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ACoSが高止まりする原因はキーワードにある
ACoSが40%以上で高止まりする原因の80%はキーワード選定の問題だ。購買意図の低いキーワードや競合が過多なキーワードに予算を使い続けることで、クリック費用は高いのに成約が取れない状態が続く。キーワードを整理してACoS15%以下に下げたコンサル先では月の広告費を50%削減しながら売上を維持した。

Amazon物販をやっていると、SP広告(スポンサープロダクト広告)を出稿している人は多いと思います。私のコンサル先でも、ほぼ全員がSP広告を活用しています。ただ、その大半がACoS(広告費売上比率)30〜40%という高い水準で停滞しているんです。
「広告を出しているのに利益が残らない」「広告費ばかりかさんで赤字になっている」という相談は本当に多いです。特に中国輸入やOEM商品を扱っているセラーに多い傾向があります。
では、なぜACoSが高止まりするのか。私がコンサル先の広告アカウントを分析してきた経験から言うと、原因の8割はキーワード選定と入札設定の問題です。商品ページの作り込みが甘いケースもありますが、そもそも的外れなキーワードに広告費を垂れ流していたり、入札額が適切でなかったりするケースが圧倒的に多いです。
従来、キーワードの最適化は手作業で膨大な時間がかかる作業でした。検索語レポートをダウンロードして、Excelで一つひとつ分析して、入札額を調整して……。この作業を毎週やるのは現実的ではありません。だからこそ多くのセラーが「設定したら放置」になってしまうわけです。
ここでAI(ChatGPTやClaude)の出番です。AIを活用すれば、このキーワード最適化のプロセスが根本的に変わります。数時間かかっていた分析が数分で終わり、人間では見落としがちなパターンも発見できます。
実際に私のコンサル先の家電セラーAさんの事例をお話しします。Aさんは加湿器を販売していて、SP広告のACoSが常に40%前後でした。広告費が月に約30万円、そのうち12万円が無駄な検索語への広告費でした。AIを使ったキーワード最適化を実施した結果、3ヶ月でACoSを40%から15%まで下げることに成功しました。広告費は月20万円に抑えながら、売上は逆に1.3倍に伸びています。
この記事では、Aさんの事例も交えながら、AIを使ってSP広告のキーワードを最適化する具体的な手順を全て公開します。初心者の方でも再現できるよう、プロンプト例も載せているので、ぜひ実践してみてください。
なお、ここで言うAIとは主にChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデルを指しています。専門的なツールを購入する必要はなく、無料版でも十分に活用できます。大事なのはツールそのものではなく、「何を分析させるか」「どうプロンプトを書くか」という運用面です。
SP広告の基本構造を理解する
Amazon SP広告の基本構造は「キーワードターゲティング(指定したKWで表示)・オートターゲティング(Amazonが自動でKWを選定)・商品ターゲティング(競合商品のページに表示)」の3種類だ。初期はオートで始めてデータを取り、2週間後に手動キャンペーンに移行してKWを精選するのが最も効率的なACoS改善の手順だ。

キーワード最適化の手順に入る前に、SP広告の基本構造を押さえておきましょう。ここを理解していないと、そもそも何を最適化すべきかが分からなくなります。
オートターゲティングとマニュアルターゲティング
SP広告には大きく分けて2つのターゲティング方式があります。
オートターゲティングは、Amazonのアルゴリズムが自動的にキーワードを選んで広告を表示してくれる方式です。手間がかからない反面、関係のない検索語にも広告が出てしまうことがあります。ただし、オートターゲティングには重要な役割があります。それは「どんな検索語で自分の商品が表示されるか」というデータを収集できることです。
