結論から言うとまだ全然出来ます。
単純転売は売上が増えると真似されやすいのですがそれは競合との差別化がしづらいビジネスモデルだからです。
そのためビジネスモデルとしてはメーカー仕入れやOEMほど優秀ではありません。
輸出の無在庫販売などもある意味単純転売をしているだけですがこれはビジネスモデル的には少し変わってきます。
なぜなら日本の中古市場にアクセスしやすいのは基本的に日本人のみでありそれに対してマーケットは広いのと、在庫リスクが著しく低いためです。
そのためノウハウを知っていると今あえて在庫を持った小売仕入れをやる意味はないのですが、完全に初心者でそもそも物販ビジネスというものがよく分かっていないという人はまずは単純転売を経験した方がいいです。そこで少しでも利益を出せない人は何をやるとしても利益は出せません。
他のビジネス経験がある、という人は単純転売の行程は飛ばしてメーカー仕入れやOEMにいきなり挑戦しても問題ないですが上級者でもほとんどの人が一度は通ってきています。物販の基本、本質がそこには詰まっています。
月1000万円以上利益を上げている上級者だけを集め単純転売限定で月100万円利益を出してと言っても皆できると思います。私は通っていませんが国内のせどりなども単純転売の一種でありいくらでも利益を出している人はいます。
単純転売の仕入れ
輸入の場合は主に米国Amazonかebayから仕入れます。
日本のAmazonで相乗り出品をすることになるので日本のAmazonでキーワード”輸入品”、”並行輸入”、”import”などのキーワードでリサーチをかけます。
小売仕入れに適したカテゴリは洋書、ミュージック、クラシック、DVD、ホーム&キッチ ン、TVゲーム辺りです。(他のカテゴリでも出来ますが昔私がやっていたのはその辺りのカテゴリです)
DVDやTVゲームなどは卸の掛け率が低く小売仕入れでも太刀打ちできることが多いです。ただし正規輸入品のページに出品してはいけないのでくれぐれもお気をつけください。
その上で小売仕入れで利益かを出しやすい商品の特徴は
- 回転率が低い
- 日本未発売
- 限定品
のどれかです。
回転率が低い商品を在庫を持って仕入れてしまうとライバルセラーと競合した時に中々売ることが出来ずキャッシュフローが悪くなってしまうので回転率が低い小売り仕入れの商品は有在庫販売では扱いません。
日本未発売商品に関してはAmazonで日本未発売、US版、UK版、import、海外モデルなどのキーワードで商品検索を行うことでいくつか見つけることは可能です。
特に海外住みの人などは地の利を生かして積極的に狙っていきましょう。
キーワードで検索してからASINやJANをまとめて抜き出し日本Amazon⇔海外Amazonや日本Amazon⇔eBayで検索できるリサーチツールを使うのが最も効率的ですが使わない場合は日本でリストアップしたASINやJANを海外Amazonやebayで検索して一つずつ価格などを比較していきます。(eBayではASINでは検索できないため無料の変換サイトや有料ツールでJAN/EANに変換する必要があります)
eBayを使う場合はオークション仕入れの方が安く仕入れることが出来ることがありますが効率が落ちるので私はFixed Priceの商品しか使っていませんでした。
Amazon同士の場合はASINが間違って紐ついていたり、反対に同一の商品でも紐ついていない場合もあります。
ASINが繋がっていない場合は型番やGoogle画像検索などで見つけます。1つ注意が必要な のは並行輸入品のページは基本的にASINが繋がっていないので正規品のページのASINを調 べた上で海外のAmazonで検索をしないと商品を見つけることが出来ません。
限定品に関してはせどり的な手法になりますが同一商品で継続的に利益を出し続けることは 難しいため常にリサーチを続ける必要があります。限定品を買い占めるような手法(例えば一時期のプレステやSwitch)の場合は世間からのイメージがあまり良くなくなりますが小売仕入れで大きく稼ぎ続けている人はそういう人が多いです。それが嫌なのであれば在庫を持つ小売仕入れは最初だけにしておきましょう。
