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はじめに:「OEMはもう遅い」は本当か?
「中国輸入OEMはもう飽和してるんでしょ?」
確かにその通りです。2015年頃から始まったOEMブームで、Amazonには似たような商品が溢れかえっています。ワイヤレスイヤホン、モバイルバッテリー、ヨガマット…どれも同じような商品ばかり。
しかし今でも新規で始めて稼いでいる人もいます。これにはどんなカラクリが隠されているでしょうか。
飽和市場で勝つには「他と同じことをしない」これに尽きます。本記事では、2025年の今だからこそ使える新しいOEM戦略を、実際の成功事例とともに解説していきます。
特に注目すべきは、TemuやTikTok Shopなど新興プラットフォームの登場により、テストマーケティングのハードルが劇的に下がったこと。そして、Amazon×楽天の二刀流戦略により、リスクを分散しながら売上を最大化できるようになったことです。
なぜ2025年の今、OEMに新たなチャンスがあるのか
市場環境の劇的な変化
1. 中国工場の二極化が進んだ 以前は品質にばらつきがあった中国工場も、2025年現在では明確に二極化しています。
- ハイエンド工場:Apple製品も作れるレベル
- ローエンド工場:相変わらずの低品質
この二極化により、品質で差別化できる余地が大きく広がりました。
2. 小ロット高付加価値が可能に 3Dプリンターやデジタル印刷技術の進化により、100個からでも複雑なカスタマイズが可能になりました。以前なら1000個単位でしか作れなかったオリジナル商品が、小ロットで実現できます。
3. 日本市場の特殊性が武器になる グローバル化が進む中、逆に「日本人にしか分からないニーズ」が差別化ポイントになっています。海外セラーには真似できない、日本特有の商品開発が可能です。
データドリブンOEMの時代へ
2025年のOEMで最も重要なのは「勘に頼らない商品開発」です。
従来のOEM
- なんとなく売れそうな商品を考える
- 工場に相談して試作
- 大量発注
- 売れなくて在庫の山
2025年型OEM
- データ分析で需要を発見
- Temuで類似品を仕入れてテスト販売
- 売れ行きを見てOEM化
- 確実に売れる分だけ発注
この違いが、成功と失敗を分けます。
Temuを使った革新的テストマーケティング手法
なぜTemuがテスト仕入れに最適なのか
Temuは中国のPDD(拼多多)が運営する越境ECで、以下の特徴があります。
Temuの利点
- 最安値で中国商品が買える
- 1個から購入可能
- 日本への直送対応
- 返品も簡単
つまり、OEM化する前の「市場の反応を見る」段階で、最小限のリスクで検証できるんです。
従来のAlibabaを使ったやり方でももちろんいいのですが今始めるのであればTemuで自宅に届く商品を実際に手に触ってみて気になった工場に代行会社経由でアプローチしてもらいOEMを行うのがいいです。
実践:Temuテストマーケティングの手順
ステップ1:商品リサーチ
1. Amazonでキーワード検索(例:「防水バッグ」)
2. レビュー数100以下、評価3.5以上の商品をピックアップ
3. その商品の「改善してほしい点」レビューを分析
4. 改善ポイントをメモ
ステップ2:Temuで類似品調達
1. Temuで同カテゴリー商品を検索
2. 改善ポイントに近い商品を5-10種類購入
3. 1商品あたり3-5個購入(テスト販売用)
4. 合計投資額:3-5万円程度
ステップ3:テスト販売
1. Amazonに新規出品(FBA納品)
2. 価格は競合の70-80%に設定
3. 2週間の販売データを収集
4. 日販3個以上 → OEM化検討
初心者はこれくらい慎重にやりましょう。
実例:防水スマホケースで月商300万円
Dさん(40代女性)の事例を紹介します。
リサーチで発見した改善ポイント
- 「指紋認証が効かない」というレビューが多数
- 「ストラップが切れやすい」という不満
Temuでのテスト
- 指紋認証対応を謳う商品を5種類購入
- 各10個、計50個を仕入れ(約15,000円)
- Amazon FBAでテスト販売
結果
- 1種類が日販5個ペースで売れる
- レビューも好評(★4.5)
- この商品をベースにOEM化決定
OEM化後
- ストラップを強化
- パッケージを日本向けにデザイン
- 月間1000個販売、月商300万円達成
THE直行便を使った最速輸入戦略

なぜTHE直行便なのか
数ある代行会社の中で、THE直行便を推奨する理由は明確です。
THE直行便の強み
- 圧倒的なスピード:最短3日で日本到着
- 小ロット対応:1箱からでもOK
- FBA直送:面倒な国内作業不要
- 日本語サポート:トラブル時も安心
- コストが最安:結局ここも大切です。
- OEMに慣れている:クライアントが多いため工場とのやりとりに非常に慣れています。