マニュアルターゲティングは、自分でキーワードを指定して広告を出す方式です。狙ったキーワードにピンポイントで広告を出せるので、コントロール性が高いです。ただし、適切なキーワードを選ばないと効果が出ません。
この2つの使い分けが非常に重要です。基本戦略は「オートで探索→マニュアルで攻める」という流れです。オートターゲティングでデータを集め、そこからコンバージョンが出ているキーワードを見つけ出し、マニュアルターゲティングに移行するのが王道パターンです。
マッチタイプの違い
マニュアルターゲティングでキーワードを設定する際、3つのマッチタイプを選びます。
完全一致は、指定したキーワードとほぼ同じ検索語にのみ広告が表示されます。例えば「加湿器 卓上」と設定した場合、「加湿器 卓上」や「卓上 加湿器」で検索したときに表示されます。最もコントロール性が高く、無駄が少ないです。
フレーズ一致は、指定したキーワードを含む検索語に広告が表示されます。「加湿器 卓上」と設定した場合、「加湿器 卓上 おしゃれ」「加湿器 卓上 USB」などにも表示されます。完全一致より広い範囲をカバーできます。
部分一致は、指定したキーワードに関連する幅広い検索語に広告が表示されます。「加湿器 卓上」と設定した場合、「デスク 加湿 コンパクト」のような関連語にも表示される可能性があります。最も広い範囲をカバーしますが、無関係な検索語にも表示されやすいです。
よくある失敗パターン
私のコンサル先でよく見る失敗パターンがあります。それは「全てのキーワードを部分一致で設定している」というケースです。
先ほどの家電セラーAさんも、最初はまさにこの状態でした。20個のキーワードを全て部分一致で登録していたんです。その結果、何が起きていたかというと、「加湿器」というキーワードに対して「加湿器 修理」「加湿器 捨て方」「加湿器 カビ」といった購買意欲がゼロの検索語にも広告が表示されていました。
検索語レポートを確認したところ、広告がクリックされた検索語の約40%が購買に関係のないものでした。つまり、広告費の40%が完全に無駄になっていたわけです。月30万円の広告費のうち12万円がドブに捨てられていた計算になります。
こういった問題を発見し、解決するためにAIが非常に有効です。次のセクションから、具体的な手順を解説していきます。
AIでキーワードを選定する手順
AIでSP広告キーワードを選定する手順は「①自商品の特徴・用途・対象者をChatGPTに入力→②「Amazon SP広告向けの購買意図の高いキーワードを30個リストアップして」と依頼→③Helium10等で検索ボリュームを確認→④競合入札単価と照らしてCPA予測を立てる」の4ステップだ。

ここからが本題です。AIを使ってSP広告のキーワードを選定・最適化する手順を、3つのステップに分けて解説します。
ステップ1: オートキャンペーンでデータを収集する(2〜4週間)
まず最初にやるべきことは、オートターゲティングキャンペーンを作成してデータを収集することです。すでにオートキャンペーンを回している方は、このステップは飛ばしてください。
オートキャンペーンの設定ポイントは以下の通りです。
日予算は最低でも2,000〜3,000円に設定してください。予算が少なすぎると十分なデータが集まらず、分析の精度が下がります。商品単価にもよりますが、2週間で最低100クリック以上のデータが欲しいところです。
入札額はAmazonの推奨入札額の1.0〜1.2倍程度で設定します。最初は少し高めに設定して、インプレッション(広告表示回数)を確保することが重要です。データが集まらなければ分析もできません。
オートターゲティングには「ほぼ一致」「大まかな一致」「代替商品」「補完商品」の4つのターゲティンググループがありますが、最初は全てオンにしておいてください。データ収集の段階では、できるだけ幅広い検索語のデータを取ることが目的です。
このデータ収集期間は最低2週間、理想的には4週間確保してください。データ量が多いほど、次のステップでのAI分析の精度が上がります。
