越境ECの海外マーケティングの方法

この記事では海外マーケティングを活用して中国や日本で生産した商品をアメリカやドイツ、オーストラリアなどのAmazonで販売したり海外向けの自社サイトを作って販売を行う越境EC、輸出ビジネスの方法をまとめています。

ちなみに元々私は中国生産→アメリカAmazon販売を行なっており現在もクライアントのアメリカ・ヨーロッパAmazon販売や海外向け自社サイト・SNS運用の海外マーケティング支援を行なっていますが自社では輸出ビジネスを大々的には行なっていません。

それは単に事業の集中と選択の問題、ブランディングの方向性によるもので輸出ビジネスが稼げなくなったわけではありません。

むしろAmazonでは販売していないだけで直販で海外に売ることは継続して行なっています。

インバウンド需要が掴めるようになると日本の景気に左右されずに稼ぎ続けることになるので難易度は高いですが学ぶべき価値があることだと思うのでぜひ読んでみてください。

中国で作ろうが日本で作ろうが東南アジアで作ろうが基本的なやり方は全て一緒です。

海外向けマーケティングのメリット・デメリット

越境ECをはじめとした海外マーケティングのメリットを考える上でひとまず海外Amazonに注目したいと思います。

2020年時点で海外Amazonの規模はアメリカが日本の10倍、イギリスが2倍、ドイツが日本とほぼ同じとなっています。

オーストラリアやカナダのAmazonは規模がやや小さい(日本の半分ほど)です。

海外向けのマーケティングを行うことでこれらの巨大な市場で商品を売ることができるというのはやはり大きなメリットと言えるでしょう。

今までは日本市場だけでも十分な利益を取れる企業が多く海外マーケティングを積極的に学ぶ必要性もなかったと思いますが国内成長は頭打ちを迎えています。

最初から海外市場を狙いに行っている中国や韓国など他のアジアの国と比較しても日本は海外マーケティングで遅れをとっていると言わざるを得ません。

デメリットは集客・ブランディングが難しいという点です。

現地の企業や世界各国で幅を利かせている中国セラーと競合することになるので彼らと同じやり方で戦っていては差別化できません。

実際日本のOEMと同じ戦略で商品を販売して撤退していく企業を数多く見ています。

越境ECの選択肢

越境ECの主な選択肢は以下の通りです。

  1. Amazon
  2. ebay
  3. 自社サイト・SNSなど(直販)

BtoCの場合はAmazonやebayをBtoBの場合は自社サイトやSNSを活用することになります。

またこれらに加えて現地の代理店と契約して当該国での販売を任せるという方法もあります。

参照:海外展示会の出展方法

日本人の立場で海外で売れる商品

まず競合が強いという前提に立った上で考えるべきことは彼らに対して強みを発揮できる部分はどこかということです。

それはやはり日本文化の活用でしょう。

海外に出たことがある人であればわかると思いますが海外の人の日本製品への信用は非常に厚いです。

ただ最近では家電分野では中国・韓国に勢いで負けているという事実も受け入れる必要があります。

アイドル文化でもアジアNo.1の称号は韓国に持って行かれています。

後発で世界で成功している部分に関しては見習うべき所だと思います。

では日本の強みと言える文化は何かというと

  1. 自動車・バイク(TOYOTA,HONDA,SUZUKI)
  2. オーディオ機器(SONY,Panasonic,YAMAHA)
  3. 楽器(YAMAHA,KAWAI,Roland)
  4. 洗剤などの消費財(花王、ライオン、小林製薬)
  5. 生理用品・紙おむつ(ユニチャーム、大王製紙)
  6. 調理器具(中小企業多数)
  7. インスタント食品(日清、サンヨー食品、エースコック)
  8. 健康食品(味の素、アサヒグループ、アイスター)
  9. お菓子(明治、森永、グリコ)
  10. 文具(ゼブラ、コクヨ、PILOT)

辺りが上がると思います。

他にも日本製が人気がある市場もありますが残りは自分で探してみてください。

探し方としてはGoogleキーワードツールで対象国を販売を行いたい国に絞り、日本のメーカー名やブランド名、あるいはmade in Japan,Japan importのような一般キーワードで検索ボリュームを見て探しましょう。

この先人が築いた日本製が強みを発揮している分野でOEMを行うことが海外OEMで成功するために必要なことです。

ちなみに中国人は日本文化の商品が売れることが分かっているので中国生産で日本っぽいものを作って海外で荒稼ぎしています。版権グレーなものもあるので素直に称賛は出来ませんが商才たくましいと思います。

ただ日本人としてはやはり日本人に日本文化が関係する商品を売って日本を盛り上げて欲しいという気持ちでいるのでノウハウを公開します。

また検索需要があってもECでの販売需要自体は少ないものや法律の問題で輸出が難しい商品も存在するので合わせて検討する必要があります。

海外OEMマーケティングのポイント

通常のOEMのやり方はすでに学んでいることを前提に日本向けの生産方法との違いについて考えるとポイントは以下のようになります。

  1. 専門性に特化する
  2. 海外向けサイトの作成・SNS運用を始める
  3. 運用を重視する

専門性に特化する

集客の基本はキーワード検索対策による集客になるためその検索需要に対しての最適解を示すことのできる分野にポジションニングする必要があります。

例えば世界で評判がいいと言われる日本の包丁を売ることを想定してみます。

まずは世界での検索需要を調べます。

googleキーワードツール検索結果

検索需要は十分あることがわかりました。しかし日本の包丁をすでに売っている競合は他に数多くいるはずです。

その際に自社の取り扱う商品が競合に対して発揮できる強みが検索需要があるかどうかを調べます。

この時検索ボリュームだけを見るのではなく実際に検索を行うことが大切です。

例えば月間で100 – 1Kの検索ボリュームを持つ”stainless steel steak knives”でアメリカのGoogleで検索すると以下のようにAmazon.comが一番上に表示されます。

