投資としての輸入ビジネスの利益シミュレーション【3ヶ月・6ヶ月ver】

この記事では輸入ビジネスではどのようなペースで資金を増やすことができるかをシミュレーションしています。

投資としての輸入ビジネスの側面を掘り下げて解説しているので事業計画を立てる際などに役立ててください。z

輸入ビジネスは本当に投資なの?

“投資”として捉えるのであれば利率と利回りを考える必要があります。

利益率○%という言葉は当たり前のように使われていますが物販業界全体を眺めてみても多くの場合それは単月での利益予測などにしか使われていないように見えます。

不動産や株式、ベンチャー投資では長期での投資回収日まで想定して投資を行うのに物販では利益率20%でお金が増えていくからいつか回収できる、といった空気が蔓延している気がしてならないのです。

そしてそれが上手くいけばいいですが甘い見積もりは時に無慈悲な結果を呼び起こします。

その現状を打破するべく今回はAmazon輸入FBAビジネスの3ヶ月間の利益シミュレーションを考えてみました。

大切なのは考え方の部分です、6ヶ月でも1年でも今回紹介するやり方を学べば自分でシミュレーションできるようになりますしそうなっていただくことが目的です。

特にこれから新規で始める人は必ず利益・コストシミュレーションをするようにしてください。

輸入ビジネスと先行投資

株式投資を除くと基本的にどんなものも資産を購入しそれを使って稼いでいくことになります。

その資産の取得にはお金がかかります。

物販の場合には仕入れが必要なので仕入れを行った瞬間はもちろんお金がマイナスになります。

これは常識ですがそれだけでなく商品が売れ始めても最初はマイナスです。

買い付けた商品が一度にすべて売れることは少ないからです。

なおこの在庫リスクを可能なかぎり低減する方法は確かに存在しているのでその方法については後で述べます。

メーカーから購入する場合商品代金を支払ってから日本のAmazonに納入するまでで1ヶ月以上かかることもあります。

なお現時点では初心者~中級者の買い付けを想定しているので仕入れは海外Amazonやネットショップなどであると仮定し購入はすぐに行えリードタイムは2週間であるとします。

そしてAmazonの入金が商品が売れてから2週間後であることも忘れてはいけません。

利益が出ていても手元にお金がなく次の買い付けができないという状況になってしまうと投資としての輸入ビジネスが成立しなくなってしまいます。

資本金は100万円とします。

これには3つ理由があります。

  1. 計算がしやすく理解が容易
  2. 実際に輸入ビジネス(FBA)を行う上で最低限必要な金額
  3. 資金を小分けにしてビジネスを進められる

の3つです。

輸入ビジネスの売上・利益の推移

年1で輸入ビジネスのコンサルティングをしていることもあり輸入ビジネスの売上・利益推移がどのようになるか、あるいはどのようなペースで買い付けをしていくべきかを知っていただきたいというのもあり全容を明かします。

なおこれは買い付けを始めてからの数字でありその前にリサーチ時期におよそ1週間かかります。

またここからは私の経験に基づく理論ですが資本金が100万円の場合ふさわしい買い付けペースは1週に1回です。

これはアパレルの場合になりますがトレンドは2週間で変わると言われていることにも関係します。

資金がもう少し多いと2週に1回でもいいのですがリスクヘッジのためにもなるべく在庫を持たないように1週に1回にしたほうがいいです。

多少送料が高くなっても1ヶ月分まとめて送るより1週間に1回のペースで送るべきなのです。

1回の買い付け量が減り送料が高くなる場合は無理に1週に1回送るのはやめましょう。

ライバルセラーと戦っていく上で最低限必要な物量は40kg、ダンボール2箱です。

資金が多い人は1回の買い付け量を増やしてください。
その場合も例えば3ヶ月で売れる量をまとめて送って在庫を持つのではなく1週間~2週間で売れる量の商品を多品種扱いましょう。

株のポートフォリオを組むのと一緒です。

在庫リスクは常について回りそれを回避することが重要です。

なお勘違いしないでいただきたいのが例えば理論上どう考えても月に1000個売れるような商品があるとしてそれを怖いから100個だけ仕入れるというのはリスクヘッジなんかではありません。