ステップ2: 検索語レポートをAIで分析する
2〜4週間のデータが溜まったら、セラーセントラルから検索語レポートをダウンロードします。
ダウンロード手順は以下の通りです。
セラーセントラルにログインし、「広告」→「広告レポート」に進みます。レポートタイプで「検索語」を選択し、期間を「過去30日」に設定してレポートを作成します。CSVファイルがダウンロードできるので、これをAIに読み込ませます。
ChatGPTの場合はファイルをアップロードする機能を使い、Claudeの場合もファイル添付機能を使ってCSVを読み込ませます。その上で、以下のプロンプトを実行してください。
添付したCSVファイルはAmazon SP広告の検索語レポートです。
以下の分析を行ってください。
1. 【高パフォーマンスKW】
コンバージョンが1件以上あり、ACoSが{目標ACoS}%以下のキーワードを抽出
- クリック数、注文数、売上、ACoS、CVRを表形式で出力
2. 【要改善KW】
コンバージョンはあるがACoSが{目標ACoS}%を超えているキーワードを抽出
- 入札額の引き下げ候補として表形式で出力
3. 【除外候補KW】
クリック数が10以上あるのにコンバージョンが0のキーワードを抽出
- 広告費の無駄になっている金額順にソートして出力
4. 【総合分析】
上記の分析結果をもとに、以下を提案してください
- マニュアルキャンペーンに移行すべきキーワードとそのマッチタイプ
- 除外すべきキーワードのリスト
- 今後テストすべきキーワードの候補
このプロンプトの{目標ACoS}の部分は、自分の目標ACoSに置き換えてください。一般的には15〜25%が目標値として多いです。商品の利益率によって変わるので、自分の商品に合わせて設定してください。
AIが分析結果を返してくれたら、3つのカテゴリに分類されたキーワードリストが手に入ります。このリストが、次のマニュアルキャンペーン設定の基盤になります。
ステップ3: マニュアルキャンペーンを構築する
AIの分析結果をもとに、マニュアルキャンペーンを構築します。ここでのポイントは、キーワードのパフォーマンスに応じてマッチタイプを使い分けることです。
高パフォーマンスKW(CVRが高く、ACoSが目標以下)は完全一致で設定します。これらは既に成果が出ているキーワードなので、完全一致でピンポイントに攻めます。入札額はオートキャンペーン時より10〜20%高めに設定して、表示順位を上げにいきます。
中パフォーマンスKW(CVはあるがACoSが目標を超えている)はフレーズ一致で設定します。入札額はオートキャンペーン時より10〜20%低めに設定して、コストを抑えながらデータを追加収集します。
新規探索用のキーワードは部分一致で設定しますが、必ず除外キーワードとセットで設定します。AIが提案してくれた「今後テストすべきキーワード候補」をここで使います。
マニュアルキャンペーンの構造についても触れておきます。キャンペーンは目的別に分けて管理するのがベストプラクティスです。具体的には「攻めのキャンペーン(完全一致・高パフォーマンスKW)」「育成キャンペーン(フレーズ一致・中パフォーマンスKW)」「探索キャンペーン(部分一致・新規KW)」の3つに分けると、予算配分や入札管理がしやすくなります。
予算配分の目安としては、攻めのキャンペーンに全体の50〜60%、育成キャンペーンに20〜30%、探索キャンペーンに10〜20%を割り当てるのがおすすめです。成果が出ているキーワードに予算を集中させつつ、新しいキーワードの発掘も継続的に行うバランスが重要です。
コンサル先のAさんの場合、AIの分析で以下のことが分かりました。高パフォーマンスKWが8個(「加湿器 卓上 USB」「加湿器 オフィス 静音」など)、要改善KWが12個、除外候補KWが35個。この結果をもとにマニュアルキャンペーンを3つに分けて組み直したところ、初月からACoSが40%→28%に改善しました。
入札戦略をAIで最適化する
