この記事では輸出ビジネスや国内販売に役立つ国内メーカー卸契約の方法をまとめました。
私は現在は直接輸出ビジネスを行なっていませんがFC(フランチャイズ)のような形で輸出ビジネスノウハウ・ツール・物流を提供しておりビジネスパートナー1社につき月額5~30万円を得ています。
直接販売した方が収益は増えますが売上が増えると社内に人を増やす必要が出てきて自分が理想とする生活から遠ざかってしまう為ビジネスパートナーに販売を任せる形で輸出ビジネスに取り組んでいます。
しかしいくらツールや物流を提供しても仕入れを押さえない限りノウハウ(コンサル)だけで十分となってしまう為国内メーカーとの契約は未だに自社で行なっており普通の企業では獲得できない規模の取引先からの仕入れも行なっているので役に立つ情報をお伝えできると思います。
目次
国内メーカー仕入れのメリット
- 利益率が高い
- リピート率が高い
- 集客しやすい
- 独占販売をしやすい
- メーカーに提案をしやすい
- 銀行から融資を引きやすい
- Amazonなどの販売アカウントを維持しやすい
メリットばかり上げてきましたがデメリットをあげるとしたら基本的には一度の買い付け量が増えるということです。
メーカーでも交渉次第で1個から商品を仕入れることが可能なケースもごく稀にありますが基本的に一回の買い付けで最低でも30万円はかかります。
その為どれだけ売れるかという需要予測が重要のなるので後ほど解説します。
利益率が高い
メーカーから仕入れた商品を2次卸するような場合は利益率が低くなりますが小売で海外に販売する場合利益率は30%前後を確保可能です。物によっては50%取れる事もあります。(独占販売の場合)
私は誰でも簡単に参入出来るビジネスが好きではないのでやっていませんが国内仕入れ→国内販売でも1~2割は利益を出せます。
リピート率が高い
メーカー仕入れだとBtoB商材なども多くなりリピート仕入れのお客さんが増えるのでキャッシュフローが安定します。
Amazonや海外向けECだけで販売するような場合でも業者と思われる人が購入していったり、卸交渉が入ることがありリピートを受けやすいのが国内メーカー仕入れの特徴です。
しかしメーカーから商品を仕入れているだけでメーカーと代理店契約を結んでいない場合は自分の会社を飛び越えて直接メーカーとやり取りをされてしまう可能性もあります。
特にAmazonでの販売だと複数のセラーが同一ページで販売することになりメーカー希望小売価格を下回って販売するマナーの悪いセラーも出てくるので、仕入れに成功した際はAmazonでの販売は自社だけに限定してもらうよう契約を結んだ方がメーカーにもメリットがあることを伝えて契約を結びましょう。
ただしそもそもAmazonでの販売を嫌がるメーカーも増えているのでその対策を記事の後半にまとめました。
集客しやすい
新興メーカーを除けばメーカー製品というのはすでに特定の市場である程度の認知度を獲得したブランドとなっているので他者と被らないブランドキーワードからの検索流入を期待できます。
自社でOEMを行う場合はブランドを育てるためにマーケティングコストや広告費がかかりますがメーカー仕入れの場合は比較的安価に抑えることは出来ます。
独占販売をしやすい
すでに総代理店や問屋がいる場合は独占販売契約を結ぶことは難しいですがメーカー仕入れでは独占販売契約を結ぶことが可能です。
独占販売契約を結ぶことで様々な販路で販売しやすくなるのと収支予測が立てやすくなります。
特にAmazonの場合は他の出品者の影響で特定の商品ページの売上が半分程度に下がってしまうことも珍しくありません。
小売・卸仕入れではその傾向が顕著ですがメーカー仕入れの場合は同一のページに出品してくるセラーは中古セラー位しかいないため安定して販売を行うことができます。
一時的に利益率50%を確保出来る商材があるとしても安定した売上を確保出来なければ過剰在庫になってしまったり、別の商品の仕入れを検討したりで忙しくなってしまうので独占販売がしやすいことは国内メーカー仕入れの最大のメリットと言えるでしょう。