ただし担当者の当たり外れはあります。当ブログ経由の紹介だとなるべく当たりの担当者を付けもらうようにしていますがそれでも合う・合わないはあると思うのでいざという時は替えてもらいましょう。中国輸入は工場とのやりとりと検品、トラブル時の対応が命なので上級者になっても9割が代行会社を使っておりその多くがTHE 直行便を使っています。
Temuでテスト的に仕入れる段階であれば代行会社を挟む必要はなく自宅やオフィスに直送するだけで問題ありませんがいざOEMを始めるときはどこでも代行会社の利用をおすすめします。私のおすすめはTHE 直行便です。

THE直行便活用の実践テクニック
1. 段階的発注で在庫リスク回避
初回:100個(航空便)
2回目:300個(航空便)
3回目:500個(船便+航空便併用)
4回目以降:需要に応じて調整
2. FBA直送の注意点
- 商品ラベル貼付けは中国で完了させる
- 段ボールサイズはFBA規定に合わせる
- 納品プランは事前に作成
3. コスト計算の実例
商品原価:1個500円
THE直行便送料:1個あたり150円
関税・消費税:1個あたり80円
Amazon FBA手数料:1個あたり400円
総コスト:1,130円
販売価格:2,980円
利益:1,850円(利益率62%)
粗利で6割は欲しいところです。ここから広告費や人件費で3割~4割使い最終的に20%弱の利益率になるのが健全な状態です。
トラブル回避のポイント
よくあるトラブルと対策
- 通関で止まる
- 対策:インボイスの記載を正確に
- 商品名は具体的に(× アクセサリー → ○ ステンレス製ネックレス)
- FBA納品不備
- 対策:THE直行便の「FBA納品代行オプション」を利用
- 月額5,000円で面倒な作業を丸投げ
- 品質トラブル
- 対策:初回は必ず「サンプル確認」を挟む
- 量産前に30個程度を航空便で取り寄せ
Amazon×楽天の二刀流販売戦略
なぜ複数販路が必須なのか
「Amazonだけでいいのでは」と思うかもしれません。それは古い情報です。新規参入でAmazonだけだとかなりのマーケティングスキルか商品力、またはその両方が求められることになります。
単一販路のリスク
- アカウント停止で収入ゼロ
- アルゴリズム変更で順位急落
- 価格競争に巻き込まれやすい
一方、Amazon×楽天の二刀流なら:
- リスク分散
- 客層の違いを活かせる
- 相乗効果で認知度アップ
プラットフォーム別の特徴と攻略法
Amazon
- メリット:集客力最強、FBAで楽
- デメリット:競争激しい、手数料高い
- 攻略法:SEO対策、レビュー獲得、広告運用
楽天
- メリット:利益率高い、リピーター多い
- デメリット:初期費用高い、運営の手間
- 攻略法:イベント活用、ポイント戦略、メルマガ
実践:商品の出し分け戦略
同じ商品でも、販路によって見せ方を変えることが重要です。
事例:アウトドア用LEDランタン
Amazon版
- 商品名:【2025最新】LEDランタン USB充電式 1000ルーメン 防水IPX6
- 価格:3,980円
- 訴求:スペック重視、比較されても勝てる性能
楽天版
- 商品名:【楽天ランキング1位】キャンプ ランタン LED おしゃれ 充電式 防災にも
- 価格:4,480円(ポイント10倍)
- 訴求:デザイン性、ギフト需要、防災用品として
結果:Amazonで月500個、楽天で月300個販売
在庫配分の基本戦略
総在庫1000個の場合:
Amazon FBA:600個
楽天(自社倉庫):300個
予備在庫:100個
売れ行きを見ながら、2週間ごとに配分を調整します。
知的財産権を武器にする商品開発
デザイン特許・実用新案の活用
「特許なんて大企業のもの」と思っていませんか?実は中小企業や個人でも、簡単に知的財産権を取得できます。
実用新案のメリット
- 審査なしで登録(早い)
- 費用が安い(5-10万円)
- Amazonで「特許出願中」表記可能
デザイン登録のメリット
- 見た目を保護
- 模倣品対策に有効
- 6ヶ月程度で登録
実例:収納ボックスで独占販売
Eさん(30代男性)は、実用新案を活用して月商500万円を達成しました。
開発した商品 折りたたみ式収納ボックス(仕切り位置を自由に変更可能)
実用新案の内容
- 仕切り板の固定機構
- 折りたたみ時のロック機構
費用と効果
- 実用新案登録:8万円
- 弁理士費用:15万円
- 効果:模倣品の排除に成功、独占販売を維持
売上推移
- 1ヶ月目:50万円
- 3ヶ月目:200万円
- 6ヶ月目:500万円(現在も継続)
商標登録でブランド構築
商標は最強の参入障壁です。特にAmazonでは、商標登録があれば以下の特典があります。
Amazon Brand Registryの特典
- A+コンテンツ(商品ページ強化)
- ブランドストア開設
- スポンサーブランド広告
- 偽造品の自動検知