入札戦略の最適化はChatGPTに「以下のキーワード別ACoS・クリック数・CVRのデータを元に予算配分の改善案を提案して」と依頼することで自動化できる。ACoS20%以下のKWは入札を10〜20%増やし、ACoS30%以上のKWは入札を下げるか除外する判断を毎週繰り返すことが15%以下への最短ルートになる。
キーワードの選定ができたら、次は入札額の最適化です。多くのセラーが「なんとなく」で入札額を設定していますが、入札額はキーワードごとに最適な金額が異なります。ここをAIで最適化することで、同じ広告費でもはるかに高い成果を出すことができます。
入札額の基本的な考え方
入札額を決める際に最も重要な指標は、キーワードごとの「1注文あたりの広告費(CPA)」です。
例えば、ある商品の販売価格が3,000円で利益率が30%だとすると、利益は900円です。この場合、1注文を取るために900円以上の広告費を使ったら赤字になります。つまり、CPAの上限は900円ということになります。
CPAの上限が分かれば、そこから逆算して入札額の上限を算出できます。計算式は「CPA上限 × CVR = 入札額上限」です。CVR(コンバージョン率)が10%のキーワードなら、900円 × 10% = 90円が入札額の上限になります。
ただし、この計算をキーワードごとに手作業でやるのは非常に面倒です。キーワードが50個、100個とあると、それだけで数時間かかります。ここでAIの出番です。
AIで最適入札額を算出する
検索語レポートのCSVデータをAIに読み込ませた状態で、以下のプロンプトを実行してください。
添付した検索語レポートのデータを使って、キーワードごとの最適入札額を算出してください。
【前提条件】
- 商品販売価格: {販売価格}円
- 商品原価(仕入れ+送料+手数料): {原価}円
- 目標ACoS: {目標ACoS}%
- 目標利益率: {目標利益率}%
【算出方法】
1. キーワードごとのCVR(注文数÷クリック数)を算出
2. CPA上限 = 販売価格 × 目標ACoS で算出
3. 最適入札額 = CPA上限 × CVR で算出
4. 現在の入札額との差分を表示
【出力形式】
以下の列を含む表形式で出力してください。
- キーワード
- 現在のCPC(平均クリック単価)
- CVR
- 現在のACoS
- 推奨入札額
- 推奨アクション(増額/減額/維持/停止)
特に「現在のCPCが推奨入札額を大幅に上回っているキーワード」を優先的にハイライトしてください。これらが広告費を無駄にしている最大の原因です。
このプロンプトを使うと、AIがキーワードごとに最適な入札額を算出し、現在の設定との差分を一覧表で出力してくれます。
ここで一つ注意点があります。AIが算出した推奨入札額は、あくまで「過去データに基づく理論値」です。実際の入札額は、競合状況やAmazonのオークションの仕組みによって最適値が変わります。そのため、AIの推奨値をそのまま設定するのではなく、まずは現在の入札額から推奨値に向けて20〜30%ずつ段階的に調整するのが安全です。急激な変更はインプレッション数の激減を招くことがあるので、慎重に進めてください。
また、入札額の調整と合わせて「入札戦略」の設定も確認しておきましょう。セラーセントラルでは「動的な入札 – ダウンのみ」「動的な入札 – アップとダウン」「固定入札」の3つから選べます。私のおすすめは「動的な入札 – ダウンのみ」です。コンバージョンの見込みが低い場合に自動的に入札額を下げてくれるので、無駄な広告費を抑制できます。「アップとダウン」は、Amazonが入札額を最大100%まで引き上げることがあるため、予算管理が難しくなるケースがあります。
「攻めるKW」と「除外すべきKW」の判断基準
AIの分析結果をもとに、キーワードを4つのカテゴリに分類して対応を決めます。
カテゴリ1: 攻めるKW(入札額を上げる)
CVRが平均以上で、ACoSが目標以下のキーワードです。これらは「稼ぎ頭」なので、入札額を上げて表示順位を引き上げ、さらに注文数を伸ばします。完全一致で入稿し、予算配分も優先的に増やします。
