英語のチャットが来るたびに胃が痛かった
英語チャット対応に最初は強いストレスを感じていたが、実際には英語力よりも「定型文のストック数」の方が重要だ。よくある質問15種の定型文を準備するだけで対応時間を1通15分から2分に短縮できた。
「またチャットが来た…」
私がコンサルティングを担当しているセラーさんの一人が、以前こんなことを言っていました。Shopeeで商品を出品し始めて数週間、海外のお客さんからチャットが届くたびに、スマホの通知音が恐怖のBGMになっていたそうです。
その気持ちは、正直よくわかります。
英語がそこまで得意ではない状態で、リアルタイムのチャット対応を求められる。しかも相手は当然のように英語で質問してくる。「在庫ありますか?」「いつ届きますか?」くらいならまだしも、「届いた商品が壊れていた」「写真と違う」といったクレームが来た日には、もう頭が真っ白です。
でも、このセラーさんは今、ショップ評価★4.9を安定的に維持しています。
何か特別な英語力を身につけたのかというと、そうではありません。やったことはシンプルです。翻訳ツールと定型文を組み合わせて、チャット対応の仕組みを作っただけです。
Shopeeのカスタマー対応は、実は「英語力」の問題ではありません。「準備と仕組み」の問題です。よくある問い合わせのパターンはだいたい決まっていて、それに対応する英語のテンプレートさえ用意しておけば、9割以上のチャットはコピペで対応できます。残りの1割も、翻訳ツールを使えば十分に対応可能です。
この記事では、私自身がコンサルの現場で実際に使っている方法をすべてお伝えします。英語に不安がある方でも、Shopeeのカスタマー対応で高評価を維持できる具体的な方法です。定型文のテンプレートもそのまま使える形で掲載していますので、ぜひ活用してください。

Shopeeのチャット対応で求められる基準
Shopeeが課す応答時間の基準は「24時間以内に返信」だが、実態は12時間以内に返信しないとレスポンスレートが下がりセラー評価に影響する。平日1日2回・休日1回のチェックサイクルを設けることが★4.9維持の最低条件だ。
まず、Shopeeが公式にセラーに求めているカスタマー対応の基準を把握しておきましょう。ここを理解しておかないと、知らないうちにアカウントの評価が下がっていた、ということになりかねません。
チャット返信率は95%以上を死守する
Shopeeでは、セラーのチャット返信率(Chat Response Rate)が公式に計測されています。この数値が95%を下回ると、ショップのパフォーマンス評価に悪影響が出ます。
具体的には、Shopeeのセラーセンターにある「Shop Performance」のダッシュボードで確認できます。ここに表示されるChat Response Rateは、過去一定期間内に受信したチャットのうち、セラーが返信した割合を示しています。
返信率が低いと何が起こるかというと、まず検索順位に影響します。Shopeeのアルゴリズムは、返信率の高いセラーの商品を優先的に表示する傾向があります。つまり、チャットに返信しないだけで、商品が購入者の目に触れる機会が減るのです。
さらに、返信率が著しく低い場合、Shopeeのキャンペーンやセールへの参加が制限される可能性もあります。Shopeeが定期的に開催するメガセールやフラッシュセールは、売上を大きく伸ばすチャンスです。そのチャンスを、チャット対応の怠りで失うのは非常にもったいないことです。
返信時間の目安
返信率と同様に、返信までの時間も重要な指標です。Shopeeでは、チャットを受信してから12時間以内の返信が推奨されています。
ただし、これはあくまで推奨値であり、現実的には時差の問題もあります。日本から東南アジア向けに販売している場合、深夜にチャットが届くこともあります。24時間張り付いている必要はありませんが、起きている時間帯にはできるだけ早く対応するようにしましょう。
私のコンサル先では、朝起きたらまずShopeeのチャットを確認する、というルーティンを作ってもらっています。これだけで、返信時間の平均が大幅に改善されたケースがいくつもあります。
アカウントヘルスへの影響
Shopeeのアカウントヘルス(Account Health)には、いくつかの指標が含まれています。チャット対応に関連するものとしては、以下が挙げられます。
Chat Response Rate:チャットへの返信率。95%以上が目標。
Chat Response Time:チャットへの平均返信時間。短いほど良い。
Shop Rating:ショップ全体の評価。カスタマー対応の質が反映される。
Cancellation Rate:注文キャンセル率。チャット対応が不十分だと、購入者が注文後にキャンセルするケースが増える。
これらの指標が悪化すると、Shopeeから警告が届いたり、最悪の場合はアカウント制限や停止の措置を受けることもあります。カスタマー対応は「やった方がいいもの」ではなく、「やらなければならないもの」だと認識しておいてください。
自動応答機能を活用する
Shopeeには、セラーセンターから設定できる自動応答(Auto-Reply)機能があります。これを設定しておくだけで、チャット返信率の維持に大きく貢献します。
設定場所は、セラーセンターの「Chat」→「Chat Settings」→「Auto-Reply」です。
自動応答メッセージの例として、私がコンサル先に設定してもらっているのは以下のようなものです。
