Amazonの真贋調査と知的財産権の侵害対策の方法

この記事ではAmazonから来る真贋調査と知的財産権の侵害対策の方法をまとめています。

これらのメールにうまく対応できないとAmazonアカウントが停止になります。

しかし実は多くの場合対応出来ることが多いのにも関わらずネットに間違った情報が蔓延っており無駄に撤退を余儀なくされた方も多いと思うので公開することにしました。

まず大前提として対策ももちろんですが予防が最も大切です。

おもちゃ・ホビー系を中心に真贋調査の対象になるメーカーは多いですがその数は日に日に増えているのでここにまとめても情報が古くなってしまうので普段から正規代理店ルート以外では仕入れないことをおすすめします。

ただ正規代理店から仕入れてインボイスを提出したのにアカウントスペシャリストが言い分を聞いてくれなかったと言う人も多いのも事実です。

しかし実際には正しい方法を取る限りアカスペが対応してくれないようことはありません。私は今まで正しい方法に則りクライアントの相談に乗り50アカウント以上復活させてきました。

今までコンサルの範囲内で相談に乗って解決に導く中でこれは既存クライアントへの利益相反にもならないし役立つことだから世の中に共有した方がいいかなと思い無料で公開するだけでアカウント復活代行〇〇万円みたいなサービスは一切やっていませんのでご了承ください。

この記事ではそのようなサービスを使わなくてもアカウントを復活させることが出来る方法をまとめています。

もちろん本当に偽物や模造品を扱っていた場合は復活は無理なのでそれは諦めてください。

対象としているのは

  1. メーカー仕入れなのに真贋調査がきて証拠を提出するも認められなかった人
  2. 真贋調査がきて実店舗やECサイトで仕入れてそのレシートや領収書を提出するも認められなかった人
  3. 中古品を扱っているのに真贋調査がきた人

です。

なお私のクライアントは全てメーカーや正規代理店、あるいは小売向けでも家電量販仕入れ、OEM生産を行なっている人でたまたま取り扱う中古品で真贋調査が来ている人がいてクリアしただけであるため中古品に関しては事例が少ないです。

真贋調査のパターン別対策

メーカー仕入れなのに真贋調査がきて証拠を提出するも認められなかった人

まず前提として真贋調査には

  1. メーカーが権利の侵害を申請
  2. Amazonのランダムピックアップ
  3. 購入者のクレーム

の3種類があることを覚えておいてください。

1と2はほとんどの場合解決できるのに実際は上級者以外のセラーが真贋調査にあった場合ほとんど解決できていません。

メーカー仕入れなのに真贋調査がきて証拠を提出するも認められなかったという人は実は結構多く私のクライアントでもいるのですがこれは完全に説明不足です。

例えば証拠としてインボイスだけ添付してメーカーから仕入れています、ということを伝えてもインボイスは状況証拠にしかならず多くの場合却下されてしまいます。
メールの証拠などは偽造を疑われないようにメーカーのドメインが使われたメールアドレス部分もしっかりキャプチャするなどしましょう。

契約書を交わしていないケースは案外多いと思いますがメーカーとのやりとりのメール、メーカーの口座への入金、等の状況証拠を複数用意し説明すればメーカー仕入れの真贋調査は必ずクリアできます。

また真贋調査ではありませんが海外メーカーから仕入れたのに日本に統括卸元となる代理店がいて海外メーカーに正規に認められた国内代理店に対しても(特に新規の代理店)知的財産所有権の侵害を訴えてくる場合があります。

これに関しては知的財産所有権の項目で解説します。

真贋調査がきて実店舗やECサイトで仕入れてそのレシートや領収書を提出するも認められなかった人

これは非常に多い事例です。

特に海外の卸仕入れ→国内Amazon販売や日本の卸仕入れ→海外Amazon販売だと領収書が認められなかったと嘆いている方が多いですがまず予防策としては正規代理店以外からは買わないようにしましょう。