カテゴリ2: 様子見KW(入札額を調整する)
CVRはあるものの、ACoSが目標を少し超えているキーワードです。入札額を10〜20%下げて、ACoSを目標値に近づけます。2週間後にデータを再確認して、改善しなければさらに入札額を下げるか、停止を検討します。
カテゴリ3: テスト中KW(データ不足)
クリック数が少なく(10未満)、まだ判断できないキーワードです。もう少しデータを集めてから判断します。入札額はそのままで2〜4週間様子を見ます。
カテゴリ4: 除外すべきKW(停止する)
クリックが10回以上あるのにコンバージョンがゼロのキーワードです。これらはすぐに除外キーワードとして設定するか、入札を停止します。放置すると広告費がどんどん無駄になります。
Aさんの場合、この4つのカテゴリに分類した結果、カテゴリ1が8個、カテゴリ2が12個、カテゴリ3が5個、カテゴリ4が35個でした。カテゴリ4の35個を除外設定しただけで、翌週からACoSが大幅に下がり始めました。
ネガティブキーワード(除外KW)の重要性
ネガティブキーワード(除外KW)の設定はSP広告のACoS改善で最も即効性がある施策だ。オートキャンペーンで2週間のデータを取り、クリックが3回以上あって購買ゼロのKWは全て除外することで、広告費の20〜40%を購買可能性の高いKWに再配分できる。コンサル先ではこの作業だけでACoSが平均12%下がった事例がある。

SP広告の最適化において、最も見落とされがちで、かつ最も即効性がある施策がネガティブキーワード(除外キーワード)の設定です。多くのセラーがキーワードの「追加」ばかりに目を向けて、「除外」の重要性を理解していません。
除外KWを設定しないとどうなるか
除外KWを設定しないとどうなるか、具体的に説明します。
例えば「加湿器」というキーワードで広告を出しているとします。除外KWが未設定の場合、以下のような検索語にも広告が表示されてクリックされます。
「加湿器 修理方法」「加湿器 カビ 対処法」「加湿器 レンタル」「加湿器 中古」「加湿器 処分方法」「加湿器 電気代」
これらの検索語は、新品の加湿器を購入する意思がほとんどない人が使うキーワードです。クリックされても商品が売れる可能性は極めて低い。でも、クリックされるたびに広告費はかかります。
私がコンサル先の広告アカウントを分析すると、平均して広告費の20〜30%がこのような無関係な検索語に費やされていることが分かっています。月10万円の広告費なら、2〜3万円が毎月無駄になっている計算です。年間にすると24〜36万円。これは見過ごせない金額です。
AIで除外候補を一括抽出する
除外KWの候補を見つけるのは、手作業だと非常に骨が折れます。検索語レポートには数百、場合によっては数千の検索語が並んでいるからです。
しかし、AIを使えば一瞬で抽出できます。以下の方法で実施してください。
まず、セラーセントラルから最新の検索語レポートをダウンロードします。期間は過去60日間がおすすめです。30日だとデータが少なく、90日だと古いデータが混じるためです。
ダウンロードしたCSVファイルをAIにアップロードし、以下のプロンプトを実行します。
添付した検索語レポートから、除外キーワードの候補を抽出してください。
【除外候補の基準】
1. クリック数10回以上でコンバージョン0のキーワード
2. ACoSが{目標ACoSの2倍}%を超えているキーワード
3. 以下のカテゴリに該当する検索語
- 修理・故障・不具合に関するもの
- 中古・レンタル・リースに関するもの
- 処分・廃棄・リサイクルに関するもの
- 他社ブランド名を含むもの
- 情報収集目的と思われるもの(「とは」「比較」「違い」「選び方」など)
- 商品カテゴリと無関係なもの
【出力形式】
以下の3つに分けて出力してください。
■ 即時除外すべきKW(確信度:高)
- 無駄になった広告費の金額付きでリスト化
■ 除外を検討すべきKW(確信度:中)
- 除外すべき理由を添えてリスト化
■ 監視対象KW(もう少しデータが必要)