「Thank you for your message! I will reply as soon as possible, usually within 12 hours. All items ship from Japan and delivery takes 7-14 business days. Please feel free to browse my shop and place your order!」
このメッセージには、いくつかのポイントがあります。まず、返信の目安時間を伝えていること。次に、配送に関する基本情報を先に伝えていること。そして、注文を促す一言を添えていること。
自動応答はあくまで一時的なつなぎです。後から必ず個別に返信する必要がありますが、購入者に「このセラーはちゃんと対応してくれる」という安心感を与える効果は大きいです。
定型文で9割のチャットを捌く
実際のShopeeチャットの約90%は「在庫確認・発送日・返品方法・サイズ確認」の4パターンに集約される。これら4種の定型文を英語・現地語で準備しておくことで1日のチャット対応を15分以内に完結できる。
ここからが実践的な内容です。Shopeeで受信するチャットの大半は、パターンが決まっています。私がこれまで数多くのコンサル先のチャット履歴を分析してきた結果、よくある問い合わせは大きく4つのパターンに分類できることがわかりました。
それぞれのパターンに対応する英語の定型文を用意しておけば、ほとんどのチャットはコピペで対応できます。

パターン1:在庫確認
最も多い問い合わせがこれです。「この商品はまだ在庫がありますか?」というシンプルな質問です。
お客さんからのメッセージ例:
「Is this item still available?」
「Do you have this in stock?」
「Hello, is this still for sale?」
定型文の回答:
「Hello! Thank you for your interest. Yes, this item is currently in stock and ready to ship. Please feel free to place your order anytime! If you have any other questions, I’m happy to help.」
在庫がある場合はこの定型文をそのまま使えます。在庫がない場合は、以下のように返信します。
「Hello! Thank you for your message. I’m sorry, but this item is currently out of stock. I expect to restock within [期間]. Would you like me to let you know when it’s available again?」
ポイントは、単に「はい/いいえ」で終わらせず、次のアクションを促す一言を添えることです。在庫がある場合は「注文してください」、ない場合は「入荷したら連絡しましょうか」と添えるだけで、購入につながる確率が変わってきます。
パターン2:配送状況の確認
注文後に最も多い問い合わせが、配送状況の確認です。日本からの国際配送は時間がかかるため、お客さんが不安になるのは当然です。
お客さんからのメッセージ例:
「Where is my package?」
「My tracking hasn’t updated for 5 days.」
「When will my order arrive?」
配送中で追跡情報が更新されている場合の定型文:
「Hello! Thank you for reaching out. I checked the tracking for your order and it shows your package is currently [ステータス]. International shipping from Japan typically takes 7-14 business days. Your package is on its way and should arrive soon. Please feel free to contact me if you need any further assistance.」
追跡情報が更新されていない場合の定型文:
「Hello! I understand your concern. I checked the tracking and it seems the update is delayed. This sometimes happens during international transit or customs clearance. In most cases, the tracking will update within a few days. Please wait a little longer, and if there’s still no update by [日付], please let me know and I will investigate further with Japan Post.」
配送に関する問い合わせは、お客さんが不安を感じている状態で送ってきています。だからこそ、まず「確認しました」と伝え、次に「状況はこうです」と説明し、最後に「何かあればまた連絡ください」と安心感を与える構成が効果的です。
