Amazonでの真贋調査・商標権・知的財産所有権の問題が近年大きく取り沙汰されているのでこの機会にAmazonでの並行輸入品の取り扱いについてまとめました。
並行輸入とは
並行輸入とは正規代理店ルートとは別のルートで真正品を輸入することです。
たまに並行輸入は偽物なんじゃないか、違法なんじゃないかという意見がありますがどちらも違います。
ただし正規品と比べて偽物の数は増えると思います。ルイ・ヴィトンの並行輸入品などだと偽物の割合が2~3割あると聞いたことがあります。
そのため気になる人は正規品を買った方がいいですがほとんどの場合並行輸入品だからといって偽物であることはありません。
Amazonでの並行輸入品の取り扱いルール
Amazonでの並行輸入品の定義は以下の通りです。
- 正規輸入代理店またはメーカーによる国内保証や修理サービスを受けられない
- 製品の仕様が正規代理店取扱商品と異なり、日本国内での使用に制限がある
- 仕入れルートの違いにより商品箱、装飾等に誤差が発生する
Amazonのサイトに並行輸入品を出品する際には、その他の通常商品と区別して出品する必要がありcsvでまとめて出品する場合はdistribution_designationという項目に”JP Parallel Import”と入れることでタイトルの最後に自動で【並行輸入品】と付きます。
この点に関しては後述しますが実はこの方法を使っている人ばかりではなく表記はバラバラです。
商品の仕様・説明:商品説明は商品に関する内容のみを入力し、出品者独自の内容(保証など)はコンディション説明に記載する必要があります。
並行輸入品となる理由はコンディション説明に記載します。
日本国内ではメーカーによる製品品質保証は適用されませんが、並行輸入品の品質保証やアフターサービスは出品者が行います(連絡先も明記)。
並行輸入品の販売は稼げない?
タイトルに”並行輸入品”と付いているとリサーチの対象として見つかりやすいため何も対策をしないとまねされやすいです。
そのため以下の対策が必要です。
- 取り扱い商品数を増やす
- 仕入れコストを下げる
- 並行輸入品以外のキーワードを使う
取り扱い商品数を増やす
取り扱い商品数が増えるとリサーチ対象になっても全ての商品を調べられづらいため
ただしアマトピアのような質の高いツールであればほぼ全件セラーの出品情報を取得可能なのでこの対策だけでは厳しいです、
取り扱い数を増やすために無在庫販売に徹するという手法もあります。
厳密にはAmazonではオンライン小売商品の無在庫販売はNGとされていますが、配送遅延やキャンセルを繰り返さない限り無在庫販売であるかどうかはAmazon側には分からず世界中で無在庫販売が行われているのが現状です。
Amazonの担当者(しかも数少ないアカウントスペシャリスト)と話したことがありますが無在庫販売の存在は当然のように知っていて、新規アカウント作成後の大量出品など明らかに無在庫販売と思われるものの取り締まりを強化すると2017年頃に聞きましたが実際2017年末ごろから真贋調査が強まっていることからもレベルの低いやり方での無在庫販売は淘汰されていくと思いますが完全にNGという感じではありませんでした。
ちなみに並行輸入品を並行輸入品のページに出す限りは真贋調査はまず来ません。(2018年以降のアカウント作成後一定の売上(50万円程度~)に達した後のランダム3ASIN調査は例外)
仕入れコストを下げる
- 卸から商品を仕入れる
- 物流コストを下げる
のどちらかが基本です。
物流コストを下げた場合並行輸入品の小売仕入れでも利益が出せるようになるのでまずは物流コストを下げましょう。
ただし小売仕入れの場合特に真贋調査で証明できるように仕入れ元が正規代理店であるかどうかを確認しておく必要があります。
並行輸入品以外のキーワードを使う
輸入ビジネス初心者の方におすすめしている商品リサーチの方法として”並行輸入品”や”輸入品”というキーワードで検索して出てくる商品ページで販売を行なっているセラーの商品をツールなどで調べるという手法がありますが並行輸入品と名乗っていなくても並行輸入品であることが明示されていれば現状問題ありません。
実際”正規輸入品”という言葉がありますが”正規輸入品”と書いてあるページは正規代理店が仕入れている商品に見えて並行輸入の場合もあります。この辺りは出品する上では
- セラーが2人以上いる
- セラーの名前が専門店でない
などを見て判断する必要があります。
“国内正規品”と書いてある場合はほぼ正規品であり並行輸入品を被せると真贋調査が入ったり商標違反でAmazonを通してメーカーや代理店から連絡が来ます。
ここで疑問に思うのが海外だとどうなんだ、という話です。
Amazon.comで並行輸入品の訳である”parallel import goods”で検索してみました。
確かに検索には引っかかるのですが数が少ないです。
実は海外だと”Japan Import”のような表記が一般的です。
輸入ビジネスや輸出ビジネスを始めたばかりの人はこういった並行輸入品の取り扱いから始めていくべきです。私自身今でこそメーカー仕入れやOEM販売を行なっていますが最初にAmazon輸入ビジネスを始めた時は並行輸入品の相乗り出品をしていました。
以下私が辿った輸入ビジネスの流れです。
- せどり(1日でやめる)
- 並行輸入品販売
- 中国輸入
- メーカー仕入れ(アメリカ・ヨーロッパ)
- 中国輸入(OEM)
- 国内(OEM)
下の3つは今もやっています。
いきなりメーカー仕入れやOEM販売に取り組もうと思っている人はまずはそのレベルに達しているかどうかを確認して行うのがおすすめです。