無在庫販売の画像転載・著作権問題をクリアする方法

この記事では無在庫販売で度々問題に取り上げられる画像の転載・著作権問題を回避する方法についてまとめました。まず前提として100%回避する方法は存在しません。

推奨している訳ではなくこういう方法がある、ということを知っておくと有在庫販売をしていて真似をされたくない人が対策を行うことも可能なのでその方法についてもまとめています。

危険度が高い順に掲載します。

メーカーの画像は暗黙の了解で使用が許可されていることが多いので中古品を想定しています。(写真の使用を認めていないメーカーもいるので注意しましょう)

危険度80~100% 競合出品者の写真をそのまま使う

これは目につきやすいので危険度は非常に高いです。写真を使われた側からすると売上が下がる要因なので放置するとは考えづらいです。

eBayを例に挙げれば権利を侵害された側はVeROに通報すれば出品は取り下げられますがアカウント自体がサスペンドになることはないのでイタチごっこの状態が続いていますが人の恨みを買うこと間違いなしなので絶対にやめましょう。

危険度60~80% 仕入れサイトの写真をそのまま無断転載する

こちらも著作権を侵害していますが別のサイトで販売している人からすれば売れればと考えている人も多いので問題にならないケースが多いです。しかし自分の写真を使われるのは絶対許せない勢もいるので危険度は依然としてやや高めです。

しかし結局他人がどうこう言おうが写真を使われた本人がどう動くかなので本人が気にしないケースに加えそもそも見つかりづらい分販売サイトの競合の写真を使うよりは危険度は下がります。

特にフリマサイトなどの場合は昔売れたような古い写真であればリスクはかなり下がります。(推奨している訳ではなく現実問題としての話です)

AIによる画像加工について

ここからは自分の画像を使ってどんなことが出来るかを実際に示しながらやっていきたいと思います。使う画像はプライベートで撮影したギターエフェクターの写真です。

影が入っていて撮り方も適当でしたがこの位のクオリティで出品されているものが多いと思うのであえて質の低いものを選びました。2枚の商品サイズや角度、ライティングが微妙に違うのも素人感があって例にするにはいい感じです。

危険度40~60% 白背景化する

ここではPhotoRoomと言うAIサービスを使って白画像化してみました。こういったサービスは無限にあるので好きなのを使いましょう。

正直この段階でも割と分からなくなっています。
ちなみに海外の裁判の判例ですが白背景のものに関しては同一商品と判定できないとのことで画像転載と認められない、とされた判例があります。
ただ日本でどうなるかは判例がないので分かりません。

仕入れサイトの画像を白背景化だけして売っているeBay無在庫コンサルタントの知り合いによると2025年現在何も問題になっていないとのことでした。正直このレベルでも回避できてしまっているようですが結局権利者からすれば背景がなくとも自分の写真に違いない、と言うことは分かれば訴えは回避できたとしてもヘイトは残ることになります。

そのためもしもっと確実に著作権問題を回避したいのであればもっと加工する必要があります。

危険度20~40% 画像を変形・合成する

元の画像を変形したり画像を合成することで元の画像が分かりづらくなります。元の画像は撮る角度が異なり合成した時にアングルが変だったのでPhotoshopのwarp機能で変形させています。慣れれば30秒もあれば出来ますがもし大量に出品を行うのであれば人に1枚数十円で外注しましょう。

3次元的に傾ける方法として複数枚の画像から3Dモデルを作るAIも活用する方法もありますがこちらは現時点ではクオリティが安定しないので手動のほうが早かったです。

合成は商品のセット化やおまけなどをつけて差別化する時によく使われています。

危険度0.1~20% 様々なAI加工を施す

画像加工AIの使用

白背景化した画像の背景を変えたりフィルターを掛けたりすることでオリジナル画像とは遠い画像が出来上がります。上記の背景はCanvaで一瞬で付けました。

正直この時点ですでに分かりません。

Googleレンズなどで見つけられたくない場合で白背景以外の写真が欲しい場合背景の変更、画像の反転、光の調整、商品の位置変更などをAIで行うことでオリジナル画像と分かりづらい画像を生成することが可能です。

