2022年かつてないほどの円安が話題になっています。それはなぜかというと日本は生活用品の多くを輸入に頼っているため個人レベルで見た場合円安が極度に進むと景気が悪くなるためです。
ただし日本には車産業を中心とした輸出系企業も多いので極度に円高が進むと今度は輸出系企業の業績が下がり給料カットや人員整理などで消費が減り景気が落ち込みます。そのためバランスが取れている状態が望ましいですが基本的には円高の方が一般消費者にはメリットが大きいということを覚えておいてください。
これは経済学で言うところのミクロな視点でありそれが日本全体というマクロな視点になった時には結果が逆になる、すなわち円高であればあるほどいいわけではない、現象を合成の誤謬と呼びます。
より詳しく知るために円高・円安それぞれのメリット・デメリットを解説します。
目次
円高と円安それぞれのメリット・デメリット
円高のメリット
- 日本株で稼ぎやすい
- 不動産の買い時
- 輸入ビジネスで稼ぎやすい
- 海外旅行がお得感がある
- 留学がしやすい
円安のメリット
- 米国株で稼ぎやすい
- 不動産の売り時
- 輸出ビジネスで稼ぎやすい(消費税還付を受けられたり外貨を稼げるビジネスは少ないので希少性あり)
円高のデメリット
- インバウンドの需要が減少
- 輸出ビジネスで稼ぎづらい
円安のデメリット
- 生活費が圧迫されやすい
- 輸入ビジネスで稼ぎづらい
- 海外旅行がしづらい
- 留学がしづらい
円高になる要因
- デフレになる
- 日米で日本の方が金利が高い
- 日本への旅行客が増える
- 海外への旅行客が減る
- 戦争や大地震など有事の円買い(最近は不発なことも)
円安になる要因
- インフレになる
- 日米で米国の方が金利が高い
- 日本への旅行客が減る
- 海外への旅行客が増える
円高・円安に対する個人レベルの対策
特にアメリカの中央銀行FRB(日本でいう日銀)は雇用の最大化と物価の安定という指標を持っており毎月第1金曜日に発表される雇用統計で為替が動く傾向にあります。
円高や円安を完全に予想するのは不可能ですが知識があればある程度の傾向は読めるようになるので気を配るようにしましょう。
円高でも円安でも安定して生きていくために外貨を稼ぐことができる手段を持っていれば常にリスクヘッジを行うことが可能です。
外貨を稼ぐ手段とは具体的には輸出ビジネスを行う、米国株に投資する、外貨預金をする、などです。
インフレとデフレはどっちがいい?
円高・円安と関係してインフレ・デフレについてもどちらがいいか解説します。
円高・円安と同様で極端なインフレ、極端なデフレはどちらも良いものではないのですが日本は長いこと極度なデフレ下にあります。本来は景気が上向きになって初めてインフレになりますが景気が悪いままインフレに突入しかけておりオイルショックの時以来のスタグフレーションを迎えるのでは、という懸念もあります。
インフレのメリット
- 企業が利益を出しやすい
- 不動産価格が上がるので所有している場合はメリットになる
- 投資で利益を出しやすい
デフレのメリット
- すでに資産を持っている人に有利
- 不動産を購入しやすい
- 低価格帯の企業の株が伸びやすい
インフレのデメリット
- 不動産を購入しづらい
- 金利が上がるためグロース株の株価が下落しやすい
- 預金をしていると資産が目減りする(投資をした方がいい)
- バブルに注意
デフレのデメリット
- 治安が悪くなりやすい(そのためベーシックインカムなどのセーフティネット議論が進んでいる)
- 物が売れづらい
- 商品の品質が下がりやすい
インフレになる要因
- 景気が良くなる
- 積極財政
- 減税
- 金利が上がる
- 高い輸入品が増える
デフレになる要因
- 景気が悪くなる
- 緊縮財政
- 増税
- 金利が下がる
- 安い輸入品が増える
- 赤字国債が増える
インフレ・デフレに対する個人レベルの対策
日本以外の先進国はインフレ傾向にあるため利上げを行なっており日本は金利をしばらくの間上げない政策を行なっているためデフレが進んでいます。正確にはデフレ下にあるにも関わらず緊縮財政や増税を行なっている為日本は30年以上デフレから脱却出来ずにいます。
最近は原油価格が上がるコストプッシュ型のインフレが起きていますがこれはロシアのウクライナ侵略に起因するもので日本の経済政策は何も関係なくいわゆる”悪いインフレ”が同時に起こっています。
また世代や業種単位での格差も大きくなっておりインフレでも景気が悪い職種やデフレでも稼げる職種も存在します。
いずれにせよ2022年時点では大幅に円安が進み対外通貨辺りの資産は目減りしている状態です。デフレも続いています。
最近は与党にも積極財政派も増えてきましたが緊縮財政のままにしておいた方が財務省を中心とした既得権益層には都合がいいのでこの傾向は変わらないと思います。デフレ下で増税した国は世界で見ても例がないですが積極財政反対派の意見はデフレ派の基軸となるMMT理論はハイパーインフレを招くと言って反対しています。
円高・円安は今後も行ったり来たりするので日本円を稼ぐ手段と外貨を稼ぐ手段をきちんと身につけた上でデフレに対する個人レベルの対策は現金や預金、デフレに強い企業の有価証券、海外の有価証券を増やしておくことです。なおインフレ時はインフレに強い資産(不動産、インフレ連動債、外貨、有価証券)などに資産を変えましょう。
特に円を稼ぐ手法は国内でビジネスをしている限りいくらでもありますが外貨を直接稼ぐことが出来る手法は限られています。
海外向けWebサービス、海外向けアフィリエイト、海外向けYoutubeチャンネルの運営、輸出ビジネス、FX辺りのみです。そのうち輸出ビジネスが難易度が低い方であり円安・デフレ下では特に利益を出しやすいビジネスです。人によってはYoutubeが最も稼ぎやすいかもしれません。
一般的には家計が苦しくなりやすい経済状況ですが政府レベルでの対応は期待できないので自身で生き抜く力を身につけていきましょう。