- 現状のデータと判断に必要なクリック数を添えてリスト化
最後に、除外KWの設定で削減できる推定広告費を算出してください。
このプロンプトのポイントは、データ基準とカテゴリ基準の2軸で除外候補を抽出しているところです。データだけで判断すると、まだクリック数が少ないけれど明らかに不要なキーワードを見逃してしまいます。逆にカテゴリだけで判断すると、実はコンバージョンが出ている意外なキーワードを除外してしまう危険があります。両方の基準を使うことで、精度の高い除外リストが作れます。
除外KW設定だけでACoSが10ポイント下がった事例
コンサル先のBさん(キッチン用品セラー)の事例を紹介します。Bさんはステンレスボトルを販売していて、ACoSが35%で悩んでいました。
上記のプロンプトで検索語レポートを分析した結果、以下の除外候補が見つかりました。
即時除外すべきKWが28個。「ステンレスボトル 修理」「水筒 パッキン 交換」「タンブラー 名入れ」「ボトル 洗い方」など、購買意欲がないキーワードばかりでした。これらに費やされていた広告費は月額約4.2万円。
除外を検討すべきKWが15個。「ステンレスボトル 比較」「水筒 おすすめ ランキング」など、情報収集段階のキーワードで、CVRが0.5%未満のものでした。
Bさんは即時除外の28個をすぐにネガティブキーワードとして設定しました。その結果、設定した翌週からACoSが35%→25%に、翌月には24%まで下がりました。広告費は月12万円から月9万円に削減されましたが、売上はほぼ変わりませんでした。つまり、純粋に無駄な広告費がカットされただけです。
除外KWの設定は、SP広告の最適化において最もコストパフォーマンスが高い施策です。まだ設定していない方は、今すぐ取り組んでください。
除外KWを設定する際の実務的なコツも共有しておきます。除外KWにもマッチタイプがあり、「完全一致で除外」と「フレーズ一致で除外」が選べます。例えば「修理」というワードをフレーズ一致で除外すると、「加湿器 修理」「修理 方法」「修理 費用」など「修理」を含む全ての検索語が除外されます。一方、完全一致で「加湿器 修理」を除外すると、「加湿器 修理」という検索語だけが除外され、「加湿器 修理方法」は除外されません。
基本的にはフレーズ一致での除外をおすすめします。「修理」「中古」「レンタル」「処分」といった購買意欲のないワードは、フレーズ一致で一括除外するのが効率的です。ただし、意味が広いワードをフレーズ一致で除外すると、本来表示したい検索語まで除外してしまう可能性があるので、そこは注意が必要です。判断に迷う場合は、まず完全一致で除外して様子を見るのが安全です。
広告最適化のPDCAサイクル
SP広告最適化のPDCAサイクルは「毎週①KW別ACoS確認→②除外KWの追加→③入札調整」・「毎月①キャンペーン構成の見直し→②予算配分の最適化→③新規KWのテスト追加」の週次と月次の2層管理が標準だ。このサイクルを3ヶ月継続したコンサル先は全員ACoSを30%以下に改善できている。

キーワード選定と入札最適化が完了したら、それで終わりではありません。SP広告の最適化は一回きりの作業ではなく、継続的なPDCAサイクルを回す必要があります。なぜなら、Amazonの検索環境は常に変化しているからです。
新しい競合が参入してきたり、季節によって検索トレンドが変わったり、Amazon自体のアルゴリズムが変更されたりします。先月まで効果的だったキーワードが、今月は全く効果がなくなることも珍しくありません。
では、具体的にどのようなサイクルで最適化を行うべきか。私がコンサル先に推奨しているスケジュールを紹介します。
週次でやるべきこと
毎週月曜日(または決まった曜日)に以下をチェックしてください。
1つ目は、検索語レポートの確認です。新しく出現した検索語の中に、除外すべきものがないかチェックします。特にオートキャンペーンは新しい検索語を拾い続けるので、週次での確認が必須です。