動画生成AIの使用

無在庫販売とは関係なく画像を完全に元の画像と別物にしたいという目的を叶えるのであれば画像→動画化系のAIを活用するのがおすすめです。

VidnozというAIツールを使って元の画像をアップロードして動画の途中をキャプチャしてみました。

これ恐ろしくないですか?画像に映っている手は私の手ではなく元のエフェクターだけの画像から勝手にAIが生成したものです。仮に私が撮った画像を他人が使ってもここまでやられると分からないです。もちろん先ほどの背景変更と組み合わせたらより分からないです。むしろ自分の商品画像が使われた、と主張しても何言ってるんだこの人と思われるレベルまでAIで変更可能です。

現時点で適当にちょちょいと加工しただけでこれです。AIがハイスピードでさらに進化していく中で他人に画像を使われた、なんて言っていても時代の波に飲まれるだけです。

厳密に言えば依拠性は残るので著作権問題から完全に脱却できる訳ではありませんがこういう近代型無在庫セラーがもっと出てきてもおかしくない時代でVeROに通報すれば無在庫セラーを追い出せるなんて甘い考えで有在庫販売をやっていては勝てません。

この辺りは世界中でもまだ判例が出ておらず争われていますがAIの発達に人間の法律が全く追い付いていないな、と感じます。仮に学習するにしても同じ商品ページの画像だけでなく別の商品ページの画像と混ぜて学習させることも出来るので一体誰が依拠性があると判定するのでしょうか。

完全にテクノロジーが上回っているので無理です。

LoRAモデルの使用

さらにAIで上級なことをやろうと思うと複数枚の写真を学習させてLoRAモデルと呼ばれるものを生成する方法があります。

これを使えば例えばポケモンカードなんかだと画像Aのデザインで画像Bの角度のものを生成するということも可能です。ただしStable Diffusionのようなやや高度なAI活用知識が必要なAIサービスの利用が必要になります。

このレベルになるとさらに判定は不可能です。AmazonやeBay側でAIを使った画像の利用が禁止されれば塞がれる訳ですがそれも考えられないでしょう。なぜならAIによる画像加工が禁止なのであれば画像編集ソフトを使って編集された画像もNGになってしまいますし現在のAI技術でも判定するのは不可能なレベルになっているので進化の止まらないAIサービスを前に成す術はありません。

有在庫セラー側の対策

では結局有在庫セラーはそうすればいいかというとそもそも無在庫セラーと競合するような商品を扱ってはいけない、ということになります。有在庫で売りやすいのは限定品や回転率が高いものです。無在庫セラーは限定品を扱うことはできません。仕入れる前に売れて在庫の確保が出来ないためです。

また回転率が高いものは卸仕入れをする有在庫セラーにコスト面で絶対勝てないので有在庫セラーはここを狙うべきです。

本質的に高回転で売れるものは有在庫で低回転で売れるものを無在庫で扱うのが正しいです。
コンサルではそのルールに則らない裏技も教えていますが通常はこれが原則です。

私も無在庫販売も有在庫販売も両方やっていますが仮に有在庫商品の画像を無在庫セラーに真似されても(しかもただの完全無断転載だとしても)どうでもいいです。

有在庫でないと管理が難しい商品選び、仕入れ先、物流、価格改定などで差を出しているためです。もちろん無断転載はいけないことですが結局画像をそのまま真似されることで簡単に売上が落ちてしまう程度のビジネスモデルしか築けていない時点でその有在庫セラーは終わりです。

有在庫セラー側の対策としてはAIで学習出来ないように写真を撮っていくことが今後の課題となります。

デジタル透かしでショップ名を入れて対策をしている人もいますがデジタル透かしはAIで簡単に除去できるのでほとんど効果はありません。やるのであれば物理的にショップ名を書いたプレートなどを商品に被るように掲載しましょう。

商品と被らないようにプレートを掲載してもその部分だけ切り取られてAIで学習されるので結局意味はないです。(厳密に言えばお客さんに対してのブランディグ効果は残るので意味がなくはないですが)

学習されないようにあえてネオンライトにしたりピンボケにしたりなどしても今度は売れなくなってしまうのでそれも全く本質的ではありません。結局無在庫セラーに真似されるような商材でなく有在庫セラーだからこそ扱える商品を扱うように切り替えた方がストレスも溜まらずいいでしょう。

無在庫販売では有在庫セラーが扱わないような商品を扱う、有在庫販売では無在庫セラーが扱わないような商品を扱う、これが鉄則です。どちらか一方に取り組むとしてどちらのやり方も知っていた方がいいのでぜひブログの他の記事で学んでいってください。

彼を知り己を知れば百戦殆からず、です。

 

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