Google.com

このように検索キーワードに対してAmazonのような大手サイトが上位に表示されるキーワードの場合はBtoC需要が強く集客対策をしてもコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。

Amazonより上位に表示することは不可能ではありませんがそれであればAmazon内での集客対策を頑張った方が効率がいいことが多いです。

ただし1番目が取れなくても1ページ目、特に3番以内に表示できれば十分見込み顧客は流れてくるのでAmazonのようなECサイトがあっても検索キーワード対策を行うべきケースも多いです。

同じく月間で100 – 1Kの検索ボリュームを持つ”japanese gyuto”というキーワードでアメリカのGoogleで検索した結果が以下の通りです。

アメリカGoogle Chef's_Knife

牛刀はもともと塊の肉を小さく切るために作られたもので三徳包丁に比べると刃が長く幅が狭く筋などの切りにくいものを切るのにも優れています。

一般家庭向けのBtoC需要ではなく専門家(料理人)の為のBtoB需要となります。

そのためAmazonが一番上に表示されずに専門ECショップが上位に表示されています。

このような分野で強みを発揮できる商材であれば海外マーケティングで海外に商品を売っていくことが可能になります。

BtoCの商品は日本でなければ手に入らないものでない限りは海外への直販の難度は非常に高いですがBtoB向けの商材であれば情報を発信して世界のマーケットでの比較優位性を示すことが出来れば海外需要を取り込むことができます。

海外向けサイトの作成・SNS運用を始める

日本メーカーは商品作りにお金をかけるところが多いですが世界の潮流は集客→商品作りです。

そしてアメリカや中国ではWebサイトによる集客はもちろん動画やSNSの活用が日本より遥かに進んでいます。

AmazonなどのECサイトで販売する場合EC内の集客は当然として外部メディアからの集客が出来ないと販売数で負けて上位表示が難しくなってしまいます。

そこで

  1. 自社でローカライズを含め集客対策
  2. 海外マーケティング会社に依頼

のどちらかの選択を取ることになりますが自社で出来ている所はほぼありません。ローカル言語でのサイト構築をすればいいだけではなく集客方法もローカライズする必要があることがその要因と考えられます。自社のコンテンツを翻訳するだけではほぼ効果がありません。

またSNS集客と一口に言っても日本ではTwitterがわりと人気ですがアメリカではfacebookの方が遥かに人気で、他にも日本ではあまり人気はありませんがSnapchatを使っている人が多かったりと国により違いがあるので例えば英語が得意な人が社内にいるとしてTwitterで情報発信を行なってもアメリカ向けの施作としてはズレている手法を使ってしまっていることになります。

私が自社で取り組んでいて実際に費用対効果が高いと思う海外集客対策はInstagramとYoutubeです。

やはり両方ともビジュアルに訴えかけることが出来るというのが大きいですね。

もちろん重要のある検索ニーズを調べる部分では少し工夫が必要ですが国内のマーケティング手法と同じ戦略で進めましたがフォロワー数を大きく伸ばすことに成功しています。

そのためこの部分に関しては海外マーケティング会社を頼らず内製化出来る部分だと思います。

それ以外のローカルで流行っているようなSNS対策は海外マーケティング会社や現地のパートナー会社に任せるのがおすすめです。

運用を重視する

海外向けサイトを作る、海外向けにデザインを変える、翻訳記事を用意する、商品を海外向けに開発すると言ったことはもちろん大切なことですがお客さんを引きつけることが出来なければそれらは無意味に終わってしまいます。

集客で大切なのは”継続した情報発信”でありコンテンツ作りに最初に一気にお金をかけてもその後の運用を疎かにすると効果は出ません。

これはサイト運営でもSNS運用でもYoutube集客でも共通したことです。

海外向けの0→1は当然大切なことでその後PDCAを回して1→100にしていかなければ世界の何処かにいるお客さんの目に触れることはなく存在していないのと同じになってしまい反応を得ることは出来ません。

海外マーケティングの方法まとめ

  1. 商材が海外販売に向いているか見極める
  2. 専門性に特化する
  3. 商材が向いている販路・集客方法を理解する
  4. 運用を重視する

今回紹介したのはあくまで世の中の需要に合わせた商品作り・集客を前提としたマーケットインの手法になります。

いつの時代もイノベーションはプロダクトアウト・コンセプトアウトから生まれていきイノベーションが需要・市場自体を作り出こともありますが私は誰でも努力すれば届くという再現性を重視しています。

特に日本の企業は技術力が高いのに伝え方・届け方が上手くないせいで実力が正しく評価されていないことを非常にもったいないことだと思っていますが世界の需要とうまく繋げるだけで売上が大きく伸びた事例もいくつも見てきているのでぜひチャレンジしてみていただければと思います。

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