2つ目は、入札額の微調整です。ACoSが目標を大きく超えているキーワードは入札額を5〜10%下げ、ACoSが目標より低いキーワードは入札額を5〜10%上げます。一度に大きく変えるのではなく、小刻みに調整するのがポイントです。
3つ目は、予算消化ペースの確認です。日予算が毎日上限に達しているキャンペーンは、機会損失が発生している可能性があります。パフォーマンスが良いキャンペーンは予算を増額することを検討してください。
これらの週次チェックは、慣れれば30分程度で完了します。
月次でやるべきこと
毎月1回、包括的な分析と戦略の見直しを行います。
1つ目は、月次パフォーマンスレポートの作成です。前月の広告パフォーマンスを全体的に振り返ります。ACoS、売上、注文数、CPCの推移を確認し、トレンドを把握します。
2つ目は、キーワードポートフォリオの見直しです。過去1ヶ月のデータをもとに、攻めるKW、様子見KW、除外KWの分類を更新します。先月テスト中だったキーワードの結果を確認し、続行か停止かを判断します。
3つ目は、新規キーワードの探索です。競合商品の分析や、検索トレンドの変化をもとに、新しいキーワード候補を見つけます。オートキャンペーンから新たに発掘されたキーワードの中から、マニュアルキャンペーンに追加すべきものを選びます。
4つ目は、競合環境の変化チェックです。主要キーワードで検索して、新しい競合が参入していないか、既存の競合が広告を強化していないかを確認します。競合の動きに応じて、自分の入札戦略を調整する必要があります。
AIで定期レポートを自動分析する
毎月の分析をAIで効率化する方法を紹介します。検索語レポートと広告キャンペーンレポートの2つをダウンロードし、AIに以下のプロンプトで分析させます。先月分と今月分の2ヶ月分のデータをアップロードすると、トレンド比較もしてくれるのでおすすめです。
添付した2つのCSVファイルは、Amazon SP広告の先月と今月の検索語レポートです。
月次の広告パフォーマンス分析を行ってください。
【分析項目】
1. 全体サマリー
- 先月 vs 今月のACoS、総広告費、総売上、総注文数の比較
- 改善/悪化のトレンドを矢印で表示
2. キーワード別パフォーマンス変化
- ACoSが改善したKWトップ10(改善幅順)
- ACoSが悪化したKWトップ10(悪化幅順)
- 今月新たに出現したKW一覧
3. アクションプラン
- 来月に向けて入札額を上げるべきKW
- 入札額を下げるべきKW
- 新たに除外すべきKW
- 新たにマニュアルキャンペーンに追加すべきKW
4. 競合環境の推測
- CPCが大きく上昇したKWがあれば、競合参入の可能性を指摘
- インプレッションが急減したKWがあれば、原因を推測
このプロンプトを使えば、2ヶ月分のデータを比較して、改善点と悪化点を一目で把握できます。特に「ACoSが悪化したKWトップ10」は要注意で、放置すると広告費全体を押し上げる原因になります。
私はこのプロンプトをテンプレートとして保存しておいて、毎月コピペで使っています。一度設定してしまえば、月次分析が15分で完了するようになります。
このPDCAサイクルを地道に回し続けることが、ACoSを継続的に下げる唯一の方法です。Aさんも最初の1ヶ月でACoSが40%→28%に下がりましたが、そこからさらに3ヶ月間PDCAを回し続けた結果、最終的に15%まで下げることができました。一度の最適化ではなく、継続的な改善の積み重ねが大きな結果を生みます。
放置してはいけない理由を改めて強調しておきます。広告を放置すると、競合が新規参入してCPCが上昇したり、季節要因で検索ボリュームが変動したり、新しい無関係な検索語が発生したりします。1ヶ月放置するだけでACoSが5〜10ポイント悪化することは珍しくありません。私のコンサル先でも、2ヶ月間放置してACoSが15%→30%に跳ね上がってしまったケースがありました。
週次チェック30分、月次分析15分。合計で月に3時間程度の投資で、広告費の無駄を大幅に削減できます。この時間投資の対効果は非常に高いです。











