海外の展示会に自社の商品を出したことがあるのは3回と数少ないのですが集客コンサルティングを行う上で一般企業の方と二人三脚で海外展示会に出展したケースも含むと10回以上は出展経験がある為その方法を話せる範囲でまとめてみました。
目次
海外販売の卸先ビジネスパートナーの重要性
直販で海外ブランディングを上手くこなして海外の代理店を活用せずに売上を上げることが出来れば誰もがその方法を望むと思いますがその道は非常に困難です。
私は海外向けのWebサイトやYoutubeチャンネル、SNSアカウントを持っており海外にも直販で商品を売っています。
しかしこれはあくまで海外”にも”売っているだけであって海外販売をメインとした戦略ではありません。
海外向けに情報発信すること自体は海外販売を行なっている、あるいはこれから行いたい企業であれば積極的に取り組むべきことですが本当に商品を売りたいと思うのであれば現地のパートナーの協力は必要不可欠です。
特に修理が必要な商品などは代理店がいないと顧客満足度が下がりブランド価値の低下を招きます。
私は昔海外向けに日本の伝統工芸品の直販ECサイトを運営していたのですが、特に刃物の販売でこの問題に直面しました。
日本の和包丁は世界でも非常にファンが多い商材です。
結局日本の職人さんを海外の展示会に連れて行って包丁の使い方の実演を出来る規模のイベンターの方に協力してもらいようやく現地の人に効果的な活用法を理解してもらいある程度軌道に乗ったところでその会社に売却してしまいました。
今なら当時より動画が発達しているので直販のやりやすさも増していますがまず目に触れないとお客さんに気づいてもらうことも出来ません。
和包丁は抜群の切れ味を誇りますが肢の部分が外れやすくなっています。一般的な両刃ではなく片刃のものも多く研ぎ方にも熟練していないとその真価を発揮することが難しいのです。
結局海外向けに研ぐのが簡単でコスパがいいセラミック包丁を売る方がビジネス的にはいいのだな、と一瞬でも思ってしまい伝統工芸品を作る職人さんにも失礼だと思ったタイミングで0→1の水準は十分上回っていたので売却してしまいました。
商品が売れるかどうかと同時に情熱を注げるかどうかというのはやはり重要です。
何のために商品を海外に売るのか?売上を増やしたいのか?日本の文化に貢献したいのか?その辺りが曖昧になっている方は今一度見つめ直してみてください。
そして過去に私が行なったようにニッチな商品を売るには直販では限界があるので今回のテーマである海外展示会の活用がほぼ必須になってきます。
海外代理店の種類
海外展示会でビジネスパートナーを見つける前にまずはその種類について知っておく必要があります。
- ディストリビューター
- セールスレップ
の2種類です。
ディストリビューター
ディストリビューターはメーカーから製品を一度仕入れたのちに、それをエンドユーザーである顧客に再販する代理店のことを指します。
商品を卸した後の販売価格についてメーカー側でいくらで売ってくれと言っても守られない場合もありブランドコントロールがが難しいろいうデメリットがあります。
セールスレップ
セールスレップはクラアント企業から商品やサービスの営業を請け負うことには変わりないのですが、在庫を持ち新規顧客の開拓をするのではなく、セールスレップ企業が築いた独自のネットワークの中で販売しその成果報酬を請求するというスタイルの代理店になります。
価格をメーカー側でコントロールできるのでブランド毀損につながりづらいものの商品が売れなくても相手のデメリットがそこまで大きくないため本気で商品を売ってもらいづらいというデメリットがありますが弱小メーカーの場合はこの形から始めることで海外卸先を増やしやすいというメリットもあります。
アフィリエイトのようなビジネスはこの形に近いです。
あなたの会社に合う展示会の選び方と費用
この記事を見ている方の多くは中小企業の経営者だと思います。
展示会にはラスベガスのCESのような大企業向けのPR用の展示会と同じくラスベガスで開かれるEDSのような実取引につながりやすい中小企業向けのものがあり前者は費用が高いわりに実取引につながりにくいので注意しましょう。もちろんブランド認知向上目的ではいい選択だと思います。
CESの参加費用は$5,000~でEDSの参加費用は$3,000~です。大きいブースや角ブースでは当然費用が高くなります。
費用は国内の展示会とあまり変わりませんね。
展示会以外でのパートナーの見つけ方
展示会以外で卸先を見つけるには2種類の方法があります。
