらに高くなるのでやめた方がいいと言われ今の所は進めていませんがもちろん色々やりようはあるようです。
日本の刃物はよく切れます。
Pigeon Nail Scissor (New Born Baby) Made in Japan
日本の代表的メーカーの一つ、ピジョンの爪切り。
ピジョンは赤ちゃん用品を幅広く扱っているメーカーでアメリカだけでなく中国でも人気があります。
実際米国の価格差が小さくなってきたので私は中国に出しています。
なおベビー用品は現在はアメリカに出す場合FDA(米国食品医薬品局)の認可を受ける必要があるものが多いのでご注意ください。
おもちゃ・ホビー
Gardian amiibo – Japan Import (Super Smash Bros Series)
もはや鉄板とも言えるamiboシリーズですがマリオやピカチュウなどのキャラは生産数が多いのに対し他のキャラは生産数が少ないのでマイナーなキャラの方が価格差が大きくなる現象がよく起きています。
Tomica Disney Motors Tsum Tsum Mickey Mouse Top
トミカシリーズの一つ。フィギュアなどにだけ注目が集まる中このようなおもちゃも売れます。
Pokemon Center 5″ Bulbasaur Plush
ポケモンセンターの仕入れなので完全に小売仕入れです。
このようなぬいぐるみ以外にもクリアファイルやオリジナルキーホルダーなどが海外では売れやすいです。
My Neighbor Totoro Grey Totoro fluffy beanbags (leaf retention)
ジブリシリーズも海外では大人気です。
ぬいぐるみだけでなくジブリキャラがモチーフにあしらわれた弁当箱や文房具なども回転率が高かったです。
Star Wars: Darth Vader Lightsaber Chopstick Light up version
スターウォーズは日本よりもアメリカではさらに人気です。
そんなスターウォーズシリーズのビームソードを模した箸。
個人的には日常ではあまり使いたくありませんがやはり飾っておくのでしょうか。
San-X Rilakkuma Petite Plush Doll Cleaner Cell Phone Strap (Korilakkuma and Kiiroitori)
サンリオも日本メーカーです。
これだけ見れば日本メーカー製を扱うのはまずは鉄則ということはお分かり頂けると思います。
ストラップでいうと食品サンプルのストラップも売れやすいです。
Amazon輸出で売れない商品と実際に売れた商品のまとめ
少し長くなりましたがいかがだったでしょうか?
売れない商品の特徴と売れる商品の特徴を抑えればリサーチの精度が上がりより効率化できるはずです。
また実際に売れた商品の中もよく分析すると
- 限定品で今は販売されていない
- 今も販売されているが利益がトントンになっている
- そもそも数字が全然合わない
という今は稼げない商品が出てきますがここからも学びはあります。
それぞれに対し同じようにシリーズの限定品、受注生産品を狙っていく方法が一つ。
売れ筋定番商品の卸、あるいは小売でも少しでも安く仕入れるためにクーポンサイトやキャッシュバックサイトを利用する方法が一つ。
特に輸出の場合は楽天やYahooショッピングでの買い物が1%還元されるハピタスというサイトがおすすめです。
リンク先は輸入用のクーポンサイトやキャッシュバックサイトをまとめたものですが記事の最後の方に輸出用(国内転売用)のキャッシュバックサイトもまとめています。
また全然数字が合わないものは十中八九卸から仕入れたものです。
なので小売の価格同士比べて利益が出ないな、とすぐに判断するのはやめましょう。
記事の途中にも書きましたが特定のジャンルのメーカーをリストアップして卸が取れそうな所をマークして外注さんなどに交渉をかけてもらうべきです。
凡人のままでいては利益は出ません、一歩先へ行きましょう。
難しいことはありません、ほとんどの場合行動するかしないかの違いだけです。
Amazon輸出をこれから始めたい方、あるいは始めたけどうまくいかなかったという方の参考になれば幸いです。
なおこれらの商品のリサーチの仕方はAmazon輸出リサーチの方法まとめの記事にまとめているので合わせてご覧になってみてください。