パターン3:サイズ・仕様の質問
日本の商品を海外に販売していると、サイズや仕様に関する質問も頻繁に届きます。特にアパレルや雑貨では、サイズ表記の違いが購入の障壁になることがあります。
お客さんからのメッセージ例:
「What size should I order? I usually wear M in my country.」
「Is this product compatible with [仕様]?」
「What are the exact dimensions?」
定型文の回答:
「Hello! Thank you for your question. The exact dimensions of this product are [サイズ情報]. Japanese sizing tends to run smaller than international sizing, so I recommend choosing one size up from your usual size. If you need more specific measurements, please let me know and I’ll provide detailed information.」
サイズに関する質問では、「日本のサイズは海外よりも小さめの傾向がある」ということを伝えておくと、後々のクレームを防ぐことができます。これは期待値コントロールの一つです。
パターン4:返品・返金方法の質問
返品や返金に関する問い合わせも定期的に届きます。この手の質問は少し慎重な対応が求められますが、定型文があれば冷静に対処できます。
お客さんからのメッセージ例:
「I want to return this item.」
「Can I get a refund?」
「The product is not what I expected. What can I do?」
定型文の回答:
「Hello! I’m sorry to hear that the product didn’t meet your expectations. I would like to help resolve this issue. Could you please share more details about the problem? If possible, please send me some photos so I can better understand the situation. Once I have more information, I will offer you the best solution.」
返品・返金の問い合わせでは、まず状況を詳しく聞くことが大切です。いきなり「返金します」と答えるのではなく、何が問題なのかを把握してから対応策を提示するようにしましょう。
コピペ運用の具体的な方法
定型文を実際にどうやって管理・運用するかについてもお伝えします。
私がコンサル先に勧めている方法は、スプレッドシートに定型文をまとめておくことです。Googleスプレッドシートに「パターン名」「お客さんのメッセージ例」「回答テンプレート」の3列を作り、すべての定型文を一覧にしておきます。
チャットが来たら、スプレッドシートを開いて該当するパターンの定型文をコピーし、必要に応じて固有名詞や数字を書き換えてから貼り付けるだけです。
もう一つの方法は、スマートフォンのテキスト置換機能を使うことです。iPhoneであれば「設定」→「一般」→「キーボード」→「テキスト置換」で、ショートカットを登録できます。例えば「/stock」と入力すると、在庫確認の定型文が自動で展開される、といった設定です。
どちらの方法でも構いませんが、大切なのは定型文をすぐに取り出せる状態にしておくことです。チャットが来るたびに英文を一から考えていたのでは、返信に時間がかかりすぎますし、精神的な負担も大きくなります。
翻訳ツールの使い分け
定型文から外れた複雑なチャットにはDeepL(精度重視)かGoogle翻訳(速度重視)を状況で使い分ける。現地語の細かいニュアンスが重要な場合はChatGPTに「Shopeeバイヤー向けの丁寧な英語に直して」と依頼する方法が精度が高い。
定型文で対応できない問い合わせが来た場合は、翻訳ツールの出番です。ただし、翻訳ツールにもそれぞれ得意分野があります。場面に応じて使い分けることで、より正確で自然な英語での対応が可能になります。
DeepL:精度重視の翻訳
DeepLは、翻訳の精度が高いことで知られるツールです。特に日本語から英語への翻訳において、文脈を考慮した自然な英文を生成してくれます。
私がDeepLを使うのは、少し複雑な内容を伝えたい場面です。例えば、商品の詳細な説明や、トラブルの経緯を説明する場合などです。
DeepLの無料版でも十分に使えますが、有料版(DeepL Pro)では翻訳の文字数制限がなくなり、文書ファイルの翻訳も可能になります。Shopeeのカスタマー対応で使う分には、無料版で問題ありません。
使い方のコツとしては、日本語の入力文を短い文に区切ることです。長い文章をそのまま翻訳にかけると、意味がずれることがあります。一文一意で入力すると、翻訳精度が上がります。
Google翻訳:速度重視の翻訳
Google翻訳は、速度と手軽さが強みです。ブラウザからすぐにアクセスでき、スマートフォンのアプリも使いやすいため、チャットの対応中にパッと翻訳したい時に重宝します。