ただし後ほど解説しますが最初から独占卸を行おうと思うことは無謀です、まずは相乗り出品からになります。
メーカーに提案をしやすい
直接会って信頼関係を築きやすい為メーカーに提案をして受けてもらいやすいというメリットがあります。
新商品をクラウドファンディングにかける提案であったり、レビューを拾って商品改良に対する提案を行うなどメーカーと二人三脚でビジネスを育てていくことが出来ます。
銀行から融資を引きやすい
銀行の融資ではビジネスモデルを吟味されるため小売仕入れとメーカー仕入れでは融資額が3倍以上変わってきます。
Amazonなどの販売アカウントを維持しやすい
AmazonをはじめとしたいくつかのECモールではメーカーや正規代理店からの仕入れ証明が必要になることがありますがメーカー仕入れの場合はこの問題を確実にクリアすることが出来ます。
国内メーカー仕入れのリサーチ方法

Amazonでの販売を前提にしたとして国ごとに規模が違うのですがAmazon.comでの販売を想定するとAmazon.comの大カテゴリで5万位以内のものを対象にするのがおすすめです。
日本だと大カテゴリ1万位以内の商品です。
また独占卸契約を結んで新規ページを作成して販売するというのは上級者のみが出来る手法です。
国内メーカー仕入れが初めてであればそもそも独占卸を取るのが難しいですし、新規出品で商品を売ることも難しいです。
そのため国内メーカー仕入れをこれから始める場合は相乗り出品が前提になると思ってください。
リサーチ対象として相乗り出品できるページを見つける必要があるので、FBAセラーが2人以上いるページを探します。
ツールを使う場合は
- メーカー名がsuzuki、hondaなど日本の単語
- セラー名にJapan、Tokyo、sakuraなど日本の単語が入っている
ページを対象に出品しているセラーのセラーIDを使ってツールで検索して既存の国内メーカー仕入れを行なっているセラーをまねするやり方が一番です。
メーカー名が日本の単語でない日本のメーカーも数多く存在しますのでこれはあくまでとっかかりに過ぎません。国内メーカー仕入れを行なっているセラーが分かればあとは芋づる式に見つけることが出来ます。
独占卸の場合は日本にASINがあって海外にASINがない商品、つまり日本のAmazonに商品があって海外Amazonに商品がないASINをまとめてツールでリスト化して交渉していきます。
国内メーカー仕入れの営業方法
営業方法は電話・メールの2択です。
ノウハウを知らない状態で営業すると有名メーカーの卸を取ることは出来ませんがそれでも数を打てば当たるので初心者の方でも1~3%程度の成功率はあると思います。
100社に営業をかけて1~3社仕入れに漕ぎ着けるというイメージを持っていただいて大丈夫です。
上級者になってもやることは同じですがメールの文章や送る時間などをPDCAを回した上で改善して成功率を40%近くまで上げることが出来ます。この成功率は比較的人気のメーカーに対して交渉を行なった際の成功率ですでに代理店が存在していた場合なども含むのでそれを除けばさらに高い成功率になります。
実際の交渉文などはコンサルでのみ情報提供していますが送る時間に関して言えば対企業のメールでは月・金は反応率が下がるという研究があります。
月曜日はメールボックスに溜まっているメール数が最も多く、金曜日は週末モードになっていて仕事を終えている人が多いからと言われていますがこれはあくまで海外のデータです。海外メーカーに対する仕入れ交渉では月・金を避けた方がいのですが国内ではあくまで私が運用した範囲では曜日による違いは見られませんでした。
私も実際行なっていますがメール開封率やURLのクリック率なども測定しておくと、手法を改善した際などに効果測定が可能なのでおすすめです。
適切な仕入れ数は何個?