ちなみに「特定興行入場券」と指定される演劇関係のチケットを不正に転売するのは犯罪です。
初回限定、生産限定などのキーワードで検索可能ですがどちらかというと輸出ビジネスに活用可能な方法で輸入ビジネスでは先ほどの日本未発売関連のキーワードを深掘りしていく方 が利益が出る商品を見つけやすいでしょう。
輸出の場合は販路の選択肢が二つあり米国Amazonか米国のebayを使います。
ここで変に最初から裏を書いてイギリスAmazonや香港のeBayなどを使わないのが大事です。それは基本となる国で成功している人のやり方です。
小売仕入れのリサーチのポイント
かなりマニアックな話で初出しなのですが私は小売仕入れを行っていた初期の頃Amazonのクエリ文を活用していました。
クエリ文とは、サーバに情報を送るために、URLの末尾に付け足す文字列のことです。 例えば、URLが「https://〇〇〇〇.jp」 だとします。 このURLにクエリ文字列が加わると、「https://〇〇〇〇.jp/?×=△△」のようになります。
実例として以下のページのURLを見てみましょう。
キーワードは輸入で左のメニューでパズルを選択し、さらに並べ替えで標準的なカスタマーレビューを選択しています。
URLは
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E8%BC%B8%E5%85%A5&i=toys&rh=n%3A2189596051&s=review-rank&ds=v1%3AEDjRK6lbwxN5PYz2ug2jUpJ77wMy3F26Lh13kDvltrE&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&qid=1701385648&ref=sr_st_review-rank
となっています。
この&s=review-rankという部分が標準的なカスタマーレビュー、レビューの平均評価順を表しています。
この部分を&s=-review-rankと変更するとレビューが低い順に並び替えることが出来ます。
安い順: price-asc-rank
高い順: price-desc-rank
標準的なカスタマーレビュー:review-rank
新着商品:date-desc-rank
です。ここまでは画面上から選択してもできるので直接打ち込むメリットは低いですが問題は以下のようなケースです。
https://www.amazon.co.jp/s?k=日本未発売&i=toys&rh=n%3A13299531&s=-review-count&dc&ds=v1%3Ar%2BSCm6Os4skMShy71%2BU%2FDvdiJn9%2Bazmpvcw2rP9mQKQ&qid=1701385405&rnid=2321267051&ref=sr_st_review-rank
&s=-review-count
はレビューの数順です。いわゆる隠しパラメータです。レビュー数はなぜか逆ソートになっているので頭に-が必要です。隠しパラメータは他にもいくつか存在します。
例えば&rh=p_6%3AAN1VRQENFRJN5
をURLの末尾につけると出荷元がAmazonとAmazonFBAの商品のみ検索結果に出てきます。
また画面上で”次へ”を押すと
https://www.amazon.co.jp/s?k=%E8%BC%B8%E5%85%A5&i=toys&rh=n%3A2189596051&s=-review-count&page=2&__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&qid=1701386411&ref=sr_pg_2
のようにURLの最後に&ref=sr_pg_2という表記があるのが確認できるはずです。これはページネーション(ページ送り)を表しています。
これらを組み合わせてASINを抽出してリサーチツールにかけましょう。
今でも小売仕入れ(無在庫販売)のリサーチに使っているテクニックなのですが特別に公開しました。
