安定して利益を出すには卸を取る必要がある、その中でも特に独占卸契約を取れれば尚良い、という事実は広く知られています。
しかし具体的にどのような企業にアプローチすればいいかはもちろん、そのような企業を見つける再現性のある方法というのは一般に全く知られていません。
実際コネや偶然で独占卸を取れているだけの人もいますし再現性を持って何社とも独占卸契約を取っている人もいます。
この”独占卸の取り方”の情報提供をコンサルティングの主軸にしている人も多いようなので情報を公開するかどうか少し迷ったのですが思い切って公開することにしました。
卸交渉・メーカー仕入れ交渉をどこで行うべきか?
仕入れ交渉は大きく分けて
- 展示会での直接交渉
- 電話・メール交渉
の2種類があります。
展示会での交渉方法は別の機会に扱うので電話交渉とメール交渉について見ていきたいと思います。
まず電話交渉とメール交渉どちらをするべきかについてですが成約率でいうと電話交渉>メール交渉です。
電話交渉はメーカーのHPなどから電話番号を見つけて行います。
当たり前の話ですが電話は携帯電話より固定電話の方が印象がいいです。
交渉内容としては日本の貿易会社のセールス担当で相手方の商品の仕入れに興味があることを伝え
- 仕入れたい商品名
- 購入予定ロット数別の購入価格
を聞きましょう。
購入予定ロット数別の購入価格というのは1個だったらいくら、1カートンだったら1いくら、10カートンだったらいくら、50カートンだったらいくらと言った感じです。
またレスポンスが良ければ一定以上の購入数により半年間の独占販売権をもらえないか聞きましょう。
英語ができない方はクラウドワークスなどのアウトソーシングサイトで仕事を請け負ってくれる人を見つけましょう。
電話1件200円が相場、メールはテンプレートを使いまわしてもいいですが依頼するなら1件100円が相場です。
これに加えて成約報酬をインセンティブとして用意すると優秀な外注さんが応募してくれやすくなります。
メール交渉の場合はgmailなどのフリーアドレスを使うのではなくビジネスメール用の独自ドメインを取得して
使うようになりましょう。
交渉時間としてはどちらも現地時間の平日午前10~12時がおすすめです。
海外での卸担当者は午前中に取引先を決め午後は別の仕事をしている事が多いためです。
件名としてはInquiry about your 〇〇(商品名)と書くのが一般的です。
HelloやInquiryだけでは読まれづらくなるので注意しましょう。
ちなみに私はOrder for 〇〇(商品名)にすることが多いです。
あまり広まるとよくないテクニックですが担当者が注文情報を見逃すことは出来ないので開封率が高まります。
実際はOrderではなくOfferですが特に問題が起きたことはありません。
またよくテクニックであるUrgent:やImportant:を付けるのはおすすめしません。
理由は言うまでもなくスパムに間違われやすいのと急かしている印象で印象がよくないためです。
もちろん取引中にメールを送ってもしばらく返信が返ってこない場合は上記のテクニックを使っても大丈夫です。
交渉文としては文頭に「ご担当者様へ」を示すTo whom it may concern:という文章を入れるのが一般的ではありますが事前にHPなどから担当者の名前を調べてTo Mr./Ms. 〇〇と書くのがベストです。
私が使っている文章をそのまま書くことは出来ないので一般的なメール交渉の英文をここでは紹介します。
To whom it may concern:
Hello, I am a sales manager of a Japanese Company.
I am interested in buying your 〇〇(商品名)
If I purchase a lot of products,
could you consider giving us a discounted price?
I would appreciate you if you could tell me the price when I buy a carton / 10cartons/50 cartons.
Best Regards,
——————————————————
ここには担当者名や会社名、
住所、電話番号、HPのURL等を記入
——————————————————
最後のBest Regardsは日本語で言う所の「敬具」に当たる言葉ですが一般的に使われすぎている印象なので
私はKind Regards,を使っています。
ヨーロッパ系の企業は相手もKind Regardsを使ってくる所が多い印象です。
ちなみにアパレルなどの場合はカートン買いじゃないので言い方は適宜変えてください。
私が使っているテクニックを少しだけ紹介すると自己紹介の部分で日本の貿易会社であることを伝えた上で
Let us explain our current position in Japan.
