Amazonのサクラによるやらせレビューの見分け方

近年問題となっているECサイトのサクラによるやらせレビューですが、Amazonの商品ページに対するレビューもその範疇に含まれます。

Amazonのレビューを信じて商品を購入したら全然期待していたものと違うものが届いた、という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?

この記事ではそんなAmazonのサクラレビューの見分け方を解説します。

サクラによるやらせレビューの見分け方

  1. タイトルのつけ方
  2. 画像
  3. 商品ジャンル
  4. 出品者情報・地域
  5. ショップレビュー
  6. レビュー分布
  7. レビュー日付
  8. レビュー数が少ない
  9. 日本語が怪しいページ・レビュー
  10. ライバル社からの悪評(工作員レビュー)

タイトルのつけ方

Amazonサクラレビュー例

Amazonではメーカー名 商品名(ブランド名) 特徴の順にタイトルを書くのが正しいやり方なのですがサクラレビューが入りやすい商品ページは【2020年最新版】、【Bluetooth5.0対応】などルールを守っていないものが多いです。

しかしそのようなセラーがこのページを見て学習する可能性もあるのでタイトルだけで判別するのは危険です。

例に挙げたページは星5の評価が24個付いていましたがサクラチェッカーというサクラレビュー工作がされているかどうかある程度判断できるサイトでチェックすると評価は2.2でした。

サクラチェッカー

ただしこれからサクラレビューの見分け方を解説しますがサクラレビューの入れ方は巧妙化していますしこの記事にまとめたようにどこまでをサクラレビューと言うかは難しいです。またサクラレビューを販促方法として活用して普通にいい商品を売っている企業も多いです。サクラチェッカーはそういった判断が出来ないレビューまで見抜いてくれる訳ではありません。

サクラによるレビュー工作問題はインターネット社会では尽きない問題なので消費者としていい商品を買うためにもサクラレビューを見抜けるようになりましょう。

画像

Amazon白画像

Amazonではトップに使っていい画像は白抜き背景の画像と決まっているのにルールを守っていないセラーはサクラレビューを入れている可能性があります。特に文字が入っている場合に当てはまります。

しかし楽天で出品している商品ページの画像をAmazonのルールを知らずに出しているだけの可能性もあるので画像だけで判断するのも早計です。

またトップ画像以外でも中国のセラーは商品画像中に使われている漢字を中国語の簡体字や繁体字にしています。これはPhotoshopやIllustratorの設定をそのまま使っているためでしょう。

例えば以下の画像、本来ならば10種類と表記すべきところを10種类としてしまっています。

慣れてくると漢字は合っていてもフォントだけで中国セラーの商品であると見抜けるようになります。

商品ジャンル

「キャンプ用品」「スポーツアパレル」「電子機器」「モバイルバッテリー」「PC周辺機器」「ゲーム周辺機器」「美容系家電」など中国輸入OEMで製造しやすい商品の商品ページにはサクラレビューが施されている可能性があります。

しかしこれらのジャンルに中華系セラーが多いだけであって他のジャンルでもサクラレビューが入っていることは全然あるので注意しましょう。

出品者情報・地域

一般的に出品者が登録している住所が中国になっている場合サクラレビューを行なっている可能性が高まります。

中国のECコンサルタントと話した際に聞いたのはレビュー工作はタオバオやアリババ(中国のECサイト)でも当然のように行われていて中国文化としてレビュー工作は当然のように行われているし消費者もそれを分かった上で選んで買っているとのことでした。日本のAmazonで商品を売る中国セラーが増えていてサクラレビューをするのもそうすれば商品が売れるから、ということです。
文化なので悪いと言う意識はありません、私は変に納得してしまいました。

もちろんまともに販売している中国セラーもいますし日本のセラーでもサクラによるやらせレビューを行なっているセラーはいくらでもいるので出品者情報は参考までにしましょう。

ショップレビュー

Amazonショップレビュー

一見評価がそこそこあるように見えてもサクラレビューを入れている急激なショップレビューの悪化が見られるかどうかで判断できます。Amazonでは直近の評価を見ましょう。

