物販で何を扱うべきか分からない、と言う悩みを持っている方は非常に多いと思います。
そして多くの方はそこから次に利益が出る商品を扱いたい、利益が出る商品を知りたいと思うことになるのですがこの考え方は間違っています。
考えるべきは次の図のようにやるべきこと、やりたいこと、できることの共通集合となる部分です。
ビジネス経験がない多くの人はやりたいことだけで考えてしまいます。
これは物販でいうと利益が出るもの考えてください。
やるべきことは世の中に求められていることとも言い換え出来ます。いわゆる市場のニーズがあるもので時代や参入タイミングによっても異なってきます。
そして出来ることというのは自分が専門性があったり強みが活かせる分野です。
やりたいことや出来ることがそれぞれ何もないという場合は最初は残りの部分のの共通集合のみ考えてもいいですが長く続きません。世の中大抵の人は同じことを考えているためです。
またやりたいことも出来ることもないという方は物販をしない方がいいです。これは物販に限った話ではありません。まず出来ることを増やしていきましょう。そうすれば自ずとやりたいことが増えていきます。反対にやりたいことがある人はそれを目標に出来ることを増やしてもいいです。一般的にこの2つのギャップを埋めていくことが人生の幸福度を上げると言われています。
ゆえに私が扱うべき商品とあなたが扱うべき商品は異なります。
最初はやりたいこと(利益が出る)という一点のみでも問題ありません。実際ビジネスとして継続するのであれば利益が出るということは重要です。そうでないとただの趣味で終わってしまうからです。
しかしそれだけでは早いうちに終わりを迎えてしまいます。
私も過去に数多くの商品を扱ってきましたがやはり利益が出るという一点のみでは続きませんでした。自分には何も取り柄がないという人はこれから身につければいいだけです。その努力を怠ってビジネスで結果を残したいというのは甘いです。
少なくとも特定の分野に関して自分の周りの誰よりも詳しくなる位には努力が必要です。
物販で市場のニーズを捉えるには
私の場合はまずやるべきこと、市場のニーズから考えます。
まずニーズとは生活や仕事の中で感じる不満や欠乏を、理想の状態にしたいと考えたときに生まれる、現実とのギャップを解消する欲求です。
ちなみにニーズとは欲求そのものでありそれを具体的に満たしてくれる商品やサービスを求める欲求をウォンツ(Wants)と呼びます。
ニーズを考えるときはマズローの欲求五段階説について考えましょう。
参考までに五段階説には実は超越欲求(利他的欲求)と呼ばれる六段階目の欲求もあります。
マズローの欲求五段階説とは人は低次の欲求を満たして初めて高次元の欲求を満たそうとするという学説です。(時に逆転する場合あり)
- 生理的欲求を満たす商品 衣食住に関するもの
- 安全の欲求を満たす商品 安全・健康に関するもの
- 社会的欲求を満たす商品 家族や友人など人間関係に関するもの
- 承認欲求を満たす商品 他人からの評価につながるもの
- 自己実現欲求を満たす商品 自己満足でいいから満たしたいもの
ここで注意が必要なのは消費者のニーズを低次の欲求と捉え違えてしまうことです。
例えば食べ物を食べたいと思っている=生理的欲求を満たしたいだけではありません。
現代の日本社会において飢えることはほぼありません。多くの場合食べ物を食べたい、という言葉の前に
- 美味しいものを食べたい
- 友達と楽しく食べたい
- おしゃれな場所で食べたい
- インスタにアップできるものを食べたい
- コスパが良くて美味しいものが食べたい
- 健康にいいものを食べたい
- 美容にいいものを食べたい
などの枕詞がつきます。
これらは社会的欲求や承認欲求、自己実現欲求と関係してきます。そのためモノが溢れた現代社会において低次な欲求に基づく商品の仕入れや開発を行うのは危険です。
ニーズを捉え間違えてしまうことになるためです。
多くの現代人は承認欲求(特に若い世代)、自己実現欲求を満たしたくて商品やサービスを買います。