と書いた上で日本市場で相手先が自分の会社を通して売ることでメリットがあることを説明しています。
ここは人によって強みが違うと思いますので割愛します。
海外の担当者は長文メールなんか読まないから簡潔にまとめ買いするから安く売って欲しいと言う要件だけを伝えた方がいいと主張する方もいます。
しかし本場アメリカやイギリスでの交渉では相手にメリットがあることを提示することが重要とされています。
実際私はそこそこの長文メールを送っていますが比較的有名なメーカーの卸や独占契約をメールだけでバシバシ取ってきました。
現在はOEMと既存のメーカー数社との付き合いだけで足りているので積極的に交渉は行なっていませんがクライアントに直接指導した際現在も有効であることを確認しています。
メールは担当者に開いてもらい最初の3行程度を読んでスパムだと判断されなければその後も基本読んでもらえます。
担当者にスルーされたりメールを開いても相手に興味を持たれないケースが本当に多くて勿体無いので自己紹介は3~5行程度入れることをおすすめします。
独占卸についてのアプローチ
交渉の方法について見ていきましたが最も大切なのはどの商品に対して交渉をかけるかどうかです。
独占卸を取る商品について考えたいのは以下のことです。
日本のAmazonにカタログがある商品かどうか
独占卸の商品というと日本のAmazonにはカタログがないものをイメージする方が多いと思います。
確かに日本のAmazonにカタログがないブランドを輸入して新規ページを作り販売していく方法もあります。
しかしこれにはAmazon内外でのブランディング能力が必要とされます。
物販をやっていてこの能力を持っている人は非常に少ないです。
少ないにもかかわらず独占卸で成功している人が意外といる理由は明白です。
日本のAmazonにカタログがある商品を扱っているからです。
しかしここである疑問が生じるはずです。
日本のAmazonにカタログがあるならすでに他の誰かが卸を取っているんじゃないの?
という疑問です。
これは誰もが思うことだと思います。
そして実際に交渉を行うまでその商品が日本での独占販売権が誰かによって取得されているかどうかはわかりません。
しかし、独占販売権が取られていない商品を高確率で見つける方法があります。
それが”日本未発売”、”国名+輸入”などのキーワードを使う方法です。
日本のAmazonでこれらのキーワードを使って調べてみてください。
これらの商品は日本での需要が見込まれて販売されているもののそこまでメジャーになっていないものが多いのです。
日本でメジャーになっているものであれば“国名+日本未発売”というキーワードは無意味になってしまうので当然といえば当然です。
“国名+輸入”は少し確率が落ちるのですが日本に代理店がいないことがよくあります。
また”国名+直輸入”でも比較的見つけやすいです。
念のためですが“国名+並行輸入”という言葉で見つかる商品は確実に代理店がいるので総代理店を探している場合は使えないキーワードです。
普通の卸を探しているときは使えます。
有料ツールを使って時間を短縮して卸元候補を見つける方法
開発に携わっているアマトピアの商品リサーチ機能を活用して大幅に時間短縮して見つける方法を載せておきます。
- 日本のAWSキーと仕入れを行いたい国のAWSキーかMWSキーを用意
- キーワード検索で”国名+日本未発売”、”国名+直輸入”などで検索
- 日本と海外でASINが繋がっていない商品のメーカー名・ブランド名・型番等をマーク、リスト作成
- 通常の卸仕入れ同様交渉をする
独占卸を狙う場合は海外にしかない商品に対し交渉をかけていく必要があります。
ASINが繋がっていない商品はまとめて出力されるようになっていますがたまに繋がっていないだけで別のカタログがある場合もあります。
Amazonの中の人が手動で紐つけているので仕方ないことです。
リストを作成した後の電話交渉・メール交渉の流れは以下のページにまとめています。
なおアメリカよりもヨーロッパの方が未開拓の商品が多いので総代理店契約は取りやすいです。
いきなり取るのは難しいのでまずは普通の卸を取れるようになりましょう。
私は輸入ビジネスを始めて3ヶ月の時単身で展示会に行き独占卸を取りましたが意外と現地に行けばどうにかなったりもします。
次にこの展示会について説明したいと思います。
海外のAmazonに存在しない商品の卸を取る方法
この場合海外の展示会などが仕入れの主流になってきます。
なお海外のAmazonにも存在していない商品を日本で販売することももちろんできますがその場合は似た商品の需要をきちんと調べてからにしましょう。
何となくで仕入れて利益が出ても再現性がないので次に繋がりません。
仕入れたい商品に近い商品10種類くらいの月の販売数を取得しましょう。
卸で仕入れるくらいなのでランキングサイトで判別できる量ではないと思います。
その場合はAmazonのカートを使って販売数を調べましょう。
参照:Amazonの在庫数をチェックして販売数を予測する方法
海外展示会の情報
- 物流を極め小売販売の特性を活かし小売仕入れに集中
- 交渉力を手に入れライバルが取れない卸・独占卸を取って販売
- 集客力を身につけOEM・オリジナル販売
卸を取るやり方が全てではありませんので選択肢の幅を狭めないようにしてください。