なおここでシミュレーションを行う前にもう1つだけ重要なことがあります。

それが確率分布です。

将来の需要は不確実なため正確に知ることは不可能です。

しかし確率分布として経験的に予測は可能です。

実際Amazon自体が在庫を持っている商品、あれはビッグデータにより自動的に何個仕入れるかが決められています。

セブンイレブンなどのチェーンストアも同じです。

ビッグデータを持たない場合でも確率分布を用いればデータが欠損していてもある程度の予測は可能です。

1週間で売り切れるものを仕入れたとしてその全てを本当に1週間で売り切れることを前提に話を進めると現実とそぐわずどこかで失敗します。

今回一定規模以上の企業では必ず用いられている在庫管理の考え方を導入してシミュレーションを行います。

仕入れは過去のデータに基づいて行うもののデータにはばらつきが生じます。

そして一般的にこのばらつきは正規分布に従うと言われています。

正規分布に従い過去のデータから仕入れ数を決めたとします。
過少在庫になる確率と過剰在庫になる確率が等価であると考えると1週間で全て売れる確率は49.9%です。
(在庫が少しでも足りていない確率も49.9%です。)

このことからも分かるようにピンポイントで売れる個数を予測することは不可能です。

それでも予測することには意味があります。
それはコントロールできる誤差とそうでない誤差があるからです。

残った在庫は次の1週間で97.6%の確率で全て売れさらに次の1週間で99.7%の確率で全て売れます。

Amazonの振り込みが2週間ごとでなく毎日行われているのであればここまで考える必要もないのですがこれは重要なことです。

これ以上在庫が残る場合前提となる1週間で売り切れる量を仕入れるということを守れていないのでリサーチの部分をやり直してください。

ただしここで要注意なのが在庫になっている商品を再度追加で入れるということはしないということ。

例えば1週間で10個売る予定で5個しか売れなかった商品を1週間後にまた10個売れることはしません。

この場合はその商品がなくなる直前に仕入れるようにして他の商品を扱います。

今回のケースでは過少在庫のケースを無視しています。

つまり在庫管理で重要な安全在庫の考えは一旦脇に置いています。

理論的に月に5個売れる商品の安全在庫はきっと7個位になるでしょう。

しかしこれは中級者以上で資金が潤沢にある場合に考えるべきことで資本金100万円で始める場合は過少在庫については過敏になる必要はありません。

またせっかくのでシミュレーションは複雑になりますが売れた商品の1%は返品・返金され破棄せざるをえなくなるとしましょう。

これで現実に即した強固なシミュレーションになります。

輸入ビジネスの売上利益率・純利益率

Amazonからの入金額はAmazonの手数料が引かれているので正確には(税務的には)これを売上とは呼びません。

Amazonの手数料が引かれる前の金額が売上です。

しかし仮にAmazonからの入金を”売上”と呼ぶなら”売上”利益率は20%程になります。

仕入れ金額100万円を仮に全部使ったとしたらAmazonからの入金は125万円ほど(この場合本当の売上は147万円ほど)、つまり営業利益は20万円、なお輸出の場合は5万円ほどは消費税還付で別途返ってきます。
(仕入れに対する送料の割合で値は動きます)

もちろんもっと高い利益率の商品もいくらでも存在しますが安定投資を考えたらこのくらいの数字に落ち着きます。

なお100万円をどのように使っていくかについては経験則ですが一回の買い付けは20万円にするのがいいです。

これより多いとキャッシュフローが回らなくなりこれより少ないとコストパフォーマンスが悪くなります。

なお複利で回すかどうかの話が当然出てくると思いますが輸入を投資ビジネスとして捉えている限り複利で回さない理由はありません。

資本金として用意する100万円は生活費などで手をつけないようにしてください。

話は長くなりましたが以上のことを総合した上で作った3ヶ月(13週間)の売上・利益シミュレーション表を載せておきます。

経過週1週目2週目3週目4週目5週目6週目7週目8週目9週目10週目11週目12週目13週目
作業商品リサーチ発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送
Amazonの状況2週目商品到着3週目商品到着4週目商品到着
3・4週目売上入金
5週目商品到着6週目商品到着
5・6週目売上入金
7週目商品到着8週目商品到着
7・8週目売上入金
9週目商品到着10週目商品到着
9・10週目売上入金
11週目商品到着12週目商品到着
11・12週目売上入金
1週目納品物の売上
2週目納品物の売上
3週目納品物の売上118,562円113,335円4,990円
4週目納品物の売上118,562円113,335円4,990円
5週目納品物の売上118,562円113,335円4,990円
6週目納品物の売上131,799円125,988円5,547円
7週目納品物の売上133,869円127,967円5,634円
8週目納品物の売上139,362円133,218円5,865円
9週目納品物の売上145,472円139,058円6,122円
10週目納品物の売上148,804円142,243円6,262円
11週目納品物の売上153,554円146,784円
12週目納品物の売上157,456円
13週目納品物の売上
投下資金(自己資金)-20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円
投下資金(複利分)-22,328円25,821円35,087円45,393円51,013円59,027円65,609円71,344円77,352円
手元にある資金100万円80万円60万円40万円318,562円96,234円339,198円104,111円373,689円122,676円420,849円155,240円479,543円
Amazonからの入金118,562円468,785円514,971円557,200円595,646円
単週の利益-20万円-20万円-81,438円+31,898円+36,887円+50,124円+64,847円+72,876円+84,324円+93,727円+101,919円+110,503円
トータルの利益-20万円-40万円-481,438円-449,540円-412,653円-362,529円-297,682円-224,806円-140,482円-46,755円+55,164円+165,667円
累積利回り0%-100%-100%-80%-56%-34%-30%-21%-14%-8%-2%3%7%

