輸入ビジネスの為替リスクヘッジの方法

輸入ビジネスを続けていると円安が進んだ時にどうすれば良いんだろうと頭を悩ませることも多いと思います。

その結果輸入ビジネスの反対の手法である輸出ビジネスも始めたほうがいいんだろうか、と考え同時に取り組み輸入ビジネス自体もどっちつかずになってしまっている人をたくさん見てきました。

そこでこの記事ではすでに輸入ビジネスにある程度取り組んでいる人の為替リスクヘッジ方法を紹介します。

円建て決済にする

輸入の支払いは必ずしもドル建てで行わなければならないという決まりはないので契約書を交わす段階で円建てを指定しておけば為替リスクは相手側へ移行することととなります。

しかしドルのように基軸通貨が強い場合あまり一般的なケースではありません。少なくとも買い付け量が少ない場合は要望を呑んでもらいづらいのであくまでそのようなケースもあるということだけ覚えておきましょう。

仕入れ地域をヘッジしておく

2022年時点では対ドルで見た場合円の価値は大幅に下がっていますが対ユーロで見た場合そこまで急激に変化していません。

普段からアメリカ仕入れ、ヨーロッパ仕入れを行なっている人はアメリカからの仕入れの度合いを下げてヨーロッパからの仕入れを多くすればいいだけなので簡単にリスクヘッジを行うことが可能です。

しかし円がどの外貨に対しても弱くなる可能性も0ではないので完璧なヘッジ方法とは言えません。

円安時を想定した仕入れを行う

普段から円高だから利益が出る商品を扱うのではなく円安が進行しても利益が出る商品を扱っておくことで為替リスクをヘッジすることが可能です。

具体的には為替リスクヘッジを狙う場合仕入れ原価の5倍以上で販売できるような販売価格で販売できるようにマーケティング施策を行っていきましょう。

この手法はAmazonで相乗り出品をしているような場合や他の販売者が別ページで販売している場合はその価格に引っ張られてしまうので使いづらいのがネックです。

外貨建ての資産に投資する

外貨建ての資産に投資を行う方法は主に

  1. 輸出ビジネスに取り組む
  2. 海外証券に投資する

も2つの方法があります。

輸出ビジネスに取り組む

輸入ビジネスから輸出ビジネスへスムーズに移行できるのはメーカー仕入れを行っている場合のみです。OEMで中国で生産した商品をアメリカで売ろうと思ってもライバルの強さもニーズも違うので上手く行きづらいです。

ニーズが異なるのはメーカー仕入れの場合も同じですがメーカー仕入れの場合はライバルは日本人セラーが大半を占めるので勝負しやすくなります。

将来的に消費税が増税になった際にも有利に働くので学習コストをかけても今から輸出ビジネスの柱も持っておくのはいい選択と言えるでしょう。一人で取り組んでいるような場合は両方取り組むことには推奨していません。

海外証券に投資する

私が一番推奨するのはこのやり方です。もし海外証券に投資しないで輸出ビジネスを始めようと思っているのであれば一旦ストップをかけてその必要性について改めて考えてみてください。

最初にも書いたように輸入ビジネスと並行して輸出ビジネスに取り組むと単純に学習コストや管理コストは増えるのでどっち付かずになりやすいです。

同じ理由で海外投資をすると言ってもグロース投資やバリュー投資のようなアクティブな投資をしようと思うと学習コストがかかるのでインデックス投資や投資額によってはファンドに預けて運用してもらうのがおすすめです。後者に関しては詐欺会社も非常に多いので本当に注意してください。輸入ビジネスで大きく成功した後でファンドに預けて失敗している人を数多く見ています。

資産を増やす人も見ていますが単純にGoogleで”海外ファンド おすすめ”で上位に出てくる会社がいい会社という訳ではなくむしろハズレが多いです。知り合いのツテで特別な投資先がある、といった話も多くはポンジスキームの会社です。

ポンジスキームとは、投資詐欺の一種であり、そのなかでも「出資してもらった資金を運用し、その利益を出資者に配当金などとして還元するなどと嘘を語り、実際には資金運用を行わず、後から参加する出資者から新たに集めたお金を、以前からの出資者に向けて配当金などと偽って渡すことで、あたかも資金運用によって利益が生まれその利益を出資者に配当しているかのように装うもののことです。

ポンジスキームの会社は月利〇〇%という通常の投資ではあり得ない魅力的な数字を提示している所が多いのが特徴的です。

またポンジスキームでない会社でも年利10%を超えていたらかなりリスキーだと思ってください。たまたま過去5年間が国の経済政策やバブルに乗って成功しているだけの運用会社も多いので注意が必要です。

投資信託はまだマシですが今度は利率が大して高くない割に手数料が高い所が多くなるので為替リスクヘッジとして有用かというと怪しいです。単純に外貨預金を行っているのとあまり変わり無かったりします。特別な理由がない場合は自分で運用しましょう。

以上のことからファンドは正しい情報を見つけることが人にしかおすすめできません。どうしてもファンドに預けたいのであれば米国格付けでランクが高いきちんとしたファンドを見つける力を養ってからにしましょう。多くの所で最低投資額は1000万円~や3000万円~となっています。

おすすめの証券会社は?