並行輸入のページに出品するのであれば問題ありませんが正規品のページに出品する限り正規代理店から仕入れる必要があります。

ここで問題になるのは正規代理店である家電量販店などのECサイト、例えばヨドバシドットコムなどで商品を買って海外で販売した際に真贋調査を求められ領収書を提出したものの認められなかったというケース。

これははっきり言って陳述文に問題があります。

メーカーの正規代理店で購入したこと、その証拠があることを論理立てて説明できればアカウントロックは解除されます。

難しいのはAmazon仕入れ(Amazon本体以外)や楽天仕入れなどの場合、この場合も正規代理店が販売している場合は店にその証明を協力してもらうことで解決できますが3次卸、4次卸などでメーカーが把握していない卸から商品を仕入れている場合自分でそのルートを追って証明していく必要があるので不可能ではありませんが面倒です。

メーカーと統括卸元、統括卸元と2次卸、2次卸と3次卸のメールを証拠として提出し真贋調査をクリアしたケースもあります。

ちなみにメーカーや代理店との契約書が必須というのは嘘ですね、なくても解除できたケースばかりです。もちろんあった方がより証明しやすのは間違い無いですが結局は正規品であることを客観的に合理的に論証できれば真贋調査は恐るるに足りません。

ただ根本的な予防策としてはやはり上流から仕入れることになります。

ちなみに新規アカウントを作ったばかりは真贋調査が来やすいですがこれはいわゆるランダム調査の対象になったパターンですね。

2018年頃から新規アカウントを作り一定の売上が経つと真贋調査が入るようになりました。

この時3つのASINに対して真贋調査が入ることから3ASIN真贋調査と呼ばれたりもします。

まだ販売を始めたばかりの人が多いので真贋調査に対応できずAmazonでの販売が出来なくなってしまいがちですがこの記事にまとめた3つのパターンを覚えておけばほとんどのケースに対応できるでしょう。

ちなみに3ASIN調査が入る前に無在庫販売を開始するのは自殺行為です。

ランダム調査が2回入ったという事例は今の所聞いたことがありませんのでその後であれば問題ないかと思いますがECの世界は1年ごとにルールが変わることもあるので入るようになる可能性はあります。

あくまで私が推奨するのはメーカー仕入れかOEMです。無在庫販売と言うと初心者が取り組んでいそうですがそのイメージとは裏腹に現在無在庫販売に取り組んでいる人は上級者ばかりです。

さらにちなみに無在庫販売自体はオンライン小売事業者から仕入れない限りはAmazonに正式に認められています。

中古品を扱っているのに真贋調査がきた人

中古品だからメーカーとの契約書や正規代理店からの請求書なんてあるわけがない、と憤る方もいらっしゃるかもしれませんがランダム調査や中古販売をいやがるメーカーの申請で真贋調査の対象になっているだけなので問題ありません。(中古品はランダム調査の対象にはなりづらいです)

ちなみに商品の購入者から偽物・模造品だとクレームが入った場合は対応が難しいです。

ここでのポイントは中古品の真贋調査が商品が売れていない状態で来ている、という事です。

自社出荷にしろAmazonFBA倉庫に商品があるにしろ商品が売れていない状態で誰が商品の真贋を確認したかというと誰も出来ていないわけです。

私は輸出入が専門なのでせどりは扱っていませんが国内で仕入れて国内でも海外でも販売しているクライアントが国内Amazonの真贋ランダム調査で中古品を指定されたことがありました。

ブックオフやハードオフで商品を購入しAmazonで販売しているというケースでこちらはレシート+陳述だけで改善計画書なしで対応出来ましたがそういった実店舗で中古品を仕入れて真贋調査がきてレシートを出したものの認められなかったという人もいるようです。

認められなかったと言う人がどのようなメールを送っているかは定かではありませんが中古品の真贋調査に関しては2020年7月時点ではレシートで対応できました。
全ての中古品の真贋調査がレシートで対応できるかどうかと言うのは悪魔の証明になってしまうので分かりませんが具体性・論理的整合性のある根拠を示せば通ります。