あとは価格比較をしてサイズや知的財産所有権に注意しながら利益の出るものを出品していくだけです。ただしASINのつながっていないものはツールでは見つからないのでそこは手動で探す必要があり、そのような商品の方が長期的に利益は出しやすいので私はツールで片方の国にしか存在しないと判定された商品のリサーチを1個数円~10円でベトナムの企業に依頼していました。
クラウドワークスなどで募集する際はデータ入力作業で募集すれば大丈夫です。
小売仕入れの仕入れ基準
- セラー評価が自分より+100以内のセラーの扱う情報を調べる
- ランキングは大カテゴリ10000~100000位以内の商品を推奨
- 販売数を調べて月の販売数10個以下のものを扱う(売れる商品は卸セラーが出品するため)
- 利益率20%以上のものを狙う
- 小売仕入れは値崩れしやすいので理論値より7割程少なく仕入れる 6. 相乗り出品で集客は販売ページの強さに任せる
単純転売の注意点
- 在庫リスク
- 知的財産所有権
- 資金が必要
在庫リスク
単純転売は競合の初心者セラーが増えやすく在庫リスクが高めになっています。必ず少量で仕入れましょう。最初は全部1点ずつで大丈夫です。
このリスクを無くしたのが小売仕入れの無在庫販売ですが、無在庫販売の場合は別のリスクが発生します。詳しくは無在庫販売の記事を参照してください。
知的財産所有権
特に輸出の場合は日本の並行輸入品の逆でJapan Importなるキーワードがタイトルに付いているものを見れば良さそうですがヨーロッパを中心に並行輸入という行為自体が規制されているので知的財産所有権の関係に引っかかりやすいです。
そのため現地に代理店がいるかどうか調べてから出品する必要があります。
資金が必要
仮に単純転売で月30万円利益を出したいとして利益率を最低20%としているので
30万円×100/20=150万円
150万円売り上げる必要があることが分かります。
(150-x)/150×100=20より必要な仕入れ資金xは120(万円)
であることが分かります。
つまり120万円持っていないとそもそも月利30万円稼ぐことが出来ない計算になりますし、キャッシュフローを考えるとさらに倍近くはあった方がいいので結局再現性を持って稼ぐには200万円程は必要になってきます。
しかし私は起業当初こんなに資金を持っていませんでした。
どうしたかと言うと他にいじれるパラメーターは利益率位です。
レバレッジを効かせるために利益率50%、60%取れる商品に狙いを絞って扱っていました。
利益率50%だとすると
30万円×100/50=60万円
(60-x)/60×100=50より必要な仕入れ資金xは30(万円)になります。
全然違う事が分かると思います。
どちらが正しいと言うわけではなくその人の立場、目的、スピード感に応じて扱うべき商品が変わってくるだけです。
私が当時利益率50%超えで売っていたのはDVDやCDが多かったです。エリッククラプトンのCDがなぜかカナダで安くて日本で高かったので興奮していきなり50枚ほど買っていました。(初心者は真似してはいけない仕入れ方法) 一枚あたり5000~6000円ほど利益が出たのも今でも覚えています。
※昔はAmazonのPA-APIを活用したtakewariというサイトで世界横断比較できたのでいきなりカナダだけ仕入れ価格が安い、という事を判断できましたが現在は出来ません。特定の国で特定のジャンルの商品が安いというわけではなく一時的な偏りが出ていたためできた手法なので今は少しやりづらいと思います。
3ヶ月程度ですぐにメーカー仕入れをさらに3ヶ月後には並行してOEMを始めていたので在庫を持って小売仕入れをしていた期間は短いですがモノを仕入れて売って利益を出すという経験はここからです。
その後も一周して会社の事業として無在庫販売を再開するようになってからは別ジャンルに特化していますが中古品を含めた単純転売(小売仕入れ)は今でもしています。
単純転売についてまとめ
- クエリ文で効率よくソートしてリサーチ
- リサーチツールにかけて利益のシミュレーション
- 利益率20%以上の商品を少量ずつ仕入れる
- 販売する
- 一連の行程に問題がなかったか確認し繰り返し
単純転売は物販の基本にして原点です。
特に独学で進めるならまずはここで1万円でもいいので利益を出してその上で他の物販ビジネスに分岐していきましょう。