低次の欲求を満たす商品は昔から存在する企業、つまり老舗メーカーや大手メーカーが既に参入していることが多いので基本的にはお勧めしませんが分析する中で勝てると判断できればもちろん家電だろうが食品だろうが参入して問題ありません。
そして人の悩みはお金、健康、人間関係の3つに集約されると言われていますがこれらを物販と絡めて高い次元の欲求とつなぎ合わせて見ていきましょう。
お金
お金やキャリアアップに関する欲求はセミナーや塾、コンサルなど無形の情報サービスで満たされることが多いので物販に繋げるのは比較的難しいのですが仕事道具をイメージして貰えば問題ありません。
PC、カメラなどキャリアアップ、スキルアップに関する仕事道具、万年筆・スーツ・バッグなどおしゃれに関するもの全般が考えられます。
健康
高次な欲求で捉え直すと健康は美容と繋がります。ただ寿命を伸ばすのではなく健康寿命というものが意識されるように若くいることに関心がある人が増えており、またSNSの影響で美に対する意識も年々高まっていると言われています。
サプリ、筋トレグッズ、プロテイン、美容ドリンク、コスメ
人間関係
人間関係は社会的欲求のみで捉えがちですが実は異性にモテたいという自己実現欲求が大きく関係してきます。(特に男性)
もちろん自己満足でおしゃれにしたいという方もいるとは思いますが世間一般で考えるとどこかで異性の目を意識しておしゃれなアイテムを揃えたいと考えるのが人間という生き物です。
アパレル、ジュエリー、時計、香水、おしゃれな家具・車など
また人間が持つ3つの悩みには関係しませんが自己実現に関して趣味に対する欲求はかなり大きいものなので趣味カテゴリーについても見ていきましょう。
趣味
大手サイトの人気趣味ランキングを見ると以下のようになっていました。
それぞれつながる物販グッズと合わせてまとめています。
- 旅行 →スーツケース、携帯グッズ
- 音楽鑑賞 →イヤホン、スピーカー
- ドライブ・ツーリング→車、バイク
- 映画鑑賞 →プロジェクター
- キャンプ →キャンプ用品
- 散歩 →スニーカー、スマートウォッチ
- 読書 →本棚
- 料理・お菓子作り →調理グッズ
- ファッション →ファッション
- 美容→コスメ
- DIY → 工具、壁紙
- カラオケ → マイク
- 温泉巡り → 温泉の元、入浴剤
- 酒→ グラス
- 筋トレ・ダイエット → 筋トレグッズ、サプリ
- ゲーム → コントローラー、ラック
- 漫画 →本棚
- ハンドメイド →ビーズパーツなどの材料
- スポーツ観戦 →テレビ、ファングッズ
- ドラマ・動画鑑賞 → モニター、スマホ
- ランニング → スニーカー、ランニングウェア
- アニメ →アニメグッズ
- スイミング →水着
- カメラ →レンズ、レンズフード
- 楽器演奏 →ギター、キーボード、エフェクター
- 釣り →釣竿、ルアー
- ヨガ →ヨガウェア、ヨガマット
- 音楽ライブ →ライブ用耳せん、オペラグラス
- ガーデニング →プランター
- サイクリング →自転車、ヘルメット、サイクリングウェア
- 美術館巡り →絵画のインテリア
- 塗り絵 →タブレット、ペン
- パズル →パズル
- 登山 →登山シューズ、帽子、バッグ
- グルメ →調理器具
- テニス →テニスグッズ
- ゴルフ →ゴルフグッズ
- ボルダリング →スポーツウェア
- コスプレ →コスプレグッズ
- 動画制作 →モニター、PC、SDD
- 水族館巡り →魚の飼育用品
- トレーディングカード →カードケース、スリーブ
- 観劇 →オペラグラス
- ネイル →ヤスリ、ネイルグッズ
- マッサージ →マッサージ用品
- 動物園巡り →動物グッズ(キャラもの)
- スキューバダイビング →ダイビンググッズ
- 乗馬 →乗馬グッズ
- ビリヤード →ビリヤードグッズ
- フットサル → フットサルウェア
グッズはすぐに思いつくものをまとめただけで大切なのはここから深掘りすることです。
ここで先ほどの図をもう一度思い出しましょう。
世の中のニーズに対してあなたが出来ること、やりたいことで重なる部分はありますか?
もしなければそれを作るための努力は出来ますか?
