中国OEMでの工場からの仕入れ方法(サンプルの発注から交渉・本発注・納品までの流れ)

中国OEMで工場に商品の作成を依頼する場合に気をつけたいポイント・交渉の方法をまとめました。

流れとしては

  1. 市場調査
  2. 商品リサーチ・販売数調査
  3. 競合調査

などを終えた後の

  1. 仕入れ交渉
  2. サンプル発注
  3. 改良依頼・要望
  4. 本発注
  5. 完成
  6. 検品
  7. アセンブリ(パッケージ組み立てなど)
  8. 発送

部分になります。

仕入れ交渉・MOQについて

仕入れ交渉ではMOQを下げられないかを契約書の取り決めについて話しましょう。

MOQ(最低発注量)は商品によって大きく異なるのでアパレルを例に出しますがある程度の規模の工場であればMOQは100です。

複数の生地が必要になるような場合はMOQは上がります。わかりやすく言えば1色だとMOQは100で3色だとMOQは300です。ただし縫製の複雑さなどで大きく変わるので都度工場に見積もりをお願いしましょう。

MOQを下げる方法はいくつかあります。

値段を上げる代わりにMOQを下げてもらう

MOQを80%にしてその代わりに商品の値段が10%アップという形で調整してもらうのが一つの方法です。ただし最初から値段を上げていいのでなどと言う必要はありません。

前金で払う

通常海外企業との取引では前金30%、後金70%あるいは前金50%、後金50%です。

前金70%あるいは全額前払いにすることでMOQを下げてもらえることが多いです。

全額前払いしか受け付けていない所は基本的には経営状態が良くないところが多いので基本的にはやめておきましょう。しかし初回はこちら側の与信が取れていないため全額前払いを求められることも多いです。その場合は2回目の取引から前金30%、後金70%あるいは前金50%、後金50%に持っていきましょう。

代行会社をはさむ

交渉に慣れている代行会社を挟むことで条件を有利に進めてくれます。ただし相手が規模の大きい工場であればMOQ100から下がらないこともあります。相手からすればMOQ100でいくらでも依頼が来ている中必死でMOQを下げようとしてくる企業を相手にするメリットはありません。

そのためMOQを下げたければ規模が小さい工場を相手にする必要がありますがその分商品クオリティが下がりやすいので個人的にはおすすめしません。

サンプルの発注

まず大前提として工場にOEM生産を依頼する場合は複数の工場にサンプルを発注しましょう。

慣れてくれば3工場位でもいいですが一番最初は5~7工場位は同時に依頼したほうがいいです。

商品クオリティについて

商品クオリティの決め方に関しては以下の方法があります。

見本売買(Sale by Sample)

サンプル通りの品質で製品を納めるという、もっとも一般的な取り決めです。サンプル通りでなかった場合は契約違反になります。中国輸入OEMではこの方法を用いることが多くなりますが何も知らない人はそもそも商品クオリティの取り決めについて何も交わしていないことが多くサンプルと比べ質が低い商品が届いても泣きを見てしまうので必ず契約書を交わすようにしましょう。

規格売買(Sale by Grade or Type)

国際標準化機構(ISO)や日本工業規格(JIS)などの規格をもとに品質を決める方法で、工業製品などに多く用いられます。

銘柄売買(Sale by Trademark or Brand)

商標や銘柄(ブランド)を品質の基準とするもので、世界的に知られている有名ブランドの取引などに可能な条件です。

標準品売買 (Sale by Standard)

農作物や水産物、木材など、見本と実際の商品との一致が難しいものの取引に適用されます。商品の「標準」を当事者双方で取り決め、標準からずれていた場合は取引価格を調整します。

仕様書売買(Sale by Specification)