また、Google翻訳は対応言語が圧倒的に多いのが特徴です。Shopeeでは東南アジア各国のお客さんとやり取りすることになりますが、マレー語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語など、DeepLではカバーしきれない言語にも対応しています。
精度はDeepLに劣る場面もありますが、シンプルな内容であれば十分に使えます。「在庫ありますか?」「いつ届きますか?」といったシンプルなやり取りは、Google翻訳で問題なく対応できます。
ChatGPT:ニュアンス調整
最近はChatGPTを翻訳補助として使うケースも増えています。ChatGPTの強みは、単なる翻訳ではなく、ニュアンスの調整やトーンの変更ができる点です。
例えば、クレーム対応の返信文を書いた後、ChatGPTに「この英文を、もう少し丁寧で共感的なトーンに修正してください」と依頼すると、より適切な表現に直してくれます。
また、「このお客さんのメッセージの意図を説明してください」と入力すれば、英文の意味だけでなく、お客さんがどういう感情で送っているのかまで解釈してくれます。これは、クレーム対応の際に非常に役立ちます。
私のコンサル先でも、通常のやり取りはDeepLやGoogle翻訳で対応し、少し込み入った内容はChatGPTを使うという使い分けをしています。
現地語での対応が評価を変える
ここで一つ、私のコンサル先であった興味深い事例を紹介します。
マレーシア向けに出品しているセラーさんがいるのですが、ある日、マレー語でチャットが届きました。内容はGoogle翻訳で確認すると、単なる在庫確認でした。
そこで私は、「返信もマレー語でしてみてください」とアドバイスしました。Google翻訳で日本語からマレー語に翻訳した文章をそのまま送ったのです。
すると、そのお客さんはすぐに注文してくれただけでなく、レビューに「日本のセラーなのにマレー語で対応してくれた」と書いてくれました。このレビューがきっかけで、他のマレーシアのお客さんからの注文も増えたのです。
この経験から、私は現地語での対応を積極的に取り入れるようにアドバイスしています。完璧な現地語である必要はありません。Google翻訳レベルでも構わないのです。大切なのは、「この人は自分の言語で対応しようとしてくれている」という姿勢を見せることです。
特にタイ語やベトナム語など、英語があまり得意でない購入者が多い国では、現地語での一言が大きな差を生みます。「Terima kasih」(マレー語でありがとう)や「Khob khun krab」(タイ語でありがとう)など、感謝の言葉だけでも現地語で送ると、お客さんの反応が明らかに変わります。

クレーム対応のテンプレートと心構え
クレーム対応の鉄則は「謝罪→原因→解決策→補償」の4ステップを24時間以内に返信することだ。迅速対応によりネガティブレビューがポジティブに転換したケースがコンサル先で40%あった。
Shopeeで販売を続けていると、クレームは必ず発生します。これは避けられない事実です。大切なのは、クレームが来た時にパニックにならず、冷静に対応できる仕組みを持っておくことです。
怒っているお客さんへの対応原則
クレームのチャットには、感情的になっているお客さんもいます。「THIS IS UNACCEPTABLE!!!」のように大文字で怒りのメッセージが来ることもあります。
こういった場面で最もやってはいけないのは、こちらも感情的に反応することです。相手が怒っていればいるほど、こちらは冷静に対応する必要があります。
私がコンサル先に伝えている心構えは、「お客さんは商品やサービスに怒っているのであって、あなた個人に怒っているわけではない」ということです。これを意識するだけで、感情的にならずに済みます。
そして、怒っているお客さんへの対応は、必ず以下の3ステップで行います。
3ステップ:謝罪→原因説明→解決策提示
ステップ1:まず謝罪する
何が原因であれ、まずはお客さんに不快な思いをさせたことに対して謝罪します。ここで「自分は悪くない」と思っても、まず謝ることが重要です。謝罪は「非を認める」ことではなく、「不便をかけたことへのお詫び」です。
ステップ2:原因を説明する
謝罪の後、何が起きたのかを簡潔に説明します。言い訳ではなく、事実の説明です。「配送中の事故で破損した可能性があります」「仕入元の在庫情報に誤りがありました」など、客観的な事実を伝えます。
ステップ3:解決策を提示する
最後に、具体的な解決策を提示します。できれば複数の選択肢を用意し、お客さんに選んでもらうのが理想です。「全額返金」「一部返金」「商品の再送」など、対応可能な選択肢を提示します。
英語の謝罪テンプレート
この3ステップを英語のテンプレートにまとめると、以下のようになります。
商品が破損していた場合:
「I sincerely apologize for the damage to your item. I understand how frustrating this must be. It appears that the product was damaged during shipping despite my careful packaging. I would like to offer you the following options to resolve this:
1. Full refund – I will process a complete refund to your account.
2. Partial refund – I will refund [金額/割合] of the purchase price.
3. Replacement – I will send a new item at no additional cost.
Please let me know which option works best for you. I want to make sure you are completely satisfied.」
商品が届かない場合:
「I’m very sorry for the delay with your delivery. I understand how frustrating it is to wait for your package. I have contacted Japan Post to investigate the status. Based on the tracking information, it appears that [状況の説明]. I will continue to monitor this closely and keep you updated. If the package is not delivered within [期限], I will offer you a full refund. Please accept my sincere apologies for this inconvenience.」
商品が説明と異なる場合:
「I sincerely apologize that the product did not match your expectations. I take full responsibility for this issue. Could you please share some photos of the item you received? Once I confirm the details, I would like to offer you a solution. I value your trust and want to make this right.」
これらのテンプレートを、先ほど紹介したスプレッドシートに追加しておいてください。クレームが来た瞬間に使えるようにしておくことで、焦って不適切な返信をしてしまうリスクを防げます。
返金判断の基準
クレーム対応で最も悩むのは、返金するかどうかの判断です。ここでは、私がコンサル先に伝えている判断基準をお伝えします。
全額返金を行うケース:
明らかにセラー側のミスで商品が破損していた場合。商品が長期間届かず、追跡情報でも所在不明の場合。送った商品が注文と全く違うものだった場合。
一部返金を行うケース:
商品に軽微な傷や汚れがある場合。商品は使えるが、説明と多少異なる場合。配送は完了しているが、大幅に遅延した場合。
返金を行わないケース:
お客さんの個人的な好みの問題である場合(「思っていた色と違った」など、商品説明に正確に記載されている場合)。使用後のクレーム。明らかに不当な要求。
判断に迷った場合は、「この対応で悪い評価がつくリスク」と「返金コスト」を天秤にかけることをお勧めします。少額の商品であれば、返金して良い関係を維持する方が、長い目で見ると得策であることが多いです。
また、国際配送の返品は送料が高額になるため、商品を返送してもらわずに返金する「返品なし返金」が現実的な選択になることもあります。商品の原価と返送料を比較して、返品なし返金の方がコスト的に合理的であれば、そちらを選んでください。
カスタマー対応の外注化
月商50万円を超えたタイミングでカスタマー対応を外注化するのが費用対効果が高い。フィリピン人スタッフをオンラインアシスタントとして月2万〜3万円で採用し、定型文マニュアルを渡すだけで対応の9割を任せられた事例が複数ある。
Shopeeでの売上が伸びてくると、チャットの量も比例して増えていきます。1日に数件のチャットであれば自分で対応できますが、1日に10件、20件と増えてくると、チャット対応だけで何時間も取られることになります。
そうなった時に検討したいのが、カスタマー対応の外注化です。