目安は否定的なレビュー5%以下(肯定的なレビュー95%以上)です。

レビュー分布

Amazon評価分布

レビューが星5ばかりかレビューが星5と星1のレビューが多い商品ページはサクラレビューが行われている可能性が非常に高いです。

後者の場合はサクラレビューのメッキが剥がれて後から真の評価がされているページと言うことになります。

しかしサクラレビューを入れたことを知っている商品ページでも以下のような分布になっている商品ページもありました。

Amazon評価分布2

結局いい商品であればサクラレビューでレビューが水増しされてもその後もいいレビューが続き売れています。

世間の人が考えている以上にサクラレビューというのは横行していますし戦略的に施されたサクラレビューは見分るのが難しいです。

レビュー日付

レビューが発売日から1~3日にまとまっていてその後ほとんどレビューがない商品ページはサクラレビューに汚染されている可能性が高いです。

レビュー数が少ない

本に対するサクラレビューに多いですがレビュワーのプロフィールを見ると1~3商品しかレビューを行なっていない人ばかりがレビューをしている商品ページがありこれはサクラレビューの可能性が高いです。

しかし後ほど解説するAmazonレビューの募集グループなどで普段からレビューを書いている人は当然レビュー数が多いのでレビュー数が多い人がレビューしているからと言って安心はできません。

日本語が怪しいページ・レビュー

商品ページの日本語の使い方がおかしかったりレビュワーの日本語がおかしいページはサクラレビューを入れている確率が非常に高いです。

しかし後から解説しますが最近は日本人にレビュー依頼を出しているケースが多いので日本語が怪しいレビューは少しずつですが減ってきています。

ライバル社からの悪評(工作員レビュー)

サクラレビューが付きやすい商品ジャンルで商品を販売しているサクラレビューを行なっている出品物が嫌がらせでこちらの商品を購入し悪いレビューを付けて来ることがあります。

Amazonに文句を言っても証拠がないのでほとんどの場合当時者同士でご解決ください、と言われて泣き寝入りをすることになります。

そういったレビューを決してもらえるケースもありますが消してもらえるまで1~2ヶ月かかりその間は売上が落ちます。レビューが消えた後もAmazonのSEO(検索エンジン最適化)の効果は落ちているため回復するのは稀です。

どこまでをサクラレビューと見なすか問題

Amazonの規約では商品の製造者の家族やメーカーの社員がレビューを行うことを禁止しています。

では家族ではなく親族や友人・ビジネスパートナーだったらどうでしょうか?

SNSのフォロワーに新商品出すから良かったら買って、と促すのはどうなのでしょうか?

実はこちらも以下のようにガイドラインで禁止されています。

  1. ご自身(または親戚、親しい友人、仕事関係者や従業員)の商品やサービスについて、投稿する。
  2. 自身の競合他社の商品やサービスについて投稿する。
  3. 対価(無料または割引商品を含む)と引き換えるため、または他の人に代わって投稿する。
  4. 対価(無料または割引商品)と引き換えることを条件に投稿を依頼する、または投稿することを条件に、対価(無料または割引商品)を受け取ることを要求する。
  5. 宣伝や勧誘を投稿する。(紹介者のタグやアフィリエイトコードを含んだURLを含む)

しかし実際問題としてはこれらのことは行われています。

苗字が同じで同じ住所に住んでいる親族からレビューを受けている場合やクーポンを発行して割引を行ってレビューをしてもらっているような場合はAmazon側で判断可能なので後から無効にされるケースが増えています。

しかしSNSのファンが多い人やメルマガの購読者が多い人がAmazonで新商品を出したから良かったら買って、と言った場合それは親しい友人に当たるのかどうか、というと判断が難しいのでAmazonに問い合わせてみた所ガイドラインに書いてあることが全てです、の一点張りでした。