- プル型営業(オウンドメディアやSNSの充実)
- プッシュ型営業(メール・電話交渉)
おすすめはプル型の営業ですがプル型の営業では絶対に繋がることのできない層というのも確実に存在するのでやはり両方やるのがいいでしょう。
時代はオウンドメディアやSNSと言いたいところですがプッシュ型の営業だけで月1億円売り上げるような中小企業も周りにいるのでやはりどちらが上ということはありません。
海外展示会のサポートについて
サポートについては海外向け直販の為の海外向けSEO、SNSや動画の活用であればコンサル形式で行なっていますが海外展示会の準備~サポートはやっていません。
私も一度海外展示会のサポート企業問い合わせたことがありますがブース設計など込みで500万円~だったので自分でやった方がいいな、と思い海外展示会は血と汗の滲む経験をしてきてある程度反応が取れるやり方が分かってきました。
正直ブースの綺麗さは関係ありません。
また会社の規模も関係ありません。当時私の会社は3名でしたが海外卸先との契約を取っていましたし同じような少人数の会社もいました。というより海外相手で従業員数がどれくらいかなどという質問は一回も聞かれたことがありません。
規模が大きい企業でも日本から来ている企業だと日本人がブースに立って暇そうにしているのを見ますがおそらく会社に言われて展示会に出しているだけという感じです。同じアジア人でも中国人は商才たくましいですね、積極的に見込み客に話しかけていますし英語が上手い人も多くブースの入りも違います。
海外展示会に出す上で経験上必要だと思うことは以下の4つです。
- ネイティブの担当者(美人orイケメン)
- 資料の用意
- フォロー管理(接客)
- 事前集客
ネイティブの担当者(美人orイケメン)
ヨーロッパの展示会に出す時に最初の頃はバイリンガルのアジア人に任せていましたがやはり人種の壁は大きいです。
もちろん反応がないわけではありませんが2日目に現地の美人女性を雇った時の反応は前日の6倍でした。(本当は初日から雇うはずだったのですが連絡ミスでたまたま面白いデータが取れました)
担当者とやりとりできる程度の英語力があれば直接海外の人相手にセールスをかける必要もないので気は楽ですね。
資料の用意
また資料の用意も大切です。ただの商品カタログのような商品画像と型番が載ったカタログをブースに置いている企業もいますが効果は薄いと思います。
フォロー管理(接客)
フォロー管理の流れは以下のようになります。
- 挨拶
- 御用聞き
- デモ・実演
- リスト取り
その場で契約を進めることは稀なので通常名刺をもらうかメールアドレス等の情報を記入してもらうことになります。
この後一斉資料やメールを一斉送信しても反応率は良くないので個別に質問を受けた内容などをメモしておき一対一対応するようにするのがおすすめです。
例えば展示会で今〇〇の商品を使っていて当該国での電波法の基準をクリアしているかどうかなど聞かれた人に対して一斉送信でone of themとしてメールを送るのではなく文頭で先日いただいたご質問の件ですが~~です。と一文添えたい上で一対一対応している誠意を見せるだけでも反応率は変わってきます。
また一般的に海外ビジネスパートなる会社が懸念しているのは、あなたの会社と卸契約を結び販売努力をして市場が立ち上がってきたタイミングであなたの会社が直販などでエンドユーザーにダイレクト売り込みをしないかどうか、という部分です。
余計な懸念事項は取り除いておくべきなのであなたの会社の販売代理店になるとこのようなメリットがあるという内容を含め以下のような内容をまとめて提案書として用意しおきましょう。
- 代理店の権利が守られること
- 代理店の収益の基準
- エンドユーザーの候補
- メーカーとしての販促方法
- 代理店の売り込み手順
- アフターケアの必要性など
事前集客
集客に困っているから海外の展示会に出すというのは一見理にかなっていますが今はマイナーブランドから成功しているところは事前集客を行なっているところが多いです。
具体的にはSNSやYoutubeの活用やDM(案内状)の送付を行うことになります。
海外展示会の出展方法まとめ
- 代理店のタイプを理解する
- 展示会のタイプを理解する
- 代理店にとってのメリットを提示する
- 海外展示会以外の販路の広げ方を学ぶ
以上のことを理解してぜひ輸出ビジネスをもっと盛り上げて日本経済を活性化させていきましょう。
また海外向けのWeb周りの集客にお困りであればご相談お待ちしています。