実はメーカー仕入れにおいて一番重要とも言える部分です。
結局メーカー仕入れを行なっても売れなければ全くと言っていいほど意味がありません。
リサーチの段階でツールを使っていれば販売数が分かるので販売数を元にメーカーと交渉しましょう。
例えば月の販売数が100個の商品でFBAセラーが3人いたら自分を合わせて4人になるので100÷4=25個と判断します。
しかし自分と同じように仕入れを狙っているセラーがいる可能性もあるので念の為セラーがさらに1人多くなり5人になったケースを想定して仕入れるのがおすすめです。
リスクを気にしすぎると仕入れ条件に当てはまるものがなくなってしまうのでもし現在3人のセラーが10人になったとして・・と言った考えは不要です。
メーカー仕入れに到達するレベルの人は少ないです。
また過剰在庫と同様に過小在庫ももったいないので在庫は2ヶ月分が適正です。先ほどの例で言えば40~50個が適正ということになります。
最低ロット数が50個であれば問題ないですがこの際最小ロットが100個だった場合にどうせその後も売れるだろうと思うのは危険です。
小売仕入れや卸仕入れと比べるとライバルが増加しづらい為慣れてきたら4ヶ月分の在庫を抱えても大丈夫ですが可能な限り2ヶ月分の在庫数で抑えておきましょう。
色々な人を見てきた経験で思うのが初心者は過剰在庫を引き起こしがちで中級者は過小在庫を引き起こしがちです。
独占卸契約を結ぶ際には半年~1年分ほどの在庫になることもありますがこれはすでに何度も相乗り出品を経験していて資本も多い人だけに許される行為なので初心者のうちに大量に仕入れるのはやめましょう。
メーカー仕入れの成功率を上げるには
メーカー仕入れの成功率を上げるにはメーカー側の気持ちになって何をしてもらったら嬉しいかを考えましょう。
ファーストコンタクトは基本的にはメールになると思います。
実際のメール交渉文は秘匿にしている部分なので公開できませんがタイトルや本文、カウンターオファーでどのようにメールを送るかだけで卸の成功確率というのは10~30%以上上がります。
重要なのは販路を含め自社に商品を卸した場合のメーカー側のメリットを表現できているかどうか、と言う所です。
強みは人によって違うので買い付け量で差別化を図ったり、実際に担当者に会って信頼関係時を築き差別化を図ったり色々やり方はありますが私は属人的な要素は排除したいタイプなので販路やマーケティングの部分をアピールしています。
具体的には会社紹介→海外向け自社EC、Insta広告やFacebook広告、動画の活用などメーカー側が悩んでいそうな部分のアプローチを特にアピール。
※物販系のメーカーは集客施策には疎いもののリスティング広告位は知っていて使ったこともある所が多いのでそれでは差別化に繋がりません。
企業のHPを見てアピール出来る部分は変えていますが過去刺さった順で言うと
- Web集客スキル(広告、SNS、Youtube等)
- 動画制作
- 買い付け量
- 情熱
- 販路(自社EC)
です。
意外な結果かもしれませんがおそらく自社ECを持っているから卸してほしいという企業はそこまで数は多くないものの、物販をやっていてWeb集客や動画制作が出来る会社と比べると全然多いのでアピール力としては弱いのでしょう。
大きい企業ほど直近の買い付け量よりも将来のパートナーとしての力量を見てきます。
意外と情熱も大事です。何も実績がなくてもどれだけそのメーカーの商品を愛しているか、広めたいと思っているかは担当者に伝わります。
中小企業だと買い付け量よりも情熱の方が影響が大きいこともあります。
結局強みというのは相対的なものなので反対に皆が動画制作が出来る時代になったらそれをメーカーにアピールしても刺さらないでしょう。
昔よりは簡単になってきているので10年ほど経ったらアピールポイントとしては使えなくなっているかもしれませんがその場合は他社が出来なくて自社が強みとして発揮できる別のポイントを探してアピールするだけなので関係ありません。
また私はあまり直接会って契約を取るタイプの人間ではない(それでも1度は会うことが多い)のですが老舗の国内メーカーの取引に関して言えば直接会ったり、まめな接触頻度を保つことは非常に重要です。
私はやっていないだけであってそれでもメーカー卸が取れていますが、メール交渉だけで上手くいないのであれば絶対にやった方がいいです。
上級者の方で事業売却を考えている方の場合は属人性を排除することが重要なので私がやっているようにメール交渉でのCVRをいかに上げていくかを考えるやり方の方が合っていると思います。
また私は実店舗を持っていませんので実店舗のあるなしはそこまで重要ではないと考えています。老舗メーカーであれば実店舗のあるなしを見てくる企業もいますが老舗メーカーだと独占卸は出来ないのでAmazonであれば相乗り出品前提となります。そのためそのような古い企業はこちらから願い下げというスタンスで交渉しています。
都市伝説のようですが年商、設立年数、主要取引先銀行、資本金などを見るメーカーもいるそうです。銀行融資なら分かりますがそのような企業に当たったことがないため真偽のほどは不明です。
国内メーカー仕入れの方法まとめ
国内メーカー仕入れの方法をまとめましたが国内メーカー仕入れの中でもさらに上級の独占卸を行おうと思うとSEO対策や広告運用、レビュー対策、他チャネルでの販促方法など学ぶことは山ほど出てきます。
それらを身に付けることが出来れば稼ぐことのできる額は一桁増えますが本文中にも記したようにいきなり挑戦しても上手くいかないのでまずは国内メーカー→Amazon相乗り出品で利益を出せるようになってから学んでみてください。
メーカー仕入れはOEM販売同様非常にやりがいのあるビジネスです。