海外証券に投資する場合おすすめなのはSBI証券です。以前はSPUポイントを考慮して楽天証券を使っていたのですが楽天モバイルの低調からかSPUポイントがどんどん改悪されていて使い勝手が悪くなっています。チャートが見やすいマネックス証券もおすすめです。銘柄スカウターという機能が非常に使いやすいです。私は銘柄スカウターをチェックしながらSBI証券をメインにしてNISAをマネックスで運用しています。

SBI証券 楽天証券 マネックス証券
取扱銘柄数 6000超え 4500超え 5000超え
手数料 約定代金の0.45%~ 約定代金の0.45%~ 約定代金の0.45%~
取引時間(夏) 22:30-翌5:00 22:30-翌5:00 21:00ー翌9:00
配当金 再投資は手動 再投資は手動 再投資は手動

※2022年時点

もちろんまた改善される可能性も0ではないのと開設まで2週間はかかるので事前に作っておかないといざ投資したい時に出来ないので全て持っておくのがおすすめです。

口座を開設する際はHapitasを経由するのがおすすめです。以下のようにセルフキャッシュバックでポイントが入るようになっています。

思えば物販ビジネスを始めた頃資金がなかったのでキャッシュバックでHapitasで30万ポイントほど貯めたのを思い出します。クレカ案件に関しては無駄に作りすぎると本当に作りたいカードを作りたい時に作れない可能性が出てくるので程々にしましょう。証券口座の開設は複数行ってもログインや取引時のID・パスワードもそれだけ多く必要になり管理が大変になる位で他にデメリットはありません。

おすすめの銘柄は?

米国株のインデックス投資はS&P500やダウ平均株価に登位するのが一般的ですがGAFAMを除いたS&P495を見るとあまり成長率は高くなくここ数十年の米国株の上昇はほとんどGAFAMによって起きたことが分かっています。

そのため2020年頃まではGAFAMに適当に投資しているだけで資産が増えたのですが米国では反トラスト法という巨大IT規制法案が成立してからその勢いは落ちています。

反トラスト法とは 市場を寡占している企業がその立場を利用して競争を不当に阻害する行為などを禁止・制限する米国の法律でいわゆる独占禁止法のことです。

そのため以前のようにIT全振りをしても資産を形成しづらくなりました。
ただしIT企業は資産が多くその資産を使ってこれから伸びていくバイオ企業などを買収しているので長期的に見ると結局手堅いとも思っています。またGAFAMの中でもビジネスモデルに差があります。

例えばGoogleは収益が広告メインの会社で、AppleはAppストアの手数料や製品での売上がメイン、Facebookも広告メイン、AmazonはEC手数料とAWSの収益がメイン、MicrosoftはOSやAzureなどのサブスクが収益のメインです。

この差が分かる方は個別で投資した方がいいですが、よく分からない、考えるのもめんどくさいという方はやはりS&P500やダウ平均株価、その他ETFに大人しく投資しておきましょう。

私はコロナやIT規制と米国金利の上昇によりしばらくは証券価格の上昇に期待して投資するタイミングでないと考えており利回りを重視してコカコーラやジョンソン・エンド・ジョンソンのような利回り3~4%の堅実な企業の株の持分比率を増やしています。正解は一つではないですが一応毎年確実に15%以上増やしてきたので少しは参考になるかと思います。(円安による上昇分も含めたら2022年は30%以上増えています)

株は専業でやろうと思ったらその時の経済指標に合わせて証券ではなく金・コモディティに投資したり色々やることはあるのですが私はその辺りや暗号資産は手を出していないですし基本はバイ&ホールドで一度買ったら3ヶ月に一回程度しか株価を見ないようにしています。

プロは仕事として常に投資していないといけないですが勝てる時だけエントリーするというのが一番いいかと思います。ドルで資産を保有している人にとっては2022末は米国株が割安になってきたのでいいタイミングです。

輸入ビジネスの為替リスクヘッジの方法まとめ

  1. 円建て決済にする
  2. 円安時を想定した仕入れを行う
  3. 外貨建ての資産に投資する

個人的には最低限の勉強はしてインデックス投資をするのがいいと思っています。私は一時期アクティブな投資もしていましたが海外の雇用統計や経済ニュース、日々の株価が気になって人生の幸福度が下がった気がしたので今は基本的にインデックス投資+好きな会社の株の保有しかしていません。

為替リスクヘッジは今回紹介した中では円安時を想定した仕入れを行う+インデックス投資+輸出ビジネスで行っていますがほとんどの方は円安時を想定した仕入れを行う+インデックス投資だけでいいとも思っています。最初から輸出ビジネスに取り組むのがありですが輸入ビジネスと輸出ビジネスを一つの会社で取り組んでいる所は珍しく私自身も会社を分けていますし副業として物販ビジネスが人気を占める中そこまで出来る人がどれだけいるかというあまり多くないと思っています。

何のために物販ビジネスをやるかというと資産形成のためという方が多いと思います。大局的な見方が出来ず輸入ビジネスだけ盲目的に取り組んでいると対外資産は目減りしていく一方なので資産を形成するというゴールから遠ざかってしまいます。

これを機に自分に合った方法を見つけて資産を形成していきましょう。

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