5週目からは単週で利益が出ているものの6週目で手持ち資金が最低になります。

また11週目まではトータルで赤字になっている事が分かると思います。
しかし輸入ビジネスとはこういうものです。

これを理解できずに1ヶ月でやめてしまったり逆に資金が減るのを恐れてほとんど買い付けをしない人がいますがその人たちは完全に間違った考え方をしています。

それなら最初からやらない方がいいです。

またAmazonの入金額ベースでの利益率は20%を想定していますがこれを本来の売上利益率に換算すると13.6%です。

なお利益の7割を複利で再運用するとして計算しています。

3ヶ月終了時点でトータルの利回りは7%です。

ここまでは見た目上は全然稼げていません。

しかしプラスに転じた時点で土台は整っています。

あとは使う資金を増やしていくだけです。

ここからが本番なのでさらに3ヶ月経過した時のシミュレーション表も載せたいと思います。

経過週14週目15週目16週目17週目18週目19週目20週目21週目22週目23週目24週目25週目26週目
作業発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送発送
Amazonの状況13週目商品到着14週目商品到着
13・14週目売上入金
15週目商品到着16週目商品到着
15・16週目売上入金
17週目商品到着18週目商品到着
17・18週目売上入金
19週目商品到着20週目商品到着
19・20週目売上入金
21週目商品到着22週目商品到着
21・22週目売上入金
23週目商品到着24週目商品到着
22・23週目売上入金
25週目商品到着
14週目納品物の利益164,417円157,169円6,919円
15週目納品物の利益167,459円160,076円7,047円
16週目納品物の利益170,354円162,843円7,169円
17週目納品物の利益173,088円165,457円7,284円
18週目納品物の利益175,558円167,818円7,388円
19週目納品物の利益177,894円170,051円7,487円
20週目納品物の利益180,054円172,116円7,577円
21週目納品物の利益182,051円174,025円7,661円
22週目納品物の利益183,917円175,809円7,740円
23週目納品物の利益185,643円177,459円7,813円
24週目納品物の利益187,248円178,992円
25週目納品物の利益188,739円
26週目納品物の利益
投下資金(自己資金)20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円20万円
投下資金(複利分)82,482円87,365円91,978円96,144円100,085円103,729円107,097円110,245円113,157円115,863円118,379円120,712円122,881円
手元にある資金202,191円548,043円260,678円624,905円328,760円709,003円405,274円799,357円489,112円895,101円579,238円995,491円674,778円
Amazonからの入金628,335円656,205円680,328円701,180円719,147円734,633円
単週の利益+117,832円+124,808円+131,397円+137,349円+142,978円+148,184円+152,996円+157,493円+161,653円+165,519円+169,113円+172,446円+175,544円
トータルの利益+283,499円+408,306円+539,704円+677,053円+820,031円+968,215円+1121,211円+1,278,704円+1,440,358円+1,605,877円+1,774,990円+1,947,437円+2,122,981円
累積利回り11%15%18%21%24%27%30%32%34%36%39%41%42%

6ヶ月で212万円なので月収でいうと約35万円です。

しかし直線的には増えていかないのでこの平均にはあまり意味がないかもしれません。

200万円で同じように始めれば6ヶ月で月収70万円は現実的な数字です。

このシミュレーションで唯一問題があるとすれば全ての作業を1人で行うことを仮定しているということです。

資本金が多いと買い付け量が増え管理しなければならないことも増えるのでツールの導入や外注パートナーを見つけることが必須になってきます。

それゆえシミュレーションの値より利率は下がりますが導入タイミングなどは人により異なるので各々シミュレーションしてみてください。

経験上月収で100万円まではかなり忙しいながらも1人で達成可能です。

また物販だけで回そうとせず別の収入源からの追加出資が可能だと強いです。

当時私はアフィリエイトの収入が月30万円ほどあり全て物販に回すことが出来ていたのでかなり短い期間で駆け上がることが出来ました。

これはあまり再現性がある事ではないと思うので本業から資金を回したり借り入れを検討する事が重要になってきます。

ぜひ今回紹介したやり方を参考に計画を立てた進めてみてください。

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