2026年以降の無在庫輸出戦略について

2025年には

  • アメリカのデミニミスルール撤廃($800未満でも関税がかかるように)
  • アメリカ向け郵便局の配送一時停止
  • アメリカ向けDDP(関税込み持込渡し)条件が必須に

などの大きな変更がなされ初心者の方を中心にeBay無在庫輸出に取り組みづらくなりました。

今後は一体どのようにしていけば良いでしょうか?

DDPへ対応して販売を続ける

eBayUS自体が対応しきれていないので今後DDP必須ではなくなるかも、という噂もありますがあまり期待しないほうがいいです。

アメリカで販売を続けるのであればDDP対応は必須です。

そうなると価格に転嫁する必要が出てきますが問題なのは関税がいくらになるかということです。

これはカメラだったらいくらのようにジャンルで決まるわけではなくジャンルに加えて原産国や素材なども加味して決まります。

AIに聞く方法もありますが正確ではないのでSimplyDutyのようなサイトで一つ一つ調べる必要があります。同系統の商品であれば同じHSコードのなるので私が推奨している専門店化する方法であれば特に手間ではないと思いますが一般的な利益が出そうなものを片っ端から出品していく雑多なものを扱う方式だと厳しいでしょう。

その人たちはどうすればいいか、と言うと分かりません。そもそも推奨いている方法ではないのでう頑張って一つ一つ調べる以外ないです。

扱う商品が決まっていレバざっくりと関税分20%で計算してもいいのですが素材が違うと高いものは60%ほどかかることもあるので個人副業のレベルでは対応が難しくなっています。

しかも計算通りいかないこともあり事前に調べて中国原産国→米国で20%想定なのに実際は40%超えなケースなどもあり、アメリカの税関の対応も非常に曖昧で判断が難しくなっています。

ちなみに返送時に関税分を返してもらう手続きは非常に面倒なのでこちらも個人レベルでは不可能だと思ってください。DDP条件必須になったことにより返送リスクは以前より上がっています。

よくこれで無在庫輸出は厳しくなった、と言う人がいますが有在庫販売だろうと同じです。中長期的にはライバルセラーが減るのでいいことだと思いますが短期では様子見をするのが一番なのでDDP対応して売ると言うのは初心者の方にはあまりおすすめできません。

商品はカテゴリを絞って事前に関税を調べるとして問題になるのは返送時に関税分を取り脅すのが難しい、と言う話でしたが対策はあります。

それはそもそも返品率が低いジャンルの商品を扱うことです。eBayではBasicプラン以上でResearch>Sourcing Insightsから自分が販売していない商品でもReturn Rate(返品率)を見ることが出来ます。なお実際に販売した商品ジャンルであればService metricsから見ることが可能です。

自分が扱っている平均商品単価とその送料、関税、返送料などから返品が起こった際のマイナス金額が計算可能です。今ならこの辺りAIに計算してもらうのがいいでしょう。

あとは返品率が分かっているので100個商品を販売した際の期待値が計算できます。

DDP条件になり値付けを間違えるとこれがマイナスに突入することも出てきます。しかしプラスな限りは返品リスクも織り込み済みとなるので大した問題ではなくなります。初心者の方はこの辺りが出来ないので撤退していきます。

返品率は高いカテゴリでは5%を超えるのでその様な場合は参入ジャンルの変更を図るか次の対策を取っていきましょう。

アメリカ以外へ販路拡大する

次に考えられるのはアメリカ以外の販路を拡大する方法です。これにはさらに2通ります。

一つがアメリカアカウントでアメリカ向けの販売とその他向けの販売で分ける方法、もう一つはアカウント自体をアメリカ以外のものを育てる方法です。

送料表を分ける方法

前者の場合は現在のeBayの仕組みでは国別に送料を変えることはできても商品価格を変えることは出来ないため送料で振り分ける必要が出てきます。
eBayMagの様なツールを使えば国別の値段設定が可能ですがeBayに必須の仕入れ価格と連動した価格改定系のツールと相性が悪いのでおすすめできません。

そのため配送方法自体で例えばアメリカだけSpeedPakEconomyにして専用の送料表を用意するような形で対応可能です。ただし商品価格$50 送料$200の様な調整方法では購買意欲を削ぐことになるので注意しましょう。

別国のアカウントを育てる方法

私は現在イギリス、オーストラリアのアカウントも持っているのですがそちらは当然何も影響がありません。
ちなみにDDP必須なんて勝手なことをしているのはeBay販売での日本→米国発送だけで独占禁止法に引っかかっているとも言われています。

  • 売れ筋が異なるので現在の商品をそのまま出しても売れるわけではない
  • どちらも売上規模は体感アメリカの1/3位
  • 評価をまた1から貯める必要がある
  • 大量に売れた場合VAT登録の必要がある

などの問題はありますが非常にいい選択肢と言えます。

個人的にはアメリカ販売を続けますが2025年の先行き不透明な時点で新規でやるならばオーストラリアがおすすめです。

Shopeeなどの別の無在庫輸出を行う

無在庫輸出の中で近年注目を集めているのがShopee無在庫輸出です。アジア向けでありAmazonやeBayに比べると市場がまだ小さいですが公式に無在庫販売を可能にしており将来性が高いと言われています。

売れ筋はeBayとは全く異なりますが比較的Amazonで売れるものに近いと感じています。やはり物販を行う時は日用品を買うEC系かコレクションアイテムを買うオークション系をまず判断するのが大切です。

記事執筆時点では弊社でも始めたばかりなので勝手が分かり次第追記します。ただ世間のインパクトほどアメリカの関税ルール変更によるeBayへの影響を感じておらずむしろチャンスだと思っているので今後もShopeeにはあまり力を入れないかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか、ちなみにAmazon輸出はオールドアカウントでないと取り組みづらく参入障壁が高い分一番稼ぎやすいので結局今回のeBay輸出に対するアメリカの関税ルール変更も上級者にとっては追い風になっています。

初心者にとっては完全に向かい風ですね、流石に独学だと厳しいと思います。選択を迫られているのはボリュームゾーンである中級者の人たちです。

個人的には無在庫輸出は完成されたビジネスモデルの一つであり今回の件で辞める人は確実に増えるのでむしろチャンスでしかない、と感じていますがそういう思考ができる人はそう多くはないと思います。

ストレスをかけてまで無理に取り組む必要はないので一般的には様子見をして先行きが分かってから再度参入するという流れでもいいと思いますが今回の記事に対策を書いたようにリスクとして織り込んでいれば競合が減るメリットもあるので実はそこまでの問題ではありません。

コロナ禍で郵便局が使えない、となった時に辞めた方は多かった様ですがむしろクーリエで送っている人はチャンスでした。今後の戦略の参考になれば幸いです。

   

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