商標登録の手順
- 類似商標の調査(J-PlatPat)
- 区分の選定(第18類:かばん類など)
- 出願(3-5万円)
- 登録まで8-12ヶ月
OEM工場との交渉術:WIN-WINを作る方法
優良工場の見つけ方
1688.comやアリババで工場を探すのは基本中の基本。でも、本当に良い工場は別の方法で見つけます。
穴場の工場発見法
- 展示会での直接交渉
- 広州交易会(毎年4月、10月)
- 義烏小商品市場
- 深センエレクトロニクス展
- 競合商品からの逆引き
- Amazonで売れている商品を購入
- パッケージの製造元を確認
- その工場に直接コンタクト
- 現地エージェント活用
- 日本語対応可能
- 工場の信用調査込み
- 費用:月額3-5万円
またすでに書いたように最近がtemuで製品を作っている所にコンタクトを取るやり方をおすすめしています。
価格交渉の実践テクニック
中国工場との交渉は「押し引き」が重要。以下のようなテクニックを使い分けます。
1. 競合比較を武器に
「A工場は1個8元って言ってるけど、品質を見て御社にお願いしたい。 7.5元なら即決します。」
2. 発注数量の段階提示
「今回は1000個だけど、売れ行き次第で月5000個の定期発注も検討中。 その場合の価格も教えてください。」
3. 支払い条件での交渉
「前金50%じゃなくて30%にしてくれたら、0.3元アップでもOKです。」
品質管理の仕組み作り
OEMで最も怖いのが品質トラブル。これを防ぐシステムを作ります。
三段階検品システム
- 工場出荷前検品
- 全体の10%を抜き取り検査
- チェックリストに基づく確認
- 不良率3%以上なら全数検品
- THE直行便での中間検品
- オプションサービスを活用
- 1箱あたり200円程度
- 写真付きレポート
- FBA納品前の最終確認(日本での検品)
- 初回ロットは自社でも確認
- 問題があれば即座に工場にフィードバック
リサーチから販売まで:90日間のロードマップ
1-30日目:リサーチ&テスト期
Week 1-2:市場調査
- Keepaで過去6ヶ月の販売データ分析
- レビュー分析で改善ポイント抽出
- 競合商品の強み・弱み整理
Week 3-4:Temuテスト
- 候補商品5-10種類を購入
- 簡易的な商品ページ作成
- Amazon・楽天で同時テスト
31-60日目:OEM開発期
Week 5-6:工場選定
- 3-5社から見積もり取得
- サンプル作成依頼
- 品質・価格・対応を総合評価
Week 7-8:仕様確定
- 改良ポイントの具体化
- パッケージデザイン作成
- 初回ロット数決定(300-500個)
61-90日目:販売開始期
Week 9-10:量産&輸入
- 本生産スタート
- THE直行便で輸入手配
- Amazon・楽天の出品準備
Week 11-12:プロモーション
- スポンサープロダクト広告開始
- 初回購入者限定クーポン
- レビュー依頼の仕組み構築
成功指標(KPI)
90日後の目標数値
- 月商:100万円
- 利益率:40%以上
- 在庫回転率:月2回転
- レビュー評価:★4.0以上
2025年以降も勝ち続けるための3つの戦略
1. ニッチ×高付加価値
大量生産・薄利多売の時代は終わりました。これからは「少数のお客様に深く愛される商品」が勝ちます。
成功事例:ペット用品特化
- ターゲット:小型犬の飼い主
- 商品:オーダーメイド首輪
- 価格:8,000円(原価2,000円)
- 月販:200個(月商160万円)
2. サブスクリプション化
単発販売から継続課金モデルへ。OEM商品でもサブスクは可能です。
サブスク化できる商品例
- 消耗品(フィルター、カートリッジ)
- 定期交換品(歯ブラシ、剃刀)
- 季節商品セット(年4回お届け)
3. コミュニティ形成
商品を売るだけでなく、ユーザーコミュニティを作ることで、強固なブランドを構築できます。
コミュニティ運営のポイント
- LINE公式アカウントで情報発信
- ユーザー参加型の商品開発
- アンバサダー制度の導入
まとめ:飽和市場でこそ差別化のチャンスがある
中国輸入OEMは確かに競争が激しくなっています。でも、だからこそチャンスなんです。
多くのセラーが「もう遅い」と諦めている今、本記事で紹介した新しいアプローチを実践すれば、必ず突破口は見つかります。
成功のカギは3つ
- Temuでリスクを最小化したテスト
- THE直行便でスピード勝負
- Amazon×楽天で売上最大化
さらに、知的財産権やコミュニティ形成など、参入障壁を作ることで、長期的に安定したビジネスが構築できます。
まずは1商品、Temuでテストすることから始めてみてください。その小さな一歩が、安定化の最低ラインである月商1000万円への第一歩になるはずです。
2025年の中国輸入OEM、まだまだチャンスは転がっています。行動する人だけがその果実を手に出来ます。