一社員レベルで見解を判断できることではないので妥当な返しだとは思いますがそうなると家族や苗字、住所の同じ親族、割引クーポンを発行してレビューをもらう場合以外のサクラレビューはAmazon側ではほぼ判断できないことになりますし実際サクラレビューがされている商品が蔓延しています。

私はAIの研究が専門だったのでAIが発展してもサクラレビューを完全に見抜くようなことは不可能だと断言できます。

レビュー分布やレビューの日付からサクラレビューっぽいな、ということは確かに判断できます。

星5の評価がやたらと多くて星2~4が少なくて星1が多いものはサクラレビューが多いです。

販売開始から3日程度に一気にレビューが固まっていてその後のレビューが少ない場合もサクラによるやらせレビューのケースが多いです。

これは本来星5が付くに値しない商品をサクラレビューによって判断基準を歪めているから起こる問題で中華系のセラーが販売する商品に多い現象です。

またサクラレビューを販売開始日数日に集中させるのではなく分散されれば見抜くことは出来ません。

しかしサクラレビューが入れられたページでも本当に商品自体が良ければ星1が増えることはありません。

個人的には本当にいい商品であるならばサクラレビューが行われていても別にいいと思います。むしろいい商品を買わせてくれてありがとう、という気持ちになります。サクラレビューが行われていたことにさえ気づかないでしょう。

ただ実態としては評価に見合わない商品であることが多いのでやはりサクラレビューは重大な問題です。

そしてこれらのことは中華系企業だけでなく日本の企業の間でも当たり前に行われていることです。

特にガイドラインの一行目にある仕事関係者によるレビューの禁止ですが、レビュー依頼をしていなくても忖度により勝手に協力するケースは山ほどあります。

国会での森友学園学園の忖度問題も曖昧なまま終わったように忖度、あるいは相互協力などが行われている場合は見抜くことができません。

どこまでをサクラレビューと言うのかが曖昧ですし判断も曖昧になります。

そうなると結局ユーザー側でサクラレビューを見抜いていくしかないのです。

Amazonレビューの募集グループの存在

Amazon_review_-_Facebookレビュー

FacebookグループやLineグループなどでAmazonのレビューを募集しているグループが世の中には多数存在しています。

調査のために中を覗いてみましたが中国語での書き込みが非常に多かったものの日本人も多数参加している状況でした。

もちろんこういったグループに参加すること自体は何も悪いことではありませんしレビューをすることも悪いことではありません。

ただお金を支払ってレビューをしてもらうことやお金をもらってレビューをすることはAmazonの規約違反です。

グループ内では巧妙にレビューをしてくれたら謝礼を支払うということは書かれていませんでした。証拠が残るのを回避しているのでしょう。

レビュー希望者募集、と書かれた書き込みが多く試しにコンタクトを取ってみましたがAmazonの商品を購入後、商品代金をAlipay(中国のPaypalのようなもの)で支払うと言われました。

所々日本語がおかしかったのと支払い方法がAlipayの為十中八九中国のセラーですね。

しかし中国の知り合いに聞いた所中国ではAmazonアカウントが仮に凍結になっても親族が多いからアカウントをまた作るのは簡単と言っていました。

これでは日本のセラーが圧倒的に不利です。

しかし数が多すぎてAmazonの社員がサクラレビュー依頼が行われているかどうか調べ上げるのは現実的に無理だと思います。

AIでの判別も期待できません。

結局Amazon購入者側のサクラレビューを見極める目が育たない限りは中国系セラーと同じ商品を売っても勝つことは出来ません。

※話を分かりやすくするために中国系セラーとくくりましたがサクラレビューを行なっているのは一部の中国セラーでありこの記事の途中にも書きましたが一部の日系企業のもサクラレビューは行っています。またAmazonのガイドラインを厳密に解釈すると世の中の半数以上の会社のレビューがガイドラインに抵触すると思います。
そしてサクラレビューは日本だけでなくアメリカのAmazonやイギリスのAmazonでも問題となっています。

この記事を読んでサクラレビューを見抜ける方が増えてくれればまともに販売を行なっている出品者も救われるので参考になれば幸いです。

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