機械類などの取引に多く使われる条件で、図面などの仕様書をもとに品質を取り決める方法です。

改良依頼・要望を伝える

複数の工場にサンプルの作成を依頼している場合は選定を行い、さらに要望がある場合は要望を伝えましょう。

本発注

めでたく本発注です。発注中はAmazonでの販売戦略を立てたりページの作成、広告の設定、レビュー施策の準備、他の商品のリサーチなどを進めましょう。

完成・納期について

季節性の商品であれば納期遅れは致命的になるので事前に契約書条件を盛り込みましょう。

具体的には納期遅2週間以上の場合は商品代金を7割で買い取る、などです。

ただし債務不履行があっても相手が中国の企業であれば中国の弁護士を雇う必要があり詰めすぎても音信不通になったりいい結果を生まないので相手にとって極端に不利な契約書を作ることはやめておきましょう。

商品が完成した後は代行会社へ送り検品を行ってもらいます。

検品・代行会社

ここまでお伝えしたことはAlibaba.comで見つけたような工場であれば英語でやり取りすることも可能ですが1688.comでは中国語でやりとりする必要があります。

多少中国語が出来る程度では民族の差を埋めることは出来ません。中国人は基本的に初見の日本人のお客さんに厳しいです。

ネットで副業で中国OEMが稼げるらしいといった情報だけで参入して散々質問してきて小ロットでの発注を頼んでリピート発注がない日本人が多いのは確かなので工場側の気持ちも分かります。

そのため間に入って交渉してくれる人がいる代行会社の利用はほぼ必須です。ただ商品を送るだけならDHLやFEDEX、OCSなどで送ればいいだけですが交渉・検品の手間を考えれば特に代行会社を利用したほうがいいでしょう。

私の会社は代行会社を利用していますが私の会社より売上規模が少なくても自社で物流を組んでいる会社もあれば、私の会社よりはるかに売上が大きい売上100億円規模の会社でも代行会社を使っている所もあります。

この辺りは考え方の違いによるものだと思いますがいわゆる”代行会社”と言わないだけで結局は外部のフォワーダーや物流会社に依頼している会社が9割近くです。

またこの段階で代行会社側にモデル付きで商品写真を撮ってももらえる場合は商品到着前に商品ページを用意できるのでかなり差が出てきます。

用意できない場合は日本に届いてから自分で撮影するか撮影会社に依頼することになります。

アセンブリ(組み立て)

パッケージは通常製品の工場とは別のパッケージ専門の工場に依頼することになります。なぜなら通常工場は特定の商品を作ることには長けていますがそれ以外は苦手な場合が多いためです。デフォルトで選択できるパッケージははっきり言ってダサいものが多いです。

だからこそここで一工夫出来る人は差をつけることが可能です。

発送・倉庫納入

発送はスピードにもよりますが基本は船便を選択しましょう。早く届ける必要がある場合は航空便で、軽くて小さなものも航空便でそれ以外は船便で送るのが基本です。

納入はAmazon FBAの倉庫にダイレクトで入れるかロジモプロのような日本の倉庫業者の元に一度送り納品してもらいましょう。質の高い代行会社を使っている限りは直接納品でOKです。

Amazonに直接入れると関税を取られやすいから直接入れないと言う人が増えていますがそれは多くの場合はアンダーバリューという不正行為をしているためなのでそのような理由で直接納品を避けるのはやめましょう。

しかしAmazonに直接送るときはインボイスに販売価格の3割の商品代金がかかれていないと通関しないという謎のルールが出来てからは困ることも出てきました。

アンダーバリューをしている業者対策なのでしょうが中国からの輸入では仕入原価で3割に満たない商品を仕入れることも全然あるのでそれを一律で3割にしないと通関しないというのは横暴だと思います。仕入原価が安い人は一回日本の倉庫を挟まないと通関時に止まりやすくなるので気を付けましょう。

中国OEMでの工場からの仕入れ方法(サンプルの発注から交渉・本発注の流れ)まとめ

この記事を見ればサンプルの発注から納品までの流れが分かったかと思います。

後はPDCAサイクルを回して少しずつそれぞれの工程をブラッシュアップしていくだけです。
一歩ずつ進んでいきましょう。

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