それを考えれば扱う商品は自ずと決まってきます。
なおツールを使用したりAmazonの売上データをコンサルティングなどで入手している方はそれらのデータを併用した方がより詳細なリサーチが可能になります。
参入する価格帯の決定法
参入するジャンルが決まったからといってすぐにそのジャンルの商品を作成することは出来ません。
そこから市場の商品を分析していくのですが大切なのは価格帯別に分析することです。
まずは大きく3つに分けて分析しましょう。実際に参戦することが決まったらもっと詳しく分析します。
品質と価格の2軸で見た場合、商品として成立する市場は9マスのうち6マスのみです。
また価格と品質が釣り合っている部分の価格をフェアバリューと呼びますがAmazon市場に新規参入する場合はプレミアムをいきなり狙うのは危険なのとスーパーバリューをいきなり狙うこともできないので実質4マス勝負になります。
スーパーバリューは高価値の商品を作ることが出来る企業のみが選択肢として取っていけるセグメントです。
またエコノミージャンルは中国セラーであったり国内でもナショナルブランドが市場を取っていることも多いので競合しないかを慎重に見ていきます。
この時点でもかなり絞り込まれます。それ以外の企業に対しても勝てる勝てないは自社の強みによって変化します。
そのため
需要のある市場の絞り込み→競合の確認→自社の強みで勝てるかどうか
という流れを経て扱うべき商品を絞り込んでいきましょう。
この時の強みというのはあくまでマーケットインの考え方で市場で求められているニーズがある部分に対する強みです。アンケートで拾っても良いのですが潜在的ニーズと健在的ニーズは異なるので競合商品のレビューを読み込むのが一番です。
例えば以下はネックケアのキーワードで検索して上位に出てきた商品のレビューです。
中華系の商品に多い、値段と比べて安っぽい、すぐ壊れるというマイナスレビューがいくつか入っていました。
こういった商品に対してはマイナスレビュー部分の改善(品質改善)や自分が販売した際のマイナスレビューのディフェンスで戦っていけるのでは?という仮説を立てることが出来ます。
実際に戦っていけるかどうかはその企業次第になります。記事を読んでいる企業の多くの企業はファブレスメーカー(工場を持たないメーカー)だと思うので品質改善が出来るかどうかは工場にも寄るのですが注意が必要なのは例えば中国の工場にネックケアの商品を貴社でも作っているようですが高品質で作成可能でしょうか?と聞いても意味がないという点です。
特に中国の工場はお客さんを取るためにほぼ確実に高品質で作れる、他社とは違うと言います。
しかし実際にはそのような工場でも低品質の商品を作ってきます。
その為これは商品選びとは別の工場選びの問題になりますが合わせて良い工場の選び方を勉強しておきましょう。
メーカー仕入れの場合は品質は安定していますしそのメーカーの他の商品のレビューなどである程度判断できるので特に問題になる部分ではありません。
集客経路の確認
多くのセラーがしがちなのが市場に存在する既存の商品の商品力を上回っていれば勝てるという思い込みです。
良い商品を作っても適切に集客できなければ平気で負けます。
その為商品設計、仕入れ段階で集客経路まで確認しておく必要があります。
Amazon内集客の場合はブランド登録している方限定になりますがAmazon Brand Analyticsという無料の機能で大体の分析は可能です。Amazon外の外部集客まで考える際はGoogleやYoutubeの検索数、Instagramのハッシュタグ数などまで分かるツールの方が便利です。
とりあえずAmazonで売るだけであればAmazon Brand Analyticsがあれば十分なので1商品だけでも良いのでブランド登録は必ずするようにしましょう。
Amazon Brand Analyticsは検索頻度順にキーワードを並べてくれたり、検索したキーワードの検索頻度が何番目か教えてくれますが基準は頻度10000以内です。
10000あればそのキーワード(正確には小カテゴリ)でベストセラーを取ることが出来ていれば検索キーワード経由で100個/月は売れています。この数字も将来にわたって変わっていくので常に自分で販売してデータを取っていくことが大切です。
商品力で勝てると判断した商品、メーカーに対してその商品が具体的に取れていないキーワードは何なのか検討します。
新たなキーワードで検索した場合当初予定していなかったライバルが見つかることもあるでしょう。特徴が被っていなければ問題ありませんが被っている場合はリサーチから改めてやり直す必要があります。
そして勝てるキーワードをいくつか見つけた状態で初めてその商品を作成したり仕入れます。説明を分かりやすくするために詳細な分析方法などはここでは省いていますがここまで徹底的にやっているかこそ再現性を持ってAmazonベストセラー商品をいくつも生み出すことが出来ているのです。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
という言葉があるように上手くいかない場合はそもそも分析が甘かったり、工場選定が甘かったり必ず理由があります。
真の実力を身につけて最終的にはあなたにしか扱えない、あなたが扱うべき商品を選んでいきましょう。