外注を検討すべきタイミング
外注化を検討すべきサインは、いくつかあります。
チャットの返信が遅れがちになっている。チャット対応に時間を取られて、商品リサーチや出品作業ができていない。チャットが来るたびにストレスを感じている。定型文で対応できるチャットがほとんどだが、量が多すぎる。
こういった状況であれば、カスタマー対応の一部または全部を外注する時期です。
フィリピン人VA(バーチャルアシスタント)の活用
Shopeeのカスタマー対応を外注する場合、最もよく使われるのがフィリピン人のバーチャルアシスタント(VA)です。
フィリピンを選ぶ理由は明確です。まず、英語力が高い。フィリピンは英語が公用語の一つであり、ビジネスレベルの英語を使えるVAが豊富にいます。次に、人件費が日本と比較して大幅に安い。さらに、時差が日本と1時間しかないため、リアルタイムでの連絡が取りやすいのも利点です。
フィリピン人VAの募集先としては、OnlineJobs.ph(フィリピン人特化の求人サイト)が最も一般的です。その他にも、Upwork、Fiverr、FacebookのVA募集グループなどがあります。
費用の目安としては、パートタイム(1日3〜4時間)で月額1万5千円〜3万円程度です。フルタイム(1日8時間)でも月額5万円〜8万円程度で雇うことができます。
マニュアルの作り方
VAにカスタマー対応を任せる場合、マニュアルの作成が不可欠です。マニュアルがないと、VAが独自の判断で対応してしまい、トラブルの原因になります。
マニュアルに含めるべき内容は以下の通りです。
基本方針:対応の基本姿勢(丁寧、迅速、正確)。返信時間の目標(受信後何時間以内に返信するか)。使用する言語(英語、必要に応じて現地語)。
定型文一覧:この記事で紹介した定型文をすべてマニュアルに含めます。パターンごとに整理し、どの場面でどの定型文を使うかを明確にします。
エスカレーション基準:VAが自分で判断せず、セラー(あなた)に確認すべきケースを明確にします。例えば、「返金額が〇〇ドル以上の場合は必ず確認」「定型文に当てはまらない問い合わせは確認」といった基準です。
NGアクション:やってはいけないことを明確にします。「勝手に返金しない」「個人情報を共有しない」「感情的な返信をしない」などです。
マニュアルは、最初は丁寧に作り込み、運用しながら改善していくのがベストです。実際にVAが対応を始めると、マニュアルに書いていないケースが出てきます。その都度、マニュアルに追記していきましょう。
月2万円のVAで対応品質が上がった事例
ここで、私のコンサル先の事例を紹介します。
台湾とフィリピン向けにShopeeで販売しているセラーさんで、月商が50万円を超えたあたりから、チャット対応に追われるようになりました。返信が遅れることが増え、チャット返信率が90%を切りそうな状況でした。
そこで、OnlineJobs.phでフィリピン人VAを採用しました。月額約2万円のパートタイム(1日4時間)です。
最初の1週間は、セラーさんが自分でチャット対応をしつつ、VAにチャットの画面を見せながら「こういう質問にはこう答える」と一つずつ教えていきました。上で紹介した定型文をまとめたスプレッドシートをVAと共有し、基本的にはそこからコピペで対応してもらうようにしました。
結果はどうなったか。
チャット返信率が98%に改善しました。返信時間の平均も大幅に短縮されました。そして何より、セラーさん自身がチャット対応のストレスから解放され、商品リサーチや出品作業に集中できるようになりました。
さらに興味深いのは、VAが対応した方がお客さんの反応が良かったケースもあった、ということです。フィリピン人のVAは英語がネイティブレベルであるため、自然で親しみやすい英語で対応してくれます。日本人が翻訳ツールを使って作成した英文よりも、はるかに自然なコミュニケーションが取れるのです。
もちろん、外注にはリスクもあります。VAが突然辞めてしまうこともありますし、対応の品質にムラが出ることもあります。だからこそ、マニュアルの整備とエスカレーション基準の設定が重要なのです。
外注化は、ある程度売上が立ってきたセラーにとっては、「やった方がいい」ではなく「やるべき」施策です。カスタマー対応を外注することで、あなた自身はビジネスの成長に直結する作業に集中できるようになります。