例えばまだ中古品が売れていない段階でAmazonのランダム真贋調査が来たとして申し訳ありません、などと謝るのは筋違いです。

それでは取り扱っている商品は偽物だと言っているようなものです。

  • 中古品を扱う店で仕入れその証拠(レシート・領収書)がある
  • 商品はまだ売れておらずもし中古品が偽物だと言うのであれば

ただこれに関してはAmazon側が出品制限かければいいのにとは思います。近い未来そうなってくれることを願います。

上記の対応ができる人が多いとは思わないのでAmazonのせどり人口は減りそうですね、だからと言って小売で仕入れている限り輸入・輸出でも同じことは起こるので結局Amazonでは卸・メーカー仕入れかOEM以外難しくなってきています。

またそもそも論になりますが【並行輸入品】として商品を出していれば真贋調査の対象とならないため正規代理店がいる商品は並行輸入品のページに出品しましょう。

知的財産権の侵害対策の方法

知的財産所有権の侵害はほとんどの場合メーカー(権利者)がその権利を侵害したとしてAmazonに申請することで発生します。

適切な場合もありますが相乗り出品者を排除したいがために正しくない申請をしている権利者もいるので、知的財産所有権を侵害していないのであれば戦うべきです。

無駄に謝って出品を取り下げる、ということを繰り返していたら自分が悪くなくてもいずれアカウントのサスペンドをくらってしまいます。

権利者は以下のようなページで権利侵害を申請してくるので申請された内容に応じて自分に非がない場合は真っ向勝負しましょう。

例えば商標取得済みの商品と同じ名前の商品を他のページに出してしまったとなるとこれは権利侵害を訴えられても仕方ありません。

特許や意匠権に関してはより厳しいです。

しかし相手方の登録商標が自社の標章と明らかに同じだからといってすぐに侵害に当たるとはいえません。例えば相手方の登録商標の指定商品と自社の商品は実は類似していないかもしれません。もしくは相手方の登録商標は実は全く使用しておらず、不使用取消審判によって取消が可能な商標の可能性もあります。また、他の理由から実は侵害ではないというケースもありAmazonは権利者の申請に基づき対象者にメールを送っているだけなのできちんと証拠を持って反証できればクリアできます。

そのためまずは商標権の存在・有効性の調査を調べましょう。

そしてやや専門的な話になりますが

  • 商標の類似性の調査
  • 商品・役務の類似性の調査

等を行います。専門家に依頼せずとも自分でデータベースなどで調べて反証して知的財産所有権の侵害に関する訴えを退けたケースも山ほどあります。専門家に任せると10万円~で結局プロに任せた方が時間効率はいいのですが一度は自分で経験してみた方がいい思います。

Amazonの真贋調査と知的財産権の侵害対策の方法まとめ

Amazonではメーカー・卸(正規代理店)仕入れかOEMをする。

無在庫は推奨しないものの3ASINチェックを終えた後でマイナーメーカーの小売仕入れ(万が一真贋調査が来たら厳しい)か卸仕入れ(こちらは正式にOK)を行う。

その上で真贋調査や知的財産所有権の侵害に関するメールが来たらレシート、領収書、納品書、契約書、インボイス、メールのやりとり等証明する証拠を拠り所に根拠のある文章で対応すればアカウントのサスペンドを防いだり、一時保留になっているアカウントの再始動を行うことが出来ます。

知的財産所有権に関しては権利者がいるのでその侵害しているという内容や商標に関して確認する。

そうすると権利侵害の申請自体が間違いであったりただライバルを蹴落としたいだけの越権行為だったりするので冷静に対処する。

これらのことを学び多くの出品者が必要以上に真贋調査やアカウントスペシャリストを怖がりすぎている状況が改善されれば出品者にとっても消費者にとってもAmazonにとっても、社会にとっても一番いい状態になると思います。

この記事が1人でも多くの方の役に立てば幸いです。

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