久しく役に立った書籍についての記事を書いていなかったので2025年に読んだものに限定して物販に役に立ったものをまとめました。
目次
戦わずして売る技術 クリック1つで市場を生み出す最強のWEBマーケティング術
北の達人マーケティングの木下さんの書籍、この書籍以外も役に立つものが多いので物販セラーなら全部読みましょう。
「戦わずして売る技術」は、競合との消耗戦を避け、独自のポジショニングとWEBマーケティングの仕組み化により、自動的に顧客が集まるビジネスモデル構築を説く実践的な指南書です。
SEO、コンテンツマーケティング、メールマーケティング、ランディングページ最適化など、デジタルマーケティングの基本要素を体系的に解説し、特に中小企業が限られた予算で成果を出すための具体的な手順が明確に示されている点が優れています。
「顧客の検索意図を理解し、価値あるコンテンツで信頼を築き、適切なタイミングでオファーする」という王道的アプローチは、AIツールが普及した今でも本質的に重要な考え方として参考になります。
ただし、出版時期によってはツールや手法の一部が古くなっている可能性があり、また業界によってはWEB完結型のアプローチが適さないケースもあるため、自社の状況に合わせたカスタマイズが必要です。
プリンセス・マーケティング 「女性」の購買意欲をかき立てる7つの大原則
「プリンセス・マーケティング」は、女性の購買心理を「プリンセス願望」という切り口から分析し、感情的価値や物語性、共感を重視したマーケティング手法を体系化した興味深い一冊です。
女性は商品の機能だけでなく、それがもたらす体験や自己実現、社会的つながりを重視するという洞察は、多くの成功事例(ディズニー、スターバックス等)と共に説得力を持って展開されています。
特に「完璧さより共感」「プロセスを楽しむ」「コミュニティの力」といった原則は、SNS時代の口コミマーケティングやブランドコミュニティ構築において実践的な示唆を提供しています。
一方で、女性を一枚岩的に捉える傾向があり、世代や価値観の多様性への配慮が不足している点、また一部の原則がステレオタイプを強化する懸念もあり、現代的な視点からは注意深い適用が必要でしょう。
女性市場の重要性が増す中、顧客インサイトを深める出発点として価値はあるものの、個々の顧客理解と組み合わせて活用することが成功の鍵となる実用書だと思います。
良い売上、悪い売上 「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹
「良い売上、悪い売上」は、短期的な売上至上主義から脱却し、顧客生涯価値(LTV)と持続可能な利益を重視する経営の重要性を説く一冊です。
悪い顧客(値引き要求が激しく、サポートコストが高い)を見極めて距離を置き、良い顧客(適正価格を支払い、長期的な関係を築ける)に集中投資するという戦略は、特に中小企業にとって実践的で説得力があります。
豊富な事例とデータ分析により、なぜ売上拡大が必ずしも利益増加につながらないのか、そして顧客選別がいかに重要かを明確に示している点が秀逸です。
ただし、B2B企業向けの内容が中心で、B2C企業や新規事業には適用が難しい部分もあり、また「悪い顧客を切る」という判断には慎重な検討が必要でしょう。
全体として、売上成長の呪縛から解放され、真の企業価値向上を目指す経営者やマーケターにとって、パラダイムシフトをもたらす必読書だと感じました。
人がモノを買うしくみを言語化する “知ったかマーケター”からの脱却
「人がモノを買うしくみを言語化する」は、マーケティングの表層的な理解に留まる”知ったかマーケター”から脱却し、購買行動の本質的なメカニズムを体系的に理解することを目指した骨太な一冊です。
行動経済学や心理学の知見を基に、なぜ人は論理的でない購買決定をするのか、感情・認知バイアス・社会的影響がどう作用するかを具体例と共に解説し、理論と実践を橋渡しする構成が秀逸です。
特に「顧客は自分の欲求を正確に言語化できない」という前提から、観察とデータ分析により真のインサイトを発見する手法は、アンケート調査に頼りがちな日本企業にとって重要な示唆を与えています。
対話するたび成長する AIセルフ・コーチング 自分専属のAIコーチの作り方
「AIセルフ・コーチング」は、ChatGPTやClaude等の対話型AIを個人の成長パートナーとして活用し、継続的な自己対話と内省を通じて目標達成や問題解決を図る新しいアプローチを提示する時宜を得た一冊です。
プロンプトの具体例や質問フレームワーク、セッションの構造化など、AIとの効果的な対話方法が実践的に解説されており、特に「AIに自分の思考を整理させる」「多角的な視点を得る」といった活用法は、従来のセルフコーチングの限界を突破する可能性を感じます。
24時間いつでも利用可能で、判断を下さない中立的な存在としてのAIコーチは、心理的安全性を保ちながら深い内省を促進できる点で、特に内向的な人や継続的な振り返り習慣を身につけたい人にとって価値が高いでしょう。
私はもうコンサルティングを辞めてしまいましたが自学自習できるようにコンサルコンテンツは販売しているのでそれをAIコーチングと合わせて活用することで独学ベースでもより成果が出やすくなっています。
BCG流 調達戦略 経営アジェンダとしての改革手法
「BCG流 調達戦略」は、調達を単なるコスト削減活動から経営の競争優位を生み出す戦略的機能へと昇華させるための体系的なアプローチを、世界的コンサルティングファームの実践知を基に解説した重厚な経営書です。
カテゴリー戦略、サプライヤー関係管理、デジタル化、ESG調達など、現代の調達部門が直面する多様な課題に対し、豊富なケーススタディと具体的なフレームワークを提供し、理論と実践のバランスが取れた構成になっています。
特に「調達を通じたイノベーション創出」「サプライヤーとの協働による価値創造」という視点は、従来の対立的な購買交渉から脱却し、エコシステム全体の最適化を図る現代的なアプローチとして説得力があります。ただし、BCGのクライアント企業(主に大企業)向けの内容が中心で、中小企業には組織規模や予算面でそのまま適用が難しい部分も多く、自社の状況に合わせた取捨選択と段階的な実装が必要でしょう。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
「やり抜く力 GRIT」は、心理学者アンジェラ・ダックワースが、才能やIQよりも「情熱と粘り強さ」の組み合わせであるGRITこそが、長期的な成功を決定づける要因だと科学的に実証した、パラダイムシフトをもたらす一冊です。
膨大な研究データと実例を通じて、なぜ優秀な人が必ずしも成功しないのか、そして一見平凡な人が偉業を成し遂げるのかを解明し、努力の継続性と目標への執着心の重要性を説得力を持って示しています。
特に「興味→練習→目的→希望」という4つのステップでGRITを育てる具体的方法論や、「意図的な練習」の重要性、失敗から学ぶレジリエンスの構築法は、個人の成長戦略として即座に実践可能な示唆に富んでいます。
経営の勝者が実践する資金調達
「経営の勝者が実践する資金調達」は、銀行融資、VC調達、補助金・助成金、クラウドファンディングなど多様な資金調達手法を体系的に解説し、成長ステージや事業特性に応じた最適な選択方法を示した実践的な経営指南書です。
単なる調達テクニックの羅列ではなく、財務諸表の見せ方、事業計画の作り込み、投資家との交渉術など、資金提供者の視点に立った戦略的アプローチが詳細に解説されており、特に初めて本格的な資金調達に臨む経営者にとって心強いガイドとなっています。
成功事例だけでなく失敗パターンも紹介し、「なぜその調達方法を選んだのか」「どんな条件交渉をしたのか」という意思決定プロセスが具体的に示されている点は、実務での再現性を高める優れた構成です。
ただし、金融環境や制度は常に変化するため、特に金利動向や政府支援策については最新情報での補完が必要であり、また業界特有の慣行や地域性についても個別の情報収集が欠かせないでしょう。
増補改訂版 日本一学生が集まる中小企業の秘密
「日本一学生が集まる中小企業の秘密」は、知名度や待遇で大企業に劣る中小企業が、独自の採用戦略とブランディングにより優秀な新卒人材を獲得する実践的ノウハウを、成功事例と共に解説した採用革新の指南書です。
インターンシップの設計、SNS活用、社員を巻き込んだ採用活動、学生目線でのコンテンツ作りなど、予算をかけずに「働く意味」や「成長機会」を訴求する具体的手法が豊富に紹介され、特に採用に苦戦する中小企業にとって即効性のある施策が満載です。
「給料や福利厚生で勝負しない」「中小企業だからこそできる個別対応」「経営者の直接関与」といったアプローチは、Z世代の価値観とも合致し、大企業との差別化戦略として説得力があります。
事業計画の極意
「事業計画の極意」は、投資家や金融機関を説得できる実効性の高い事業計画書の作成方法を、戦略立案から財務モデリング、プレゼンテーションまで体系的に解説した、経営者必携の実践書です。
単なるテンプレートの提供ではなく、市場分析の深掘り方法、競合優位性の明確化、リスクシナリオの想定など、計画の説得力を高める思考プロセスと具体的な検証方法が丁寧に示されており、特に初めて本格的な事業計画を作成する起業家にとって頼もしいガイドとなっています。
「数字の根拠を明確にする」「KPIの設定と進捗管理」「撤退基準の明文化」といった実務的なポイントは、計画倒れに終わらない実行可能な計画作りの要諦として、多くの失敗事例から導き出された知恵が凝縮されています。
Excel財務モデルのサンプルやピッチデック作成のコツなど、すぐに使えるツールや技法も豊富ですが、業界特性や事業規模によってカスタマイズが必要な部分も多く、基本を押さえた上での応用力が求められるでしょう。
まとめ
来年も読んで役に立った本の記事位は更新出来ればと思います。本の紹介をしておいてなんですが結局は自分で実践して考え抜くことが大切です。
私も情報発信は辞めてしまいましたが辞めてからの方がより知識を研鑽できています。最初は本という人の力を借りてどんどん刀を磨いても最終的に自分で刀を磨いて自分だけの武器を作れる人が市場から抜きん出て圧倒的に稼ぐことができます。
まずは知識が足りないのか、やり抜く力が足りないのか、フィードバックを受ける環境が足りないのかなど本を読むことで自己分析してその先へ進みましょう。年商1億円程度であればやれば誰